
台湾の離島・馬祖列島から数十キロ離れた海域で2023年2月2日夜、台湾本島と馬祖列島を結ぶ海底ケーブル1本が切断された。8日昼にも別のケーブル1本が切断された。台湾当局によると、切断された時間帯に通過した船舶の情報から、2日は中国の漁船、8日は中国船籍の貨物船が関わった可能性があるという。台湾本島と馬祖列島を結ぶ海底ケーブルは最近5年、20件超の切断などによる故障が起きている。
現在、インターネットを含む国際通信の約99%は、海底ケーブルを使って行われており、通信衛星による国際通信は1%にも満たない。クラウドサービスの多くの情報基盤を、海底ケーブルでつながる米国に依存している日本は、海底ケーブルの切断によって、甚大な損害を被ることは間違いない。SNS(交流サイト)のツイッターやインスタグラム、動画サイトのユーチューブは、海底ケーブルを使って米国のデータセンターとつながり国内にサービスを提供している。また、従来の国際電話や、国際間でドルをはじめとした資金決済に用いられるSWIFT(国際銀行間通信協会)のネットワーク、航空券の予約システムも海底ケーブルを使う。そうしたなか、台湾有事が起きた際に、日本から海外に延びている複数の海底ケーブルが切断される事態が懸念されている。
台湾有事の際、中国人民解放軍は、航空優勢と海上優勢を達成するために「情報封鎖」を仕掛けてくる可能性が高いと見られる。現代の戦争においては、インターネットの情報が行き交う「サイバー空間」で優勢を獲得することが、地域紛争において敵の介入を抑止または混乱させる重要な手段になるからだ。
日本の海底ケーブルの防護は、これまで民間の通信事業者に任せられている。日本政府は、国際海底ケーブルが切断された場合の影響や損害額のシミュレーションなど一切してこなかった。海底ケーブルが切断された場合、ケーブル敷設船がその修復を行う。しかし、ケーブル敷設船は、KDDIグループの「オーシャンリンク」やNTTグループの「SUBARU」などその隻数は限られている。 加えて、ケーブルの修復には、数週間から数カ月かかるとみられる。複数箇所が切断された場合には、半年以上にも及ぶことが予想される。政府がネットワークの強靭(きょうじん)化を打ち出したとしても、現状は自衛するしかない。
、、最近ベトナムで発生した海底ケーブルの不具合は老朽化(一般的に耐用年数は25年と言われている)だった。有事の防衛、災害対策として、もっと議論されるべきだろう。ロシアはウクライナ侵略の際、事前に相当なサイバーテロをウクライナに対して行ったが、ウクライナの事前の予防策が功を成し、被害は最小に抑えられたと言われている。日本は体験国に学ぶべきだ。物理的な切断や破壊も脅威だが、原爆が使われれば、真偽のほどは分からないが、強力な電磁波の影響で現状の通信網、インフラは瞬時に壊滅するとも言われている。
世界初のサイバー戦争。それは9年前、ロシアのクリミア併合とドンバス東部占領の直後にウクライナで始まった。現在も続いており、 2022 年 には、ウクライナは2000件を超えるサイバー攻撃cyber attacksを受け、事実上苦しんでいるが、非常に効果的に対抗していると、ウクライナ政府当局者は述べている。攻撃は、政府機関のネットワーク、金融機関、物流会社、重要インフラ、エネルギー部門、電気通信会社、メディア、その他の業界で発生し、各国が対応に協力している。 参照記事 参照記事 参照記事 過去ブログ:2022年11月日本が情報同盟「新ファイブアイ」に正式加盟の動き:6月日、フィン、米によるアジアと欧州結ぶ北極海海底ケーブル:2021年6月豪州~南米間 光海底ケーブルの参加国増える:5月米国、日本、豪州が海底ケーブル分野で連携強化 中国排除:、、中国の政治学者が、台湾侵攻で米軍が邪魔しても、3時間も在れば殲滅できると語り、ほら吹きと言われているが、それがもし高度な電子戦を意味しているのであれば、全く荒唐無稽とも言えないだろう。米中はともに、すでに宇宙からの攻撃も模索している。日本が防衛を語るとき、電子戦への対応が明確でない。全てを公表できない事情もあるだろうが、、。特化した装置が在れば、極秘にウクライナへ供与し、実戦で効果を検証するべきだろう。ゼレンスキー大統領は、開戦当初から、先端機器の実験的使用を歓迎している。 参照記事