2022年6月10日、2014年7月にウクライナ上空で、アムステルダムからクアラルンプールに向かうマレーシア航空MH17便(ボーイング777型200ER機)が撃墜された事件をめぐりオランダ・スキポールSchiphol、 で開かれている裁判で、双方の主張の尋問が終わり事実上の結審を迎えた。犠牲者のほとんどがオランダ人だったため、裁判はオランダで行われている。写真は、残骸から復元されたMH17便。
ステインハウス裁判官によると、裁判で提出された証拠の審理には時間を要するとして、判決の言い渡しは早くても11月17日、最大で12月22日まで延期される可能性があるという。
MH17便撃墜事件は2014年7月17日、ウクライナ東部ドネツク州で発生。乗員・乗客298人全員が死亡した。犠牲者の約3分の2はオランダ人で、196人のオランダ人と38人のオーストラリア人が犠牲になった。航空機がドネツク地域上空を飛行していたときに、分離主義者のウクライナ人と同盟しているロシアの兵士の地対空ミサイル「Buk」での迎撃によって、飛行が誤って撃墜されたと考えられている。2014年3月にクリミア併合を終えたロシアは、この頃から2014年後半にかけて秘密裏に、分離独立を掲げるドネツク地域に傭兵や兵員、装備を徐々に送り込み始めていた。
オーストラリアとオランダは2022年3月14日月曜日、8年前のマレーシア航空 MH17便の撃墜をめぐって国連国際民間航空機関(ICAO)でロシアに対して共同法的措置を講じたと述べた。この措置は、1984年に韓国の飛行機がソビエトの戦闘機によって撃墜された後に講じられた。