2021年12月26日  商業 経済 環境 自然
77vvf-2b0vnkw0K10013403131_2112241930_2112241931_01_02燃やしても二酸化炭素を出さないことから、脱炭素のエネルギーとして期待される、水素を液化して運ぶ世界で初めての運搬船が、2021年12月24日、神戸市からオーストラリアに向けて出航した。24日、神戸市から出航したのは、大手機械メーカーの「川崎重工業」が建造した、世界で初めてとなる液化水素を運ぶ運搬船「すいそ ふろんてぃあ(Suiso Frontier)」。
全長116メートルで、気体の水素をマイナス253度に冷やして液化し、体積を800分の1にすることで、1回の航行で燃料電池車およそ1万5000台分の水素を運ぶことができる。
船は「褐炭」と呼ばれる不純物が多く安い石炭が豊富なオーストラリアに向かう予定で、現地で褐炭から水素を取り出して液化し、船に積み込んで、来年2月に帰国する予定。
今後、液化水素を日本まで効率よく運ぶための実証実験を重ねたうえで、2030年の商用化を目指すことにしており、川崎重工業の水素戦略本部の西村元彦副本部長は「持続可能な社会に向けて一歩を踏み出す記念すべき日になった。きっちりと検証し、十分にデータが得られる実証事業になるよう期待している」と話した。水素について、政府は2050年の利用量を今の10倍の2000万トン程度に増やす目標を掲げている。参照記事 
https _imgix-proxy.n8s.jp_DSXBZO3389502011082011000001-27元々は、新日鉄エンジニアリングが開発したECOPRO(エコプロ)と呼ぶ技術を応用した国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による「褐炭水素プロジェクト」を、褐炭が豊富なオーストラリアで実証実験し、日豪政府も協力して企業組織を立ち上げて商業化へこぎつけた物で、その詳細が2011年8月に報道されていた。
当時の記事は、2012年度から1日200トン~300トンの石炭を投入する実証炉の設計に入り、2016年度にも稼働させる。実証後はそのまま商業運転に入る予定。並行して同1000トン以上の大規模な商業プラントを2018年度から建設し、2021年度から運転に入る計画だと書かれており、日本が水素の活用に積極的な背景にもなっているようだ。また、炉が稼働する地元では、排熱を利用して石炭ガス化複合発電(IGCC)プラントをつくり発電することも可能だと説明されている。 参照記事:褐炭は世界の原料市場を変えるか
pq0e-2b0vnjnc褐炭とは、水分や不純物などを多く含む、品質の低い石炭のこと。輸送効率や発電効率が低く、さらに乾燥すると自然発火するおそれもあるため、採掘してもすぐ近くにある火力発電所でしか利用できないなど、利用先が限定されています。そのため国際的にも取引されておらず、安価なエネルギー資源です。オーストラリアのビクトリア州には、こうした褐炭が大量に存在していると見られています。その量は、あくまで理論上の埋蔵量ですが、日本の総発電量の240年分に相当する量だという試算もあります。
日本の事業主体は川崎重工業、卸電力会社の電源開発、水素供給技術を持つ岩谷産業、シェルジャパンによる「技術研究組合CO2フリー水素サプライチェーン推進機構(HySTRA)」で、水素を製造する際に排出されるCO2は、将来的には、オーストラリア連邦政府・ビクトリア州政府が進めているCCSプロジェクトのひとつである「CarbonNETプロジェクト」と連携して地中に貯留する予定だが、炭素は製鉄に必要な材料でもある(川崎重工らのプロジェクトでは、ここで生じる二酸化炭素を二酸化炭素貯留技術(CCS)で地中に埋め戻すことで、大気を汚染しないでクリーンな水素を製造し、こうして生産された完全にCO2フリーの水素を「ブルー水素」と呼ぶ)。参照記事、、、日豪両国にとっても、環境対策、世界中に在る褐炭の有効利用など、多くの面で期待されるプロジェクトが始動した。商業化が実現すれば、世界中から賛辞を浴びるのは間違いないだろう。参照記事:川崎重工が挑む、化石燃料から作る「ブルー水素」。

nappi11 at 05:20│Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

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