a7547f32-s東京から始まってオーストラリアニュージーランドを経由してチリに達する約1万3000キロメートルの光海底ケーブルを埋設する今回の作業は約600億円規模(別記事では同計画における設備投資金額は約4億ドル、海底ケーブルSubmarine Cableの耐用年数は25年)と見込まれている。まだ事業者は決まっていないが、2020年7月に日本の総務省が提案した日本ルートが選択されたため、今後日本企業が事業を受注する可能性が大きいが、まだ事業者は決まっていない。この海底ケーブルが敷設されることにより、通信速度は最速で毎秒400ギガビットになると予想されている。今後、施工事業者の入札などを経て、2023年末ごろから施工開始が予定されており、早ければ2024年中の運用開始になるとのことだ。
5c63b9c2ba12a本来この事業は中国・ファーウェイ(華為海洋網絡)が担当すると予想されていたが、マイク・ポンペオ米国務長官はピニェラ大統領の2019年4月の訪中直前にチリを訪れて「ファーウェイは中国政府にコントロールされており、国民をリスクにさらす」と公開的に警告し、海底光ケーブルを通じて情報が中国に流れることで中国共産党に悪用される可能性が大きいと主張してきた経緯がある。
2021年4月13日にチリ政府とブラジル政府は共同会見を開き、南米とアジア・オセアニアをつなぐ海底ケーブル敷設計画にブラジルが参加することを発表したと、4月19日報道されていた。その後の報道では、同計画には2021年1月にアルゼンチンも参加を表明し、ウルグアイ、パラグアイ、ボリビアも参加について検討している。海底ケーブルを通じて、南米とアジア・オセアニア地域の近接化が期待される。参照記事 参照記事
index日本と豪州を結ぶ別の海底ケーブルが2020年7月に完成しており、新ルートは日本とも接続しやすい。日本は豪州政府がファーウェイ製品を排除し中国に強硬姿勢をとっていることも考慮した。
FireShot Webpage Screenshot #470 - 'japan-teams-また、豪州とニュージーランドは環太平洋経済連携協定(TPP)でチリとも関係が深い。日本政府は日本勢の受注が決まった場合、国際協力銀行(JBIC)や総務省管轄の海外通信・放送・郵便事業支援機構(JICT)によるSPVへの投融資などを検討する。

海底ケーブルは米サブコム(SubCom:約40%、仏アルカテル・サブマリン・ネットワークス:”30%、NEC:”20%、が3強企業で、世界の市場の約90%を占めている。NECはアフリカと南米を結ぶルートなどアジア以外の事業も広げている。ファーウェイはもともと短距離中心で、近年は南米とアフリカを結ぶ長距離を手がけるなど存在感を高めていた。世界的排除に屈して2019年6月に海底ケーブル事業を売却すると発表したが、売却しても別の中国通信大手が事業を継続するとみられる。参照記事 英文記事 過去ブログ:2021年5月米国、日本、豪州が海底ケーブル分野で連携強化 中国排除



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