アメリカ・カリフォルニア州のキリスト教会Laguna Woods Churchで2022年5月15日に発生した銃撃事件について、 オレンジ郡保安官事務所は「政治的な動機によるヘイト事件だった」という見解を発表した。事件が起きた時、教会では台湾系の信者による昼食会が開かれており、1人が死亡、5人が負傷した。当局は68歳の中国系アメリカ人デヴィッド・チョウ(David Chou:周文偉)容疑者を逮捕した。同容疑者は中国系アメリカ人で、ネバダ州ラスベガスからカリフォルニア州ラグナウッズまで移動して、台湾系の信者たちを銃撃したという。ニュース映像
英文別記事の公開データでは、出生地は台湾で、台湾系移民と表記され、記事内で Taiwanese immigrant と表記されている。 英文記事
銃撃現場からは2丁の拳銃と複数の弾薬、4つの火炎瓶のような装置が見つかっている。容疑者は数年前からアメリカに住んでいて、最近ではラスベガスで警備員として働いていたが、教会との関係はわかっていない。
5月16日の記者会見で、ドン・バーンズ保安官は、チョウ容疑者が「台湾コミュニティをターゲットにしていた」と説明。「容疑者が中国と台湾の政治的な緊張に腹を立てて信者を狙った」という当局の見解を明らかにし「集めた情報から、政治的動機に基づいたヘイト事件だと判断した」と述べた。
事件が起きた15日、教会では約50人の台湾長老派教会のメンバーが昼食会を開いていた。保安官事務所によると、容疑者は教会のドアをチェーンで固定し、鍵に強力瞬間接着剤を塗った後、信者たちに向けて発砲した。死亡した52歳の医師ジョン・チェン(John Cheng)氏:左は、発砲を止めさせるために容疑者に向かって突進し、撃たれたという。他にも66歳から92歳の5人が怪我をした。保安官事務所によると、信者たちは容疑者に椅子を投げつけ、警察が到着するまで延長コードで足を縛って身柄を拘束した。
、、、、、上記のYahoo記事の引用元AFP記事では「中国系移民が米教会で銃撃 台湾への憎悪犯罪か」のタイトルで、「容疑者は中国出身で米市民権を取得済み。、、容疑者は中国と台湾の政治的緊張に不満を抱いていた」と書いている。記事内では、中国と台湾を書き分けているので、もし英文記事の Native Location :Taiwan、 Taiwanese immigrant が正しければ、動機や、その背景は別として、正確には、「容疑者は台湾出身」で「台湾系移民が台湾系住民を殺傷した」と書くべきだろう。意図的に、中国と台湾の対立を強調したとも思えないが、、。容疑者は、正規の銃器所持許可を得ていた。参照記事 参照記事と映像 過去ブログ:2022年5月 白人至上主義者によるスーパーでの銃乱射で10人死亡 米国
台湾出身のチョウ容疑者は、中央統一戦線工作部の直轄組織「中国和平統一促進会(CCPPNR)」に所属し、2019年にラスベガス支部の理事として就任していた。ラジオ・フリー・アジア(RFA)によるとチョウ容疑者は、台湾独立派を「悪魔」と表現し、撲滅を呼びかける横断幕を持って活動していたという。CCPPNRのラスベガス支部長・顧雅文氏によると、チョウ容疑者は2019年後半に支部を脱退している。「中国和平統一促進会(CCPPNR)」は1988年に中国共産党によって創立され、党の政策に反する台湾独立運動などに対抗することを目的としている。米中経済安全保障問題検討委員会の2018年報告書によると、90カ国に少なくとも200の支部がある。トランプ前政権は2020年、米国で悪意ある影響力を広めているとして「外国政府の宣伝組織」に指定している。参照記事