「最初に何をするかといったら、まずは資産家の名簿を入手する。闇サイトには『名簿屋』と呼ばれる業者がいくつも存在しているから、簡単に手に入るよ。1件の情報が30円くらいかな。狙いを決めたら、下見をする。盗難車のナンバーをつけた車で、現場の近くに待機して、その家の家族構成や住人の行動パターンをチェックする。あとは侵入口や逃走経路が確認できたら、後日に実行するだけ。シンプルで誰でもできる」そう語るのは、かつて強盗団のメンバーだったという元暴力団関係者・A氏である。
2月上旬にフィリピンから日本に強制送還された。70歳以上が住む一軒家をターゲットにし、人気コミックの主人公「ルフィ」を名乗って海外から実行犯に指示を出していたことで大きな話題を呼び、今も事件の全容解明には程遠い。もちろん一般家庭が強盗に襲われるリスクは今後も消えることはない。それどころか、さらに高まっているという。「ほとぼりが冷めた頃に、ルフィらの手口を真似して強盗を行う犯罪グループが次々と出てくることを警察当局は懸念しているんです。資産家や高齢者の名簿は流通し続けていますし、カネに困った実行役もSNS上でいくらでも見つかります」(全国紙社会部記者)
特殊詐欺事件の主犯格として逮捕された経歴を持つフナイム氏(活動名)はこう明かす。「訪問販売の購入者、貴金属などの高額商品の購入者、健康食品の購入者など様々な名簿が販売されています。名簿には、名前、住所、電話番号、生年月日が書かれています。名簿によっては家族構成まで書かれているんです。特に私たちのグループはリフォーム申込者の名簿をよく使っていました。いつ頃、どれくらいの金額をかけてどんな工事を行い、現金払いなのか、ローンだったのか、そういった細かいことまで記載されているものもあったんです」
リフォームなどの高額の支払いを現金一括で支払ったことがある人は、警戒心を持ったほうがいい。前出のA氏は「強盗犯に人気の名簿がある」とこんな話をする。「それは有名大学理工学部のOB名簿。彼らは手堅い職業に就いている場合が多く、給料も退職金も良い。しかも貯金が多い傾向にある。だから、当人が存命でなくても、その家にはカネがあるって判断できる良い材料になるんだよ」
さらに、過去に電話でアンケートに答えたことがある人は特に注意を払ったほうがいい。「資産の状況を聞き出すのは簡単です。例えば『〇〇テレビです。池上彰さんの『〇〇』という番組ですが、ご覧になったことはありますか? アンケート調査に協力してもらえませんか』と電話で切り出して、『老後2000万円問題が話題ですが、備えはできていますか?』『タンス貯金は300万円以上ありますか?』など次々にイエス、ノーで答えられる質問をしていきます。最後に、『当番組は夜〇時に放送しています。お一人で観られますか、ご家族と一緒に観られますか』と聞くんです」(フナイム氏)強盗犯が狙うのは、現金が置いてあるうえに、アンケートで個人情報を話してしまうようなスキのある家である。
強盗団の指示役だったこともあるという元半グレグループのB氏は「家の外観を見るだけで、おカネの有無は分かるんだ。特に車庫には情報が詰まっている。古い高級車で『四つ葉マーク』(高齢者マーク)が貼ってあれば、狙い目だね。具体的にはレクサスよりセルシオ、スポーツカーより旧型ベンツだね。ほかには広い庭の手入れが行き届いていると、おカネに余裕があると分かる。立派な建物だけど築年数30年以上の一軒家は70歳以上が家主の可能性が高い。しかも最新のセキュリティが備わっていないうえ、自宅に金庫がある場合も多いね」
また、立地だけでも狙われやすい家かどうかは判別できる。例えば、人通りが多い道路に面した角地に建つ一軒家は、多方向から家屋の様子を下見できるうえ、見知らぬ人が散歩していても目を引くことがない。防犯コンサルタントの松丸俊彦氏はこう指摘する。「家の近くに公園や広い駐車場、自動販売機がある場合はそこに人が佇んでいることが不自然ではないため、見張りや監視をするのに適しています。ほかには駅や幹線道路へのアクセスが良い立地だと犯行後に逃走しやすい。また、線路が近いと、ガラスが割れる音など、犯行時の音が消されるので危険だと言えます」参照記事より抜粋 後編「連続強盗に狙われる高齢者…元ハングレが語る、狙われにくい家の「驚愕」の特徴」では強盗狙われやすい家や特徴について書いてある。「週刊現代」2023年2月25日号より
コメント
そうじゃなくて。
警察が本腰を入れられるような法整備がされてないのでは。
と思うのですが、どうですかねえ。
ある程度の会社に発注したが、実際は下請けの下請けが実務をやっている。海外の場合もある。これ、数十年前からの流れ。恐らく、これを昔に戻すのは不可能に近い。ただ、他人に仕事をやらせて、自分より上手く出来ることは滅多に無いと肝に銘じておくべし。日本の産業界が低迷している理由の一つかも。