アフガニスタンの民放トロＴＶは2021年4月28日、和平協議に関し、反政府勢力タリバンが直接交渉を求める書簡を政府側要人に送っていたと報じた。タリバンはアフガン駐留米軍の全面撤収が９月まで延期されたことに反発、和平のための国際会議出席を拒絶しており、米国などの関与を排除する意図があるとみられる。
アフガニスタン東部ロガール州と南部カンダハル州で２５日、警察を標的にした攻撃が相次ぎ、ロガール州では、地元の銅山（2007年に1000億ドルで中国冶金科工集団（MCC）が30年間の開発権を買ったメス・アイナクMes Aynak銅山がある）の警備を担当していた警察官が襲われ７人が死亡。カンダハル州では爆弾を積んだ車が警察車両に突っ込み、警察官５人が犠牲になり、警察官少なくとも１２人が死亡した。ロガール州報道官は、同州の襲撃は反政府勢力タリバンが関与したと指摘した。
、、、中国の銅山開発に関しては、その真偽は不明ながら、1980年代に、米国の支援でソビエトを追い出したタリバンの中で最も過激な反米攻撃で知られ、タリバンの中でも最右翼と言われる ハッカニ・ネットワークHaqqani Network（HQN）の存在が幾度か指摘されている。個人的には、ハッカニと中国は、何か特殊な密約を取り交わしていると見ているのだが、、。タリバンと中国との経済関係では、2016年11月29日、タリバンが公式サイトで中国企業の中国冶金科工集団がアフガン政府と契約したメス・アイナクMes Aynakの銅鉱山、ガス開発計画などの保護を発表しているが、当時も今も、タリバンは一枚岩ではないと理解している。 現在銅の国際価格は急騰している。 
また、隣国パキスタンは親中国であり、これまでタリバンを支援してきたと言われ、タリバンの資金源であるヘロイン密輸には、パキスタン情報部が絡んでいるとの噂も在った。個人的に、中国、パキスタンが、米軍排除とタリバンの単独政権樹立へ向け陰で支援していると見ているのだが、、。
現在アフガンでは、テロ組織と呼ばれる集団がタリバンやＩＳを含めて20ほども活動しており、その多くが周辺国、特に米軍の攻撃を避けてパキスタン領側に拠点を置いている事実から、目前に迫った米軍撤収に際し、パキスタンがその後のアフガンに対し協力的に振る舞うのか、敵対的な態度を維持するのかが、その後のアフガンの安定に取って非常に重要だと指摘されている。英文記事 英文記事
バイデン米大統領は今月4月、アフガン駐留米軍を2021年９月１１日までに完全撤退させる方針を表明。ミラー駐留米軍司令官は4月25日、米軍の撤収作業が「既に始まった」と明らかにしたが、テロ事件は依然頻発している。参照記事 参照記事 過去ブログ：過去ブログ：2021年4月アフガンからの米軍完全撤退9月表明とタリバンと中国との関係 2020年3月アフガン和平協議合意への不安＞カタールで和平合意に署名 2017年11月意外にも、EV普及で迫る銅不足とアフガン、中国の動き 2016年12月タリバンが中国企業にアフガンの銅山開発を許可？ 2012年9月消えゆく世界遺産 中国の資源開発 アフガン
