2022年5月28日:ウラジーミル・プーチンVladimir Putin がウクライナへの侵攻を決断し、世界中に衝撃を与えている。ロシア軍が学校、行政施設、住宅地を砲撃したため、双方の市民は突然の出来事に恐怖を表明している。モスクワやサンクトペテルブルクの拘置所が拘束された反戦デモ参加者でいっぱいになるにつれ、ウクライナで、そしてロシア軍で、犠牲者が増え始めているのである。EUは、最近まで分裂していて、この脅威に対してまとまった対応ができないと非難されていたが、行動を開始し、オリガルヒに制裁を課し、ロシアとその銀行機関を国際金融から切り離している。中立国スイスでさえロシアの資産を凍結し、ドイツは一夜にして国防政策を転換した。オラフ・ショルツ首相Chancellor Olaf Scholzはドイツ国防軍の近代化のために1千億ドル以上の基金を創設することを発表したのである。今のところ、ウクライナは進攻を食い止めているが、状況は一変するかもしれない。元MI6長官リチャード・ディアラブFormer Chief of MI6 Sir Richard Dearlove:上左 が、プーチンの選択肢と西側諸国の対応について考察する。
参照記事英諜報機関(MI6)の長官を務めたリチャード・ディアラヴ卿は「彼は2023年までに医療施設に送られ政治の舞台から姿を消すはずだ。

プーチンの代わりにロシアの実権を握るのは
ニコライ・パトルシェフ安全保障会議書記Nikolai Patrushev, the secretary of the Security Council of Russia(70)だろう」と語り、医療施設にプーチンを閉じ込めるというアイデアは「血なまぐさいクーデターよりもスマートだ」と主張しているが、後を引き継ぐ可能性の高いパトルシェフがウクライナの戦いを終わらせる方向に持っていくのか、プーチンの方針を継続するのかは不明だ。

政権の一員としてウクライナ侵攻に関与していたパトルシェフ安全保障会議書記が「全てプーチンのせいでプーチンが間違っていた」と認めるはずもなく、

最低でも連邦領に併合クリミアや独立を承認したドネツィク共和国とルハーンシク共和国の存続ぐらいは主張してくるだろう。プーチン大統領が本当に「血液がん」に冒されているのかも謎だが、
病気を理由にしたパトルシェフへの権力移譲ではなく、クーデターによって反プーチン勢力が権力を握らないかぎり、ウクライナ問題の劇的な改善は期待できないだろう。、、、、日本との関係では、2016年11月のプーチン大統領の訪日に備えた予備交渉を、ロシアのパトルシェフ安全保障会議書記が行ったと、当ブログで記録している。当ブログでの書記の初めての登場は2012年1月だった。KGB出身で、タカ派中のタカ派と評される。
参照記事 英文記事 過去ブログ:2022年5月
プーチン大統領ガン手術で5月9日以降指揮権を一時手放す? 2018年12月
日ロ関係と北方領土問題の日本側の手際の悪さ 2012年1月
イランと米国の軍事衝突ありえる ロシアの分析
2022年5月29日:ウクライナ東部で攻勢を強めているロシア国防省が28日、完全制圧を発表したリマンLymanは、ルハンスク州の最後の要衝とみられているセベロドネツクSeverdonetskから50kmほど西に位置する鉄道の拠点で、ロシア軍がリマンを足がかりに攻勢を強める可能性がある。
ルハンスク州の知事は、「敵はセベロドネツクを世界から消そうとしている」と述べ、長距離ミサイルなどの支援を求めている。一方、リマンに近いドネツク州の主要都市・スロビャンスク( Slovyansk)では、激しい攻撃が始まる懸念から、街から出ることを決めた市民たちも見られた。

こうした中、南東部のマリウポリMauripolでは、ロシアが制圧して以降、初めてロシアの船舶が港に入った。ロシアメディアによると、船は、金属およそ2,700トンを積んでロシアに向かうということで、ウクライナ側は「略奪行為」と非難している。
参照記事 ニュース映像 
現地5月29日の報道では、ロシア軍がセベロドネツク攻撃に使用しているLysychansk-Bakhmut間の幹線道路からウクライナ軍がロシア軍を撃退したとの報道もあるので、ウクライナ軍が各地で攻勢に出ているようだ。この事で、セベロドネツク方面への物資の補給が可能になると、地域のウクライナ軍指揮官が語っている。撃退場所は、ルートT1302の右図で丸で囲んだ位置と思われる。
一方ロシアは28日、ドネツク(
Donetsk)州の要衝リマン(
Lyman)を(再度?)制圧したほか、ルガンスク(
Lugansk)州の主要都市セベロドネツク(
Severodonetsk)を包囲したと発表していた。
英文記事 英文記事 参照記事 参照記事 最近のものと思われる、ウクライナ軍のザポリージャ(ザポリッジャ)Zaporizhzhia州でのロシア軍への
砲撃映像 予備映像 英文記事。ウクライナ軍の29日の報道では、ロシア軍はすでに3万人以上の兵力と約1300台以上の戦車を失ったとしている。
英文記事