2022年6月に行われた専門部会で承認されず、継続審議となっていた塩野義製薬が開発した新型コロナウイルスの飲み薬治療薬「ゾコーバ(エンシトレルビル)Xocova」について、審査の実務を担う医薬品医療機器総合機構(PMDA)が、薬の有効性を推定可能とする審査報告書をまとめたことが分かったと、読売新聞が複数の関係者の話を基に2022年11月22日報じた。右図は筆者が一部編集

ゾコーバは、塩野義と北大の共同研究・創製された3CLプロテアーゼ阻害薬。新型コロナウイルスは3CLプロテアーゼというウイルスの増殖に必須の酵素を有しており、同錠は3CLプロテアーゼを選択的に阻害することで、SARS-CoV-2の増殖を抑制する。ゾコーバ錠は風邪薬と同じで、 単に症状を抑えるだけとの指摘もあるが、有効な飲み薬が少ない中、症状軽減には期待できるかもしれない。アメリカの製薬大手、ファイザーが開発した飲み薬「パキロビッドパック」と同様の仕組みで効果が期待されるとされ、塩野義製薬は2022年2月から、「ゾコーバ」の承認を厚生労働省に申請していた。

img_61fcee4941cbea2f専門家の委員からは「ウイルス量を減少させ、重症化予防の効果は推定できる」という意見が出た一方で、「胎児に影響が出るおそれがあり妊娠の可能性のある女性や慢性疾患のある高齢者は服用できない」といった意見や、「オミクロン株の症状に本当に効果があるのか」などと効果を疑問視する指摘が相次ぎ、継続審議とすることが決まり、新たな治験の結果を踏まえて改めて審査が行われる見通しとなっていた。

pic_10729_2_00049月末の最終段階の治験の結果によると、治験は重症化リスクがない人やワクチンを接種した人を含めた、12歳から60代までの軽症から中等症のコロナ患者1800人あまりを対象に、ことし2月から7月中旬まで行われ、この中で、1日1回、5日間、ゾコーバを服用するグループと偽の薬を服用するグループに分けて、患者も医師もどちらが投与されているか分からない方法で比較した結果、ゾコーバを服用したグループでは、せきや喉の痛み、鼻水・鼻づまり、けん怠感、発熱・熱っぽさの5つの症状すべてが7日前後でなくなり、およそ24時間短縮されたとしています。また、投与を始めて4日目の段階でウイルスの量が大きく減少したほか、重篤な副作用はなかったとしています。参照記事 参照記事

nappi11 at 00:01│Comments(1) このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

1. Posted by ん   2022年11月23日 21:38
廉価に市販されたら、早速買いに行こう。

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