12dc0414-6b3f-4484-9641-ab24e3bc2368欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会は2023年5月3日、枯渇しつつあるウクライナとEUの弾薬やミサイルの在庫を補充するため、それらの生産を拡大すると発表した。写真は、20mm対空機関砲か?

弾薬などの生産拡大を図る法案を明らかにし、5億5200万ドル(約740億円)の予算をあてる。報道資料には「EUの生産能力を高め、弾薬とミサイル、またそれらの材料の現在の不足を解決する」とある。

b9513a05欧州委員会のフォンデアライエン委員長(Ursula von der Leyen 64)は「ウクライナは勇敢にも残忍な侵略者であるロシアに抵抗している。我々は必要とされる限りウクライナと同国民を支援するという約束を守っている。だがウクライナの勇敢な兵士たちは自国を攻撃から守るために十分な軍事装備を必要としている」と述べた。フォンデアライエン氏は同法案について「ウクライナが市民を守るのにより多くの弾薬を供給するのに役立ち、また欧州の防衛能力を強化する」と意義を強調した。参照記事 過去ブログ:2023年4月欧州にすり寄る中国 停戦より自国繁栄?中国を頼る仏?:4月プーチンはウクライナ人抹殺を計画した犯罪者

ロシアとウクライナの戦争は、EUが第三国に殺傷能力のある武器を供給した初めての事例となり、ロシア政府が欧州の安全保障にもたらす脅威の大きさを浮き彫りにしている。EU以外には米国と英国がウクライナに対して主要な支援を行っている。EUは2023年2月、ウクライナに対する36億ユーロ・5100億円の軍事支援基金に5億4500万ユーロ・774億円を追加すると明らかにし、4月25日、ウクライナに15億ユーロ・2200億円の追加支援を公表している。参照記事 参照記事 

58c2ca6e230427112603-crimea-base-satellite-super-169一方のロシア軍に関し、衛星写真からは2023年2月に大砲や戦車など軍の装備でいっぱいだったクリミア半島北部の大規模なロシア軍基地が、3月下旬には大部分が空き地となり、先週にはほぼ空になった様子がわかる。装備の行き先は不明だが、北に向かいロシアの防御ラインを固めている可能性が高い。また、ロシア空軍はウクライナの防空手段を回避するために、「スタンドオフ」Fs4Y4ZoaAAAOTn1の武器(長距離ミサイル)の使用を増やしていると言及。東部の激戦地バフムートでは強力な14508564_0 151 3543 1568_1920x0_80_0_0_c89e1.5トン長距離滑空爆弾が最近使用されているという。誘導され70キロ飛行するこの爆弾に、ウクライナは対抗手段が無く、配備された独戦車レオパルト:左 にも脅威だと言う参照記事 参照記事 参照記事 参照記事 映像:ジャベリンだけじゃない、ロシア戦車を駆逐するウクライナ国産の対戦車ミサイル「STUGNA-P」 

0e1454df北大西洋条約機構(NATO)の当局者は、ウクライナに送ると約束した戦闘車両の98%(1700両以上9は既に国内に運び込まれたと語る。ウクライナのレズニコウOleksiy Reznikov国防相は2023年4月28日、反攻の準備がほぼ完了したと述べた。これまでのウクライナ市民の死者 少なくとも8574人(国連・2023年4月23日時点)、ヨーロッパに滞在しているウクライナ難民 817万4779人(UNHCR・同4月25日現在)

1f0077bcウクライナ側は部隊の動きを発表していないが、南部では、4月26日時点で,ザポロジエ州Zaporizhia oblastにあるHuliaipole付近に約12000人のウクライナ兵が集結しているとロシア側が指揮したとある。参照記事 参照記事 過去ブログ:2023年4月NATO事務総長の中国への期待感は0と反攻作戦:4月ウクライナ情報総局局長「露は核攻撃は出来ない」: 

ロシアが侵攻し、併合を宣言したウクライナ南部ザポロジエ州Zaporizhia oblastのロシア側「行政府」トップ、バリツキー氏は5月5日、ウクライナ軍の攻撃が強まっているとして、前線に近い計18地区から子どもや高齢者、病気療養者らを一時避難させると発表した。行政府幹部によると、対象者は約7万人に上る。タス通信が伝えた。参照記事 

russian-army-t-14-armata-tanks-driv2023年5月6日:ウクライナ侵攻を続けるロシアが、今月中ともいわれるウクライナ軍の大規模反攻への警戒を強めている。NATO側が供与した200両以上の戦車に対抗し、先月4月末から一台約9億円と言われる次世代戦車「T14アルマータ(T-14 Armata)」を前線に投入。併合を宣言した南部で対戦車用の塹壕を掘るなど防御を固める。T14は対戦車砲迎撃システムを備え、エンジンの排気熱を減らしてレーダーで捉えにくいステルス性に優れる。装甲が固く、英国の戦車「チャレンジャー2」の砲弾は貫通しないとの指摘もある。また、この狭い中にトイレもあると言う。

