

ウクライナ政府はこれまで、ウクライナ東部ドンバス地域 Donbas:右 でロシアが支援する分離派との紛争が激化する中、ロシアが国境付近で軍を増強していると警告し、4月8日には、ウクライナのゼレンスキー(セレンスキー)大統領Ukrainian President Volodymyr Zelenskyが最前線を訪れ、兵士らを激励している:写真右の左。英文記事 記録映像
ウクライナ軍の最高司令官を務めるルスラン・コムチャック中将がCNNに明らかにしたところによると、推定5万人のロシア軍部隊が現在国境地域とクリミア半島に集結している。加えて、ロシアの支援する分離独立派少なくとも3万5000人がウクライナ国内の反体制派支配地域にいるというが、ロシア側は計画された軍事演習 の一環であり脅威はないと主張する。参照記事
ドイツ政府の発表によると、メルケル首相は緊張緩和のために軍の撤退を求めた。一方、ロシア側の発表によると、プーチン大統領は「(ウクライナ軍と分離派を隔てる)接触線沿いの情勢を意図的に刺激しているウクライナによる挑発的行動に言及した」という。ロシア政府はこれまで、自国軍は脅威ではなく、自衛のために展開していると主張。適切だと見なす限り軍をとどめるとしている。また、軍増強はロシアの反体制派指導者ナワリヌイ氏や9月の議会選といった国内問題から国民の関心をそらすためとするウクライナの主張を否定した。参照記事 英文記事 過去ブログ:2016年7月停戦合意後も戦闘が続くウクライナ東部と三菱自動車
会談前の4月6日の報道では、「ウクライナ東部で続く同国と親ロシア派武装勢力との紛争の緊張が再び高まっている。欧州安全保障協力機構(OSCE)によると、双方の砲撃などの回数は4月3日、最近の平均の10倍に跳ね上がった。親露派を支援するロシアは国境地帯に軍を移動し、紛争の再燃はウクライナの破壊につながると警告。一方、バイデン米政権はウクライナ支援を確約するなど、「両紛争当事者の後ろ盾である米露両国の牽制(けんせい)合戦も起きている。」と報道された。写真は停戦ライン付近のウクライナ兵
ロシアによるウクライナ南部クリミア半島併合をめぐる東部紛争は2014年の勃発以降、1万3千人以上が死亡したとされ、現在は公式には停戦状態とされているが、ウクライナと親露派の双方が相手側による攻撃など停戦違反を継続的に報告してきた。紛争解決に向けた協議もロシアとウクライナの主張対立などから停滞している。しかし、今年に入りロシア側からの狙撃で射殺されたウクライナ軍の数は、すでに20人を超えるという。
停戦を監視しているOSCEの報告によると、4月2日までの1週間、1カ月間とも、1日平均当たりの停戦違反回数は約100回だった。しかし4月3日は一気に1千回を超えた。親露派側は同日、ウクライナの無人機の攻撃で子供が死亡したとも発表した。 左は、ドネツク地域Donetsk regionの村で、無人機攻撃の犠牲になった5歳の男の子。 参照記事 英文記事
、、、ウクライナがトルコの無人機を大量購入と書いた矢先で、すでに実戦投入されているようだ。過去ブログ:2021年4月ナゴルノカラバフ紛争で勝敗を分けた無人機攻撃 2020年3月無人機攻撃がより重要になった戦場
2021年4月9日:ストルテンベルグNATO事務総長は、ウクライナにおけるロシアの軍事活動に関してウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と電話で会談し,「NATOはウクライナの主権と領土保全を強く支持している」と述べた。ゼレンスキー大統領も、NATOはドンバス( Donbass:現紛争地域の呼称)における紛争終結の唯一の方法であると明かし、NATO加盟国に黒海での駐留を増強するように呼びかけ、ウクライナにNATO加盟行動計画が付与されることの重要性を指摘した。ウクライナ軍は、3月末にロシア軍が軍事演習を口実にウクライナ国境付近に部隊を派遣したことを公表している。
