メリトポリはロシアが２０１４年に併合したウクライナ南部クリミア半島につながる交通の要衝で、ウクライナ東部や南部を占領するロシア軍の補給を担う重要拠点。

　米紙ワシントン・ポスト（電子版）は4月３日、ロシアがクリミア半島海岸部、北部に複数の長い塹壕を造っていると伝えた。米宇宙技術企業マクサー・テクノロジーズが提供した衛星写真を分析し「予想されるウクライナの攻勢を前に防衛が急速に強化された」と指摘した。写真右は、クリミア半島西部海岸Vitino地区の3月12日撮影の塹壕　参照記事　現地4月 5日の朝、ロシア軍占領のメリトポリの北部、西部で爆発が発生したとされるが詳細は不明。参照記事　

2023年4月6日：ウクライナ政府は自国の軍がクリミア半島との境界に到達した時点でロシア政府との停戦交渉に応じる用意を示すと、英紙ファイナンシャル・タイムズ（FT）が報じた。ウクライナ大統領府のアンドレイ・シビガ副長官は取材の中で「仮に我々が戦場での戦略的目的を達成し、クリミア半島の行政上の境界地点に到達すれば、我々はこの問題の議論のためページを開く用意がある」と述べ、クリミアを軍事的に制圧し、管理下に置く計画も放棄していないと指摘した。ミハイル・ポドリャク大統領府長官顧問によると、ウクライナ軍は直近の5ヶ月から7ヶ月の間で軍事的手段によるクリミア制圧を計画しているという。4月5～6日の夜にかけて、メリトポリで数か所の爆発が確認されている。　参照記事　英文記事　、、ちなみに、半島と本土の境界は、図の中央にある点線と思われる（筆者）。

一方、東部の戦況に関し、ポーランドを訪問したゼレンスキー大統領は4月5日「バフムートBakhmutに留まる兵士が包囲されそうになれば司令官が適切な判断を下す」と述べて「状況次第で撤退もあり得る」と示唆したが、今のところロシア軍のバフムート包囲の試みが成功する兆候はない。参照記事　映像：バフムトでのウクライナ軍攻撃総集編　　バフムト市街地へ突入するウクライナ戦闘車両　ウクライナに到着した英国製最新鋭戦車Challenger2 tank：

2023年4月7日：ウクライナ軍は4月６日、東部の戦況に触れ、バフムートBakhmutとアウディイウカAvdiivka、マリンカMarinkaの３市で「最も激しい戦い」が起きていると明らかにした。ウクライナ軍はバフムート防衛に注力して、ロシア軍を疲弊させようと試みている。

軍参謀本部によると、ウクライナ軍は過去２４時間でロシアの攻撃を２０回あまり撃退。ロシア軍はミサイル４発を発射し、７回の空爆を実施したほか、ウクライナ軍の陣地や集落の民間インフラに対して多連装ロケット砲を１０回あまり発射したという。ウクライナ軍東部方面部隊は6日国営テレビでバフムートに触れ、依然として敵の攻撃の主要方面になっていると指摘。バフムート地区の前線では、過去１日だけで様々な口径の砲弾を使った砲撃が３０２回行われたと明らかにした。参照記事　映像：2023年4月7日配信映像：攻撃受けるバフムト近郊のワグネル部隊：泥道で動けなくなったロシア歩兵戦闘車 BMP-1：