Screenshot (2)プーチン氏は2023年2月21日の年次教書演説で、「西側諸国が戦争を始めた」、「西側がロシアに『戦略的敗北』をもたらそうとウクライナを利用した」、「存在そのもののために戦っているのは、ウクライナではなくロシアだ」という見解を繰り返した。ロシア政府と交渉するのはどのような感じなのか。ウラジーミル・プーチン大統領はなぜウクライナを簡単には諦めないのか。アメリカの前駐ロシア大使がBBCに説明した。

_128721865_p0f4ldg1ジョン・サリヴァン氏The former US ambassador to Russia John Sullivan:左 は、ロシアによるウクライナ侵攻の前まで、アメリカ大使としてモスクワにいた。戦争を防ごうとロシア当局と話をした人物だが、「向こうは本気でやりとりしてこなかった」と言う。「ロシアは自国の安全保障を要求したが、ウクライナの安全保障については建設的に話そうとしなかった。決定済みの論点以上のことは決して言わなかった。見せかけだけだった」アメリカは紛争を終わらせるため、対話を続ける努力をもっとすべきか。そう尋ねると、サリヴァン氏はプーチン氏について「開戦前、交渉に関心がなかったし、今も交渉には関心がない」と述べた。

ロシアは「特別軍事作戦」の失敗にもかかわらず、当初宣言した目標(ウクライナの「脱ナチス化」と「非軍事化」)は変えていないと、サリバン氏は言う。ロシアが掲げるそうした目標は、つまり「キーウKyivにある政府の排除と、ウクライナ国民の服従」を意味すると、前大使は解釈する。これは、ソヴィエト連邦の崩壊でばらばれになったロシア民族を再集結させるという、プーチン氏が描いている構想の一部でもある。

「民主的に選ばれた政府が、とりわけゼレンスキー大統領が率いる政府が、キーウに存在することを、(プーチン氏は)認めるわけにいかない」とサリヴァン氏は言う。「その政府が存在する限り、彼は決して満足しない。なぜなら、その政府はロシアにとって、そして彼が作ろうとしている大ロシア国家構想にとって、脅威だと考えているからだ」。

では、プーチン氏はどうなれば戦争をやめるのか。、、「勝つことはできないと、彼が確信する必要がある」とサリヴァン氏は言う。「勝利は到底不可能だと確信するまで、彼は攻撃を強めるだろう。戦場でどれほど重大な敗退をすれば、その確信に至るのかはわからない。ただ、現時点ではその状態に全く近づいていない」。サリヴァン氏はまた、プーチン氏は長期的な展望の持ち主だと話す。「達成したいビジョンがあり、それを簡単には諦めない」はずだと。

一方で、ウクライナ人も簡単にはあきらめないはずだと、サリヴァン氏は考えている。そして、ウクライナを構成する4400万人のスラヴ民族に自分への拒否感を植え付けたことが、プーチン氏による戦争の戦略的失敗のひとつだと、前大使は言う。「ウクライナ人は許さないし、忘れない」とサリヴァン氏は言う。「仮にゼレンスキー大統領が戦争を終わらせようと、領土で譲歩し、基本的に降伏したいと思っても、ウクライナ国民がそれを許さないだろう」。このような軍事的、政治的、イデオロギー的な対立がある以上、アメリカは長期戦に備えなければならない。

サリヴァン氏は、今年中にこの紛争が終わるとはみていない。「その先のことは分からない」とサリヴァン氏は言う。「ただ、プーチン氏は出口を求めていない。この特別軍事作戦の目標は達成されると、常に繰り返している」参照記事 英文記事

 K10013498911_220https _imgix-proxy.n8s.jp_DSXZQO1639661025022022000000-1、、、狂信的な独裁者相手では、どんな交渉も成立しない。2022年2月24日の開戦当初から言われていた事でもある。「特別軍事作戦」と言いながら、多数のスパイをゼレンスキー氏や主要高官暗殺の為にキエフに送り込んだが、事前に発覚して一網打尽にされ混乱を演出できなかった。幾人も暗殺してきた、彼の自信過剰が招いたと筆者は思っている。ウクライナ情報部を教育したのはソビエトで、見下していたのだろう、、、。バイデン大統領は、開戦前からいち早くロシアの侵攻を明言していたが、恐らく上記の様なサリヴァン氏らの報告が基になっていたのだろう。過去ブログ:2023年3月旧ソ連構成国、ロシアの足元中央アジア5カ国歴訪の米国務長官:2023年2月プーチンは中国を蚊帳(かや)の外扱い :2月中国が2023年2月24日にウクライナ戦争和平案を提示



nappi11 at 00:03│Comments(1) このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

1. Posted by 甲東   2023年03月03日 06:18
西側がロシアに『戦略的敗北』をもたらそうとウクライナを利用した・・・アサドもそうだろうと感じる。死んでも屈しないゾ、と。

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