2021年2月に新暫定政府が発足して以来、欧米の上級外交官は相次いでリビアLibyaを訪問している。彼らは2021年12月の総選挙後も政権を担うことが期待されているリビアの新政権に信頼を置いている。
リビアのナジャ・アル・マンクーシュ外相Foreign Minister Najla al-Manqoush ：右は、2021年5月28日、リビアを訪問していたイタリアのルイージ・ディマイオ外相、マルタ共和国のエバリスト・バルトロ外相、欧州委員会の近隣拡大部門よりオリバー・バルヘリイ氏、そしてリビアのアブドルハミド・ドベイバ首相らとの会
談後の記者会見で、リビアからの不法移民の流れを食い止めるためには、リビアの暫定政府が南側の国境を管理することが優先課題で、「すべての問題は南部から始まっている」と述べ、リビアがこの問題に取り組むためにはEUからの追加の協力が必要であると付け加えた。右上図が、アフリカ各地からの難民の移動ルート。リビア南部には広大な砂漠と無人地帯が広がり、また、部族支配の強固な地域でもあり、越境管理が困難な地域でもある。過去ブログ：2019年4月リビアで仏、伊の衝突もありえる根拠。20日、ＧＮＡが反撃に出る
リビアは、アフリカ・中東の戦争や貧困を逃れ、ヨーロッパへの移住を求める移民の主要な経由地となっている。密入国あっせん業者は、必死に移住を求める家族らを装備不十分なゴムボートに詰め込み、そのゴムボートは地中海中央の危険なルート上で立ち往生し、浸水沈没している。過去ブログ：2019年10月地中海での密航事故死亡者 6年連続千人を超す
国際移住機関の「Missing Migrants
project」によると、今年に入ってこれまでに少なくとも612人が地中海で死亡または行方不明になっていることが分かっているという。これは、昨年同時期の死者・行方不明者数が278人であったのに比べると大幅に増加している。2014年以降だけでも、同地域では2万人以上の移民、難民希望者が死亡し、今年はすでに最も多くの悲劇が起きている。参照記事 英文記事 英文記事
ハフタルはリビアにいるのだろうか。