0102トンガの首都ヌクアロファの北約65キロメートルに位置する海底火山フンガトンガ・フンガハアパイは、もともとは山頂の一部だけを海面から覗かせていた細長い2つの小さな島で、フンガトンガ島とフンガハアパイ島と呼ばれていた。2014年の噴火で第3の島ができると、やがて、3つの島がつながって1つになった。2021年12月の噴火では、噴出した火山岩と火山灰によって新たな土地が生まれ、島は徐々に大きくなっていった。

 そして2022年1月15日の大噴火となった。衛星写真で見ると、巨大火山はほぼ完全に海中に没し、見えているのは2つの小さな岩礁だけになった。しかし、数週間後か数年後には、火山は再び隆起するはずだ。
、、今回の噴火によって、太平洋全域で津波が発生し、ソニックブーム(衝撃波音)は地球を2周した。火山灰と火山ガスからなる噴煙は高度約30kmの成層圏に達し、一部は高度55kmまで到達した。最も注目すべきは、これら諸々の影響が、わずか1時間ほどの火山活動からもたらされたことである。しかし、今回の噴火では、その規模に比べて噴出物の量が驚くほど少なかった。
遠方の海岸に後から押し寄せた津波も奇妙だった。通常の津波は、発生源から遠ざかるほど小さくなる。しかし、トンガに大きな被害をもたらしたものの、海の向こうの国々に到達した波の大きさを説明できるほどには、トンガに押し寄せた津波は高くなかったのだ。

「今回の津波は、太平洋全域での減衰が非常に少なかったのです。これは本当に珍しいことです」と、ニュージーランドの研究機関、GNSサイエンスの火山学者であるジェフ・キルガー氏は言う。1つの可能性は、大気中を伝播した衝撃波が海面と連動して巨大な津波を引き起こしたというものだ。しかし米スミソニアン協会のグローバル火山活動プログラムの火山学者ジャニーヌ・クリップナー氏は「いくつもの出来事が複雑に絡まり合っているので、このタイプの噴火の理解は、今後、変わっていくかもしれません。滅多に起こるものではないのです」と言う。
maxresdefault火山が再噴火するおそれはまだ残っている。トンガ地質学サービスは、目視と衛星観測により、この地域に分布する多くの火山の活動を追跡している。しかし、フンガトンガ・フンガハアパイHunga Tonga-Hunga Ha'apaiの山頂が海中に没したため、科学者たちは火山活動の兆候を知る手がかりを失ってしまった。映像解説
1月15日の噴火までの数日間、トンガ地質学サービスは、14日の噴火に加えて、目視と衛星からの情報のみにもとづいてさらなる噴火と津波の可能性を繰り返し警告し、地元の人々に海岸に近づかないように警告し続けた。バーカー氏は、「彼らのおかげで、おそらく何千人の命が救われたと思います」と言う。
科学者たちは目下、今回の大噴火と津波の原因の究明を急いでいる。これほど激しい噴火が発生した原因については、過去の噴火で噴出した溶岩が冷え固まってできた岩石の化学的性質が手がかりになるかもしれない。参照記事より抜粋 過去ブログ:2022年1月トンガで海底火山が1000年に一度の大噴火



nappi11 at 01:33│Comments(1) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

コメント

1. Posted by 甲東   2022年01月26日 08:24
規模に比べて噴出物の量が驚くほど少なかった・・・噴出物とは文字通り物(岩、灰の類い)だろう。物では無くガスが大量に出たために、そのガスが音速に達し衝撃波ができたか。結果として空気振動が発生。気象屋は空振と言う様な。
工場では高圧のガスを減圧するという操作がよくある。穴を通して減圧することが多いが、減圧の度合いが大きい場合は一つの穴では無く、小さな穴を多く設けて減圧するのが良い。小さな穴でも衝撃波は発生するが、各衝撃波のエネルギは小さく、かつそれぞれの衝撃波が干渉して打ち消し合うとか。それがどうした・・・

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