
自動車評論家の国沢光宏さんの呼びかけで、福島県で作られた水素を充填した燃料電池車の走行距離の世界記録に挑戦していたチームは2021年6月28日いわき市を出発し、翌日29日、東京都豊洲の水素ステーションに到着して、フランスが樹立:左 していた世界一記録の1003キロを42.5キロ上回る1040.5キロを達成した。国沢さんのサイトが発表している。
同サイトによれば、チャレンジは1000キロメートル以上を10人でたすきを渡すリレー形式で行われた。燃料電池車が1回の水素充填で走った世界記録は、研究者の間ではトヨタMIRAIの水素タンクマン充填で走ったフランスでの1003キロメートルとされており、結果は、平均で水素燃料1キロで197キロメートル(197km/kg)の燃費で走行し、見事フランスの世界記録を打ち破った。国沢さんたちの出していたこれまでの記録を37キロ上回る新記録となった。国沢さんは、「どしゃ降りの悪天候で記録を出すには難しい条件だったが、なんとかみんなですばらしい記録を出すことができてとてもうれしく思います」とコメントしている。参照記事 参照記事
一方、最近では、電気自動車にたいする評価が変わり始めた。ライフサイクルアセスメント(Life Cycle Assessment=LCA)と呼ばれる新たな評価基準と共に、主にブタノール、バイオディーゼル、水素など合成液体燃料が、環境にやさしい人工石油「e-fuel(イーフューエル):e燃料」として登場したからで、特にトヨタがトップを走る、二酸化炭素(CO2)排出0の水素燃料車は究極のエコカーと言われている。
LCAと呼ばれる新たな評価基準は、電気自動車が動力に使う燃料電池(バッテリー)の原料製造や製品生産・廃棄・リサイクルというあらゆる過程で発生するCO2を計算すると、電気自動車をもはや排出ガス「0」のエコカーとして認められないとし、今も内燃機関の開発で排出0を目指すトヨタに対する評価が上昇していると言う。国際エネルギー機関(IEA)の今年の展望によると、2030年の全世界における車で、電気自動車の割合は7-12%だろうとのことで、10年後も約90%の車はまだ内燃機関車だとされる。参照記事
、、、電気自動車の普及が目覚ましい中国では、急激な電気自動車の普及が電力不足を招くと数年前に言われていた。不足を補うのに火力発電が増えるのは本末転倒で、この問題に対し、再生可能エネルギーの開発に熱心な欧州連合(EU)では、欧州連合統計局(ユーロスタット)の2020年の中間報告で初めて再生可能エネルギーの生産が化石燃料を上回ったと、2021年6月29日に発表された。参照記事
一方、e燃料の生産には大量の電力が必要な事から、「CO2ゼロの社会を実現するためにはEVを選ぶべき」との指摘に対し、研究者はe燃料の製造に再生可能エネルギーの使用や、効率の良い水素の製造開発、混合燃料開発に向け研究を重ねている:左図下。映像:通常運転でのMIRAIでのドライブと燃料入れ(この2020年8月投稿の映像では水素1kgは1100円となっている 満タンはカタログ上は5kgで、普通走行で450~460km以上の走行は可能の様です)過去ブログ:2021年2月日本でアンモニア燃料戦略始動 国内の潜在技術の結集図る 2020年4月メルセデス・ベンツ 燃料電池FCV乗用車の開発中止を公表 3月ドイツでトヨタのFCVがライドシェアで500万キロ達成 2019年7月加速するトヨタのEV,PHV車開発 7月トヨタが水素燃料電池車生産を10倍に引き上げ 4月中国EV補助金削減 水素自動車にシフト トヨタ視察がきっかけ? 2018年3月ロンドンでトヨタの水素燃料電池公用車「MIRAI」走る 英国 2017年12月EV車とFCV車の将来と環境への対応 急なEV化は電力への不安も 5月進化するEV,PHV、FCV 、バッテリー etc.
米国のバイデン政権は2021年6月7日、気候変動対策の一環として、クリーン水素の生産コストを引き下げる目標を掲げた。エネルギー省は、再生可能エネルギーや原子力発電など、クリーンな電力で生産した水素の価格を10年間で80%引き下げ、1キログラム当たり1ドルとする目標を示した。グランホルム・エネルギー長官は「クリーン水素は大変革をもたらす」との声明を発表。「汚染度の高い産業の脱炭素化に寄与するとともに、高給のクリーンエネルギー職の創出と、2050年までの排出量実質ゼロの実現につながる」と表明した。、、。参照記事