北欧のフィンランドで2日、総選挙が行われ、サンナ・マリン(Sanna Marin)首相率いる「社会民主党」が敗れて野党の「国民連合」が第1党になった。ただ「国民連合」は過半数の議席を獲得できなかったため、連立交渉が行われる見通しで、どのような政権が誕生するのか注目されるが、「国民連合」は長年、NATO加盟を訴えてきたため大きな方針転換はないとみられるが、連立交渉でどのような政権が誕生するのか注目される。主要政党は全てNATO加盟に賛成していたため、今回の選挙ではフィンランド経済や公的債務などに焦点が当たった。
フィンランドの総選挙は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻などの影響で深刻化したインフレへの対応や経済政策などを争点に2日、投票が行われ、フィンランドの司法省によると、議会の200議席のうち、
▽緊縮財政を訴えた野党・中道右派「国民連合National Coalition Party(フィン語党名略:KoK)」が+10議席で48議席(20.8%)を獲得して第1党となったほか、▽野党・右翼のポピュリスト政党 right-wing populist ・「フィン人党 Finns Party(PS)」が+7議席で46議席(20.1%)が第2党で、フィン人党のリイッカ・プッラ(Riikka Purra)党首:右 も国民連合の勝利を祝福するとともに、自党史上、最高の結果が出たと喜んだ。
▽マリン首相率いる与党・中道左派「社会民主党Social Democrats(SDP)」が+3議席の43議席(19.9%)で第3党となった。
▽フィンランドは議院内閣制に近い半大統領制をとっており、間接民主制、共和制、多党制を社会構造としている。 フィンランド大統領は元首であり、外交を主導し、フィンランド国防軍の最高司令官である。 フィンランド首相は政府首班であり、行政権は政府によって行使される。現在大統領府にサウリ・ニーニスト(Sauli Niinisto)大統領がいる。


フィンランドでは、与党は定数200議席の半数以上を占める必要がある。オルポ氏は右翼のフィン人党と組むか、マリン氏率いる社会民主党と組むかの二択を迫られているが、事情はそう簡単ではない。
トゥルク大学のヴェサ・ヴァレス教授は、「フィン人党は経験不足で、あらゆることに不満を持つような議員が多いため、非常に難しいパートナーだろう」と指摘。一方で、「最も自然な流れは社会民主党との協力だが、マリン氏はかつて党内でも最左派に属していたため、保守派を嫌うのは明らかだ」と説明した。
国民連合のペッテリ・オルポ党首(56)は、元財務大臣という実績を持つが、「どちらかというと精彩を欠くと思われている」と独誌「シュピーゲル」は評する。選挙結果からは、個人の人気よりも党の政策を重視する有権者が多かったことがうかがえる。
フィンランド紙「ヘルシンギン・サノマット」の調査では、回答者の大多数がマリン政権について「非常によくやった」あるいは「よくやった」と答えたという。NATO加盟申請は、対外的にはマリン政権の最大の実績と言えるが、それは「選挙運動では何の役割も果たさなかった」と独紙「フランクフルター・アルゲマイネ」は書く。また、「ユーロニュース」によると、第二党となった右派のフィンランド人党が掲げる最終目標はEU離脱だが、今回の選挙では前面には出されなかったという。
最大の焦点となったのは、景気後退とインフレ対策だ。新型コロナウイルスやロシアに対処する必要もあり、マリン政権下では政府の支出がふくらんでいたと各紙は報じる。他方で野党は政府の財政政策を批判しており、国民連合は支出削減を、フィンランド人党は緊縮財政を提唱した。結果からは、政府支出と公的債務の増加を不安視する有権者が多かったことがうかがえる。参照記事
コメント
この後の政権がどうなりますか。
はい次、か。でも、加盟はそんな次元の出来事では無い。出費も増えるのでは。