
日本の川崎重工業(KHI)が建造した「すいそ
ふろんてぃあ」は、今週21日、悪天候と荒波をかわしながらの予定よりも長い16日間の航海の末に神戸からオーストラリアに到着したと;右、水素エネルギーサプライチェーン(HESC)ベンチャーが発表した。今後同船は、液体水素を積んで一週間ほどで日本に戻る予定。
HESCは、日本とオーストラリアが共同で5億豪ドル(3億6千万ドル)を出資するKHI主導のプロジェクトで、クリーンエネルギーへの移行と二酸化炭素排出量削減のために石炭から水素を製造することを目指している。このプロジェクトには、日本の電源開発株式会社、岩谷産業株式会社、丸紅株式会社、住友商事株式会社、そして褐炭を供給するための炭鉱を所有するオーストラリアのAGL Energy Ltd.がパートナーとして参加している。
水素は、石炭、ガス、石油に依存する産業を脱炭素化する道だと考えられており、2050年までにネットゼロエミッションを達成するという日本の目標において非常に重要な物質だ。オーストラリアは水素の主要輸出国になることを目指している。HESC社は2021年、メルボルンから東に約135km離れたビクトリア州ラトローブバレーLatrobe Valleyで、1日70kgの褐炭からの水素抽出を開始した。ラトローブバレーは褐炭炭鉱があり、長い間、オーストラリアで最も空気汚染量の多い発電所に燃料を提供してきた。
水素は、石炭に酸素と蒸気を加え、高熱・高圧で反応させることで発生する。その後、トラックで港に運び、-253℃まで冷却して液化し、輸出される。プロジェクトは、年間最大225,000トンの水素製造を視野に入れている。オーストラリアはカーボンニュートラルな水素の製造において中東などの国々と競争しており、国際水素サプライチェーン構築実証試験を経て両国は2025年までに投資についての最終決定をする必要があると、HESCのパートナー企業の1つであるJ-Power社のジェレミー・ストーン氏は述べた。参照記事 参照記事 過去ブログ:2021年12月日本の技術で豪州で水素製造 世界初の水素運搬船出航