10 年前、モスクワは 2020 年までに 2,300 機の T-14 を配備すると主張したが、現在までに確認されたのは、2021 年までに合計 40 機になる数十機の試作機だけである。 2022 年に始まり、2023 年 4 月までに、少なくとも 1,900 台のロシア戦車が破壊、放棄、または損傷されたという。莫大な費用のかかる新たなウクライナ侵攻において、ロシアは旧式の T-54 および T-62 戦車の再稼働を余儀なくされた。
ロシアが最終的に T-14 を戦闘に投入するという噂は 2023 年の 1 月から 2 月にかけて増加し始めたが、視覚的な証拠はとらえどころのないままだった。参照記事 英文記事 、、2022年時点では、予算や部品不足で生産ができないと言われていたのだが、、。参考:ロシア軍の最新戦車が破壊されたことが初めて確認される  

70611119-12050007-image-a-27_1683277718011ワーグナー民間軍事会社 (PMC) の創設者であるエフゲニー・プリゴジンYevgeny Prigozhin, the founder of the Wagner Private Military Company (PMC):左と右下 は、ロシア国防省に書簡を送り、2023年5月10日以降、ワーグナー PMC の傭兵をバフムートから撤退させると述べ、弾薬の不足により、傭兵の損失が劇的に増加しているとの理由だとした。

彼はビデオで別映像)、セルゲイ・ショイグ国防相:右 とロシア軍の最高司令官であるヴァレリー・ゲラシモ1683276381_146_Prigozhinフ将軍:左 General Valery Gerasimov, left, 1683276375_719_Prigozhin-Russian Defense Minister Sergei Shoigu:rightに対し「ショイグ(国防相)、ゲラシモフ(参謀総長)、弾薬はどこだ」と強い口調で問いかけた。また、何列にもわたる戦闘員の遺体の前に立ち、無数の遺体を指さし、弾薬が在れば死者は5分の一で済んだと言い、「クズ野郎!」「よく聞け、クソビッチ!この人たちは誰かの父親であり、誰かの息子なんだ。弾薬をくれない奴らは地獄で内臓を食べることになるんだ、クソビッチ!」など、他、メディアが書けないような、ありったけの罵詈暴言(ばり-ぞうご230505-Yevgeny-Prigozhin-al-0751-f1ef79ん)を吐き、怒りを露わにした。一方、プリゴジン氏は「ロシア国民にとっての聖なる祝日(ロシアの5月9日第2次世界大戦の戦勝記念日)を辱めないよう弾薬が尽きても(それまでは)とどまる」とも述べた。政権側や国民にみずからの立場をアピールするねらいもあるとみられる。また、プリゴジン氏は6日、ウクライナ東部の激戦地バフムート市で確保した陣地などをロシア・チェチェン7b46b90e共和国のカドイロフ(カディロフ氏:Ramzan Kadyrov)首長率いる部隊(彼の私兵「Kadyrov’s pro -Russian troops」か?)に引き渡すとの意向を明らかにした。 英文記事 英文記事 参照記事 参照記事  参照記事 過去ブログ:2023年5月ワグネルのプリゴジン、露国防相に撤退の最後通牒:2022年3月ウクライナで親露、反露チェチェン組織が戦闘状態 参考:歴史から学べる「戦争で弱者が強者に勝つための方法論」とは?

2023年5月7日:プリゴジンは、最前線のワーグナー部隊をバフムートから撤退させると脅した後、ロシア軍からより多くの弾薬を提供するという「約束」を受け取ったと語った。また、ロシア軍は、ロシアが占領しているウクライナ南部のザポリージャ原子力発電所Zaporizhia nuclear power plantにサービスを提供している町から住民を避難させている、とウクライナ軍は述べた。 英文記事 



nappi11 at 00:02│Comments(1) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

コメント

1. Posted by 甲東   2023年05月06日 06:46
カディロフは、プリゴジンの撤退発言も不快だが、国防省指導部がコメントも、会うこともしないことが二重に不快だ、と言っていると。まとも(?)だなー。イスラム教徒は粘り強いか。
スーダンが小康状態になったのは、やっぱり弾の供給に問題があるからだろうか。

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