2022年3月27日:26日報道では、中国国有の石油・ガス大手、中国石油化工(シノペック:SINOPEC)グループが、ロシアの大規模な石油化学投資とガス販売事業に関する協議を打ち切ったことが関係筋の話で分かった。ロシアによるウクライナへの侵攻を巡る西側諸国の制裁が強化される中、中国政府の呼び掛けに応じた可能性がある。
関係筋によると、シノペックはロシアの新規ガス・化学工場に最大5億ドル(約600億円)を投資する協議を中断。シノペックはロシアの石油化学最大手シブール: SIBUR と提携する予定だったが、シブールの少数株主で取締役であるゲンナジー・ティムチェンコGennady Timchenko氏(ロシアの富豪トップで2022年3月米国の制裁対象):左 が西側諸国の制裁措置の対象に指定されたことを受け、協議を中断したという。(協力協定内容の大枠は2019年9月に取り交わされていた)
中国国有3大エネルギー大手のシノペック、中国石油天然気(ペトロチャイナ)、中国海洋石油集団(CNOOC)が、ロシアによるウクライナ侵攻を受け西側諸国が導入した制裁措置の影響の検証する中、中国外務省は2022年3月に入り3社の幹部を呼び、ロシアのパートナーとの事業関係や現地事業を見直すよう要請。ロシアの資産を購入するような軽率な行動をとらないよう促したという。
国有石油会社の幹部は「今回の危機の中で、企業は中国政府の外交政策に厳格に従う」とし、「新規投資に関して企業側がイニシアティブを取る余地は完全になくなっている」としている。この件に関して、シノペックなどからコメントは得られていない。参照記事、、、、すでにロシアの資源輸出では世界の海運企業がロシアへのタンカー、大型貨物船の供給を差し止める流れで、ロシアは大きな打撃を受けている。ロシアからのドル決済への不安からとされている。アメリカのバイデン大統領は26日、ポーランドの首都ワルシャワで一連の外遊を締めくくる演説を行い、プーチン大統領について「この男を権力の座に残しておいてはいけない」と述べ、強く非難した。参照記事 参照記事
2022年3月27日の報道では、首都キーウ(Kyiv:キエフKiev)の北へ約50キロにあるスラブチチ(スラヴィティチSlavutich:チェルノブイリ原発事故による避難者のために作.られた町)にロシア軍が侵攻し、病院を占拠したほか、市長を一時、拘束したが、これに対して大勢の市民が広場に集まり大きなウクライナの旗を掲げながらデモ行進を行うなどしてロシア軍に抗議し、市長は解放された。 スラブチチの記録映像 キーウ(キエフ)の記録映像 キーウ郊外の映像 マカリフ近郊でドローン偵察
西部リビウLvivで、現地26日午後4時半ごろ、市の中心部から6キロほど離れた燃料の貯蔵施設で複数の爆発で火災になり、そのおよそ2時間半後の午後7時ごろ、市の中心部から5キロほど離れた軍の関連施設でも複数の爆発があり、一連の爆発について地元当局は、いずれもロシア軍によるミサイル攻撃で、合わせて7人がけがをしたと発表した。リビウの映像 リビウの映像
現地26日、アメリカのバイデン大統領は隣国ポーランドを訪問し、ウクライナへの支援を強化する内容の演説を行っていて、今回の攻撃は、そうした動きをけん制するねらいがあるとの見方が出ている。参照記事
ウクライナ南東部の都市マリウポリMariupolではこれまで、市内にある住宅およそ8割が破壊され、3000人以上が死亡した可能性があるという。マリウポリ副市長:「推定インフラの9割が破壊され、3分の1はもはや補修ができません。人道支援物資が受けられないし、食料も水も電気もエネルギーの供給も止まっています。
爆撃が継続的に50から100発、毎日ロシアが爆弾を投下している。マリウポリの人口は、およそ40万人。国際人権団体によると、これまでに3000人以上の市民が死亡した可能性があり、人口のおよそ半数にあたる20万人が市内に残されている。避難者は「私たちは、マリウポリからやってきました。街はもう、90%くらいは破壊されています。家も何も残っていません」マリウポリの映像 空爆続くマリウポリ 参照記事
ロシアは3月25日、親ロシア派が実効支配するウクライナ東部ドンバス地域Donbass Regionに集中すると表明し、ウクライナでの野心的な計画の縮小を示唆した。同地域には、分離独立派のDPR(ドネツク人民共和国)とLPR(ルガンスク人民共和国)の民兵組織が、ウクライナ軍と戦闘状態にあり、一方的に2月22日に独立を承認(ウクライナ侵攻は2月24日)したロシアが兵員を派遣している。
露軍参謀本部の幹部は25日の記者会見で、2月24日にウクライナに全面侵攻したのは、親露派武装集団が実効支配する地域を拡大するためだったと説明した。プーチン政権は侵攻当初、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領の退陣と、ウクライナの「非武装化」実現を強調していたが、軌道修正した事になる。ミンスク合意破棄を意味するのか?
不思議なのは、キーウKyiv付近から作戦縮小で、ドンバス地域への兵員増強という、戦争中に作戦の変更をロシアが敢えて公表したことだ。変な話だ。ドンバスだけは分割の方向か?右戦況図は、BBCによる3月26日の記事からで、グリーンの輪は、ウクライナ軍が奪還作戦を行っている地域。 参照記事 参照記事
こうした中、英国防省は25日、ウクライナが首都キーウ(キエフ)の東35キロの地点まで町と防衛陣地を奪還したと表明。ロシア軍が補給路の不足で後退しているという。過去ブログ:2022年2月ついに露軍攻撃開始と露側から見たウクライナ、EUとは 2月軍事侵攻は悪天候で回避された? その日ウクライナは、、