ウクライナは現在、NATOへの正式加盟はしていないが、米国のポンペオ国務長官は2020年1月31日、キエフでウクライナのゼレンスキー大統領(親欧米派:分離主義勢力を支援するロシア連邦と協議し、戦争を終結させたいとしている)と会談し、会談後の記者会見で「ウクライナが北大西洋条約機構(NATO)に加わり、欧州連合(への加盟)に近づくことを支持し続ける」と表明し、米国はウクライナの主権を守るうえで最も重要な同盟国であり続けると強調した。2021年4月6日の報道では、ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は記者会見での質問に答え「ウクライナには我々の強い支援を常に伝えている。彼らに対する脅威を撃退するためにも努力しているものの、ウクライナのNATO加盟決定はNATOが下す決定である」との見解を述べた。 参照記事 参照記事 参照記事
ソ連崩壊後のロシアの誕生に引きずられ、それほど独立の気運の無いままにウクライナ共和国が誕生した。共和国とは言っても、元々ポーランド領だった西部、ウクライナ人が主流の中部と、ロシア語圏の東部とは言語も文化も違う中、2014年にはウクライナ騒乱が起こり、親露派のヴィクトル・ヤヌコヴィチ大統領が失脚し、代わって反露派のペトロ・ポロシェンコ大統領が就任した。そんな中、2014年3月18日にロシアによるクリミア自治共和国・セヴァストポリ特別市の併合が調印され、この地域はロシア領土になり、政権は親露、反露、親露、反露と目まぐるしく変わった。
結局クライナでは、民族主義が台頭して、学校ではロシア語教育の禁止まで起き、教育自体が、全土で統一された民族主義的な内容へと書き換えられ、ウクライナの学校では、極右的な視点で書かれたウクライナ史が教えられるようになった。
この急激な変化に反発したのが東部のロシア語を話すルガンスク、ドネツク両共和国(ドンバス地域とも呼称)地域で、その地域では分離独立の機運が高まり、実効支配地域を武力で拡大し、それをロシアが支援した事で紛争化した。
今更統一は無理だとして、2014年9月に「ミンスク議定書」、2015年2月に「ミンスク合意」が交わされ、中、西部と南東部の間に停戦ラインとする境界を設けたが、それが曖昧なために停戦が守られないまま、独立派は「ドネツク、ルガンスク両人民共和国」を自称し、その地域の戦闘が本格化し境界付近では今も銃弾が飛び交っている。
「両共和国」はどちらも国際的な承認を受けていないが、ロシアは両地域を統治する反政府勢力を支持し、プーチン大統領は2019年4月24日、両地域の住民が、申請から3か月以内にロシア旅券(パスポート)を取得でき、ロシア国籍の取得を簡易化する内容の大統領令に署名している。参照記事、、、西側としては、過激な民族主義者や極右組織を抱えるウクライナを、両手を広げて「いらっしゃい」と迎えるにはためらいもあるのでは、、。今回のメルケル氏の行動は、ロシア軍が自国民保護を名目に本格的な越境攻撃に出るのを懸念したのではと、筆者は想像するが、今の時期にロシアが越境攻撃したとして何のメリットがあるのだろう?進行中の欧州への天然ガス供給もすべてがとまるだろうに、、。確かな事は「(ウクライナが)NATOに加盟しようとしまいと、これがゼレンスキー氏の国の現実だ。ウクライナは紛れもなく戦争状態にある。」とCNN記事は結んでいる。 参照記事
2021年4月23日:ロシアのショイグ国防相は22日、ロシアが7年前に併合したクリミア半島の演習場を訪れ、軍の高官らを前に、先月から続いていた演習が終わったことを宣言した。そして演習に参加していた部隊は、23日以降、5月1日までに本来の基地や駐屯地へ撤収するよう指示した。
ロシアは先月から、対立するウクライナとの国境地帯とクリミア半島で、合わせて10万人以上とされる軍の部隊を集結させて、連日、軍事演習を行い、両国の間で緊張が高まっていた。ウクライナのゼレンスキー大統領は22日、自身のツイッターに「歓迎する。われわれは平和を求めている」と投稿し、ロシア軍の部隊の撤収を歓迎する意向を示した。参照記事
コメント
大雑把にはウクライナが虐げられていた側ではあるが、えぐい反撃も多くあった・・・恨んでばかりいても良いことは無さそう。最近は西部の過激派は表に顔を出して無さそうだが、どうなったのだろう・・・
思い通りでは無いので、バイデンの様子見も兼ねて一発かましたか。なら、品が無いなー。