img_ec21450a295eb8af1040b33a015768d794603f5c9788b2022年9月5日昼(日本時間同夜)に英国の保守党の次期党首、すなわち次の首相が決まる。今のところ通商政策に精通するトラス外相の優位は動かない。8人が立候補した党首選は、夏季休暇前の5回の議員投票でスーナク(Rishi Sunak)元財務相(42)とトラス(Liz Truss)外相(47)の2人に絞り込まれた。上位2人による決選投票は、一般党員による郵送投票で行われ、9月5日に結果が発表される。両候補はこの1カ月余り、英国各地を遊説し、支持を呼び掛けている。
jふimages議員投票で終始リードを守ったスーナク氏だが、物価高騰が国民生活を直撃する中で財政規律を重視するイメージの払拭に苦労しているほか、ジョンソン首相辞任の引き金を引いたことへの首相支持者からの反発や、インドの大富豪の娘である妻の脱税疑惑などが尾を引き、劣勢を強いられている。

トラス氏は強硬離脱派Brexit hardlinerの支持を受けているうえ、大型減税や経済活性化を通じ51PX173JQYL._SX318_BO1,204,203,200_た「サッチャリズム Thatcherism」の再来を主張し、スーナク氏を突き放している。党員を対象にした各種の世論調査では6割前後の支持を固め(上右のグラフ参照)、ブックメーカーの賭け率から逆算した勝利確率は9割前後に達する。
トラス氏は、来年4月に19%から25%への引き上げが決まっている法人税増税を「就任初日に撤回する」と公約。国民保険料の再値下げや光熱費に上乗せされているグリーン税の一時凍結なども約束した。スナク氏は、トラス氏の政策は借金頼みで「ツケを子どもたちの世代に回すだけ」と批判。インフレ抑制を最優先し、減税はその後だと訴えてきた。参照記事  過去ブログ:2022年7月英国首相「政府は危機の最中に退陣すべきではない」>辞任表明 2021年11月イギリス海峡で過去最悪の難民海難事故で31人死亡 2015年10月フランス側難民が海峡トンネルに徒歩で侵入 フランス
a65a68b6スコットランド独立を目指すスコットランド民族党(SNP:Scottish National Party)は、独立の是非を問う住民投票を来年実施するよう求めているが、与党・保守党の党首選を争うトラス外相とスナク前財務相は2022年8月16日、いずれも北部スコットランドの独立に否定的な見解を示し、スコットランド自治政府をより注意深く見守り、独立を求める新たな動きを抑え込むと約束している。特に、保守的と言われるトラス首相の誕生には、人口500万人の小さなスコットランド自治政府あたりは警戒感を持っているようだが、スコットランドでは、新型コロナで景気が悪化したことに伴い、独立後に自力で経済を立て直せるか懸念する市民が増加。英調査会社ユーガブが2022年6月⒕日に発表した現地の世論調査によれば、「2023年に(独立を問う)住民投票を実施すべきでない」と答えたのは59%で賛成の28%に大差を付けた。参照記事

Balmoral_CastleFireShot Webpage Screenshot #1924 - 'Liz Truss2022年9月6日:与党・保守党は現地5日午後12時半(日本時間同8時半)過ぎ、党員投票による党首選で、多数票を得たトラス氏Liz Trussが勝利したと発表した。トラス氏は6日、エリザベス女王から組閣の要請を受け、新しいイギリス首相:PM Trussになる。エリザベス女王は現在、スコットランドのバルモラル城Balmoral Castleに滞在中のため、トラス氏はロンドンのバッキンガム宮殿ではなく、バルモラルを訪れ、組閣の要請を受ける予定。英国は今後も、スコットランド、イングランド、ウェールズ、北アイルランドの4つの自治国を合わせた「グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国」として存在していく。 参照記事 英文記事

12828143_0 155 312022年9月9日:英国のエリザベス女王が、滞在先のスコットランドのバルモラル城で亡くなった。96歳だった。バッキンガム宮殿が8日、声明を発表した。女王は7月から、長年好んで夏を過ごしてきたスコットランドの居宅バルモラル城Balmoral Castleに滞在していた。
FcJmkm9WQAAveLKエリザベス女王は、1926年4月21日にロンドンでヨーク公と公爵夫人の間に生まれ、ウィンザー王朝を代表した。叔父のエドワード8世が 1936 年に退位した後、同女王の父親がジョージ6世に即位し、彼女は王位継承者となった。エリザベス女王は、1952年2月6日にジョージ6世が亡くなった後、英国女王、また、英国国教会の世俗的な首長、そして連邦(ほとんどすべての旧英国植民地を統一)の首長となった。2022年7月3日、エリザベス女王は国家元首としての任務の一部を王位継承者であるチャールズ皇太子に譲り渡していた。エリザベス女王の死去後、チャールズ皇太子は直ちに英国国王に即位することになる。参照記事 英文記事:The Queen died peacefully at Balmoral this afternoon. イギリス 国歌「女王陛下万歳」(神よ女王陛下を守り給え)(God save the Queen)日本語訳/National Anthem of the United Kingdom The Queen's speech in Japan - in full (1975)


nappi11 at 04:51│Comments(3) このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

1. Posted by 甲東   2022年09月05日 18:41
そろそろトラスおばちゃんに決まるとか。ウクライナ戦争初期に、ロシアに対してヒステリックな発言を繰り返していた。最近人気のタイプの人。薄い。短期で終わりだろう。
2. Posted by 甲東   2022年09月06日 05:53
ある大学教授が、トラスが若い頃からモデルにしたのはサッチャー、都度、時代の空気を読んできた、と言っている。出世する、首相になるのが目的、いっちょ上がり。
芸能人もそうだが、内容が伴わないと長続きしない。電通の様なところがいっちょ噛むと一層薄っぺらくなる。促成栽培。芸能人はそれでも良いが、政治家は・・・
3. Posted by 甲東   2022年09月08日 07:15
思った以上に辛辣な評価が多いですね。健全、かつ幸福な民主主義国家なら彼女が首相になることは無かった、という意見には笑ってしまった。
今のイギリスは、不健全、かつ不幸な国、か・・・でも、軍事支援を受けたいウクライナ、スウェーデン、フィンランドは喜んでいるのでしょう。
ところで、NATO事務総長は早々と3月に任期延長になっていた。1年。ロシアは危険な火遊びをするし。役者は結構そろったか。ウクライナが荒野を通り越して、無人地帯になりません様に。
女王元気。

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