愛知製鋼は2021年3月9日、東北大学と共同でレアアース(希土類)のジスプロシウムDy(dysprosium:ディスプロシウム)不使用のネオジム系磁石で、磁力を15%高める技術を開発したと発表した。磁石の粉末の製造工程を改良し、磁粉を単結晶化すると同時に向きをそろえることで性能を向上した。電気自動車(EV)などに使う電動アクスルの小型化が見込める。2021年度中に量産体制を整え、同磁石を使った製品の実用化を目指す。愛知製鋼はモータと減速機を一体化したEV用電動アクスルで、独自のジスプロシウム不使用ネオジム系磁石「マグファイン」を使い、すでに既存製品より4割の小型化を実現している。今回改良した磁石を使えば、さらに5割まで小型化が可能になるという。参照記事

#251 - 'ネオジム系ボンド磁石 マグファイン®愛知製鋼はすでに2011年、Dy、Ga(ガリウム : gallium)を使用することなく世界最高の25MGOeの磁力と150℃の耐熱性を持たせた低コストの永久磁石『マグファイン®:NdFeB(ネオジム-鉄-ホウ素)系異方性ボンド磁石 MF』を作り出すことに成功している。 参照記事 参照記事

mag2マグファインはすでに、軽量かつ振動を低減するモータの量産化に広く応用され、マグファインを使用して共同開発したモータは、モータ出力アップと軽量化などに優れた特徴があり、ドローンでは、積載量アップや飛行時間の長時間化などの性能向上が期待され、産業用ドローンに適した従来比3割の軽量化を実現するモータがすでに共同開発されている。参照記事

ネオジム磁石は、1982年に佐川眞人氏(NDFEB社長)によって発明され、これには主に軽希土類元素に分類されるNd、Pr(プラセオジム)と、重希土類元素に分類されるDy(ジスプロシウム)、Tb(テルビウム)が使われ、製品は自動車分野ではHEVやEV、プラグインハイブリッド車(PHEV)といった電動車両の実用化に伴い、その需要は年を追うごとに増え、今も製造コストの削減など改良が進んでいる。

FireShot Webpage Screenshot #253 - 'レアアースのネオジム2020年12月には、トヨタ自動車と大同特殊鋼、高効率モーター用磁性材料技術研究組合(MagHEM)が、ネオジムの使用量を従来比2割から5割減らせるネオジム磁石部材を開発し、車載用モーターに部材として供給できるようになり、次世代モーターの設計で使えると報道された。ネオジムは中国など供給国が偏っており、輸出規制などによる供給リスクがある。ネオジムの使用量を減らすことで、こうしたリスク軽減にもつながる。 参照記事 参照記事 参照記事

FireShot Webpage Screenshot #254 - 'レアアースのネオジム相場2021年1月の報道では、モーター用磁石などに使われるネオジムの国際相場が続伸している。直近3カ月で約7割上昇し、1カ月前比でも約1割高い。脱炭素化の動きを強める中国で、最終用途となる電気自動車EV)や風力発電、産業用ロボットの需要が増大し、旺盛な中国需要を背景に2020年11月頃から騰勢を強め相場を押し上げたと報道された。中間材の酸化ネオジムの生産シェアは中国が約9割を占めるため、中国需給が市況に与える影響は大きい。中国の「環境車:EV」販売は、2020年10月と11月には前年比で約2倍にまで増大した。参照記事 過去ブログ:2021年2月トヨタ 2021年に米国で電気自動車(EV)2車種を発売 2017年12月EV車とFCV車の将来と環境への対応 急なEV化は電力への不安も 3月マレーシアでホンダ車販売快調とレアアースレスモーター 2010年10月日本 技術で乗り切るレアメタル、