
香港警察は2021年12月25日、麻薬のケタミン:Ketamine約 1.3トン、末端価格にして約8億4000万香港ドル(約120億円:$107 million )相当を押収したと明らかにした。押収量としては香港史上最多で、今年これまで11か月間の全押収量を上回った。ケタミンは強力な麻酔薬であると同時に特異な幻覚作用故に乱用の懸念があることから麻薬に指定されている薬剤で、非常に優れた抗うつ効果のあることが知られる市販製薬でもある。
内偵していた当局は24日朝、沿岸の鯉魚門地区( レイユームン地区:coastal district of Lei Yue Mun)で高速モーターボートspeedboatから積み下ろし、レンタカーへ積み込む作業が行われている現場に駆け付け、一旦海に投棄された31バッグを含む48バッグのケタミンを押収した。一人が海に飛び込んで逃げようとしたが、32~47歳の香港出身の男3人とインド国籍の男1人が逮捕され、2人が麻薬密輸で26日起訴される予定で、捜査は継続中。麻薬は、パキスタンから持ち込まれたと推測され、警察によれば、新型コロナウイルス感染拡大に伴う渡航規制により、密輸業者は、運び屋を使って航空便の手荷物として運ぶ方法から、よりリスクの高い貨物扱いでの輸送への切り替えを余儀なくされ、洋上からの陸揚げにスピードボートや漁船が使われている。参照記事 英文記事 英文記事 英文記事 過去ブログ:2019年11月中国で麻薬密輸で9人に懲役判決など 米中共同捜査の結果? 10月オピオイド訴訟で製薬会社3社が約2兆円で和解か? 9月インド洋でミャンマーからの麻薬ケタミン45億円相当摘発される 2010年8月合成麻薬ケタミン
アジア圏、とくに中国ではメタンフェタミン、MDMA、ケタミンといった合成麻薬が急速に蔓延し、背景にあるのはインターネットを使用した密売の増加で、過去の事例ではチャットサイトやSNSを通じて購入者とやり取りをし、「商品」の発送は宅配サービスを利用していた。製造が簡単な合成麻薬は、アヘンやヘロインなどの天然麻薬と似た幻覚や興奮作用を引き起こし、依存性は天然麻薬よりも強いとされる。また、大量の各種合成麻薬がミャンマー等で中国からの原料で製造されているのが確認され、日本を含む世界中へ密輸されている。

