文書が報道されると、ロシアのペスコフ大統領報道官は米CNNに「ロシアとウクライナの紛争に米国とNATOが関与を深めていることに疑いはない。事態を複雑化させている」と批判した。
ウクライナ軍は昨2022年11月に南部ヘルソン州のドニプロ川西岸地域をロシア軍から奪還して以来、占領地の解放で成果を上げていない。ロシアのプーチン大統領が2022年9月に一方的に併合を宣言した東部と南部の4州からの撤退を軍に許す気配はなく、領土の奪還作戦には軍事力の行使が前提だ。このままではロシアの領土占領が固定化されかねないとの懸念があり、ウクライナ軍は作戦開始を急がなくてはならない。参照記事
ニューヨークタイムズ紙が得た文書の中には、ロシア諜報機関F.S.B. や国防省など、戦争のさまざまな側面を担当するロシアの機関の間での内紛や非難が含まれ、死傷者数に関するリークされたエントリは、ロシア諜報機関の調査結果の背景をほとんど提供しておらず、FSB はロシア政府内での議論において国防省自身が公表する死傷者数に疑問を呈していると報告している。
FSB当局者は、同省の報告には、ロシア国家警備隊、ワーグナー傭兵部隊、またはロシア南部のチェチェン共和国の有力な指導者であるラムザン・カディロフが配備した戦闘員の死傷者は含まれていないと主張している。また、クレムリンがウクライナに配備したさまざまな戦闘部隊は、時には目的を超えて行動し、ロシアの軍事的努力をさらに複雑にしている指摘。F.S.B. は、「戦死したロシア人の実際の数は 110,000 人に近いと計算した」と文書内で述べられているという。英文記事、、、(筆者:最近の米国の報告では、ロシア正規軍の戦死者だけで4~5万人と推測されている。)
流出資料には、2 月 23 日付の国家情報長官室からの「ウォッチ レポート」と呼ばれる 6 ページの文書も含まれている。ウォッチ レポートは、インテリジェンスの報告を正しいと決定するのではなく、配布される数時間前に諜報機関に寄せられたさまざまなアカウントをまとめたものであり、その一部は単一の情報源からのものであり、多くの場合、詳細なコンテキストは含まれていない。
元当局者によると、監視レポートを読んでいる政府当局者は、一部の資料が正しいことが証明されるだろうが、不完全なものも混じっていると述べた。
たとえば、Watch Report は、ロシアの対外諜報機関が、通信傍受から、中国がロシアへの明確な援助を承認したと「報告した」と述べているが、中国人がロシア人に援助を送っていたと伝えていたのか、それともロシア人が中国人をスパイしていたのかは文書からは明らかではないとした。(筆者:中国内でも公表されない、裏情報の可能性もあると言う事か?米国防省は、メディアの問い合わせに対し、個々の内容の真偽に関しての回答を、一貫して避けているようだ。当然そうなるだろうが、歴史的失態なのは事実だ。逮捕されたJack Teixeiraの審理は4月14日から始まっている)過去ブログ:2023年4月機密文書漏洩はゲームアプリ「ディスコード」から>逮捕:ニュース映像
2023年4月19日:米国の機密文書が流出した事件に関連し、エジプトがロシアへのロケット弾供与を極秘に進めていた疑惑が報じられたが、4月17日に新たに報じられた内容によると、今年2月下旬から3月上旬にかけてオースティン国防長官らアメリカ政府の高官が立て続けにエジプトを訪問した後、このロケット弾供与の計画が中断されたことが別の機密文書から明らかになった。代わりにエジプトは155ミリ砲弾などをアメリカに売却し、ウクライナに送ることで合意したと伝えている。エジプトは長年、ロシアと軍事的な協力関係にある一方でアメリカからも毎年多額の軍事援助を受けていて、ワシントン・ポストは、大国間競争が激化するなかでエジプトのバランス感覚はより複雑になっていて、「自国の新たな優位性を求めるようになったことを示している」と指摘している。参照記事 写真はシシ大統領(右)と会談するオースティン米国防長官=2023年3月8日 参照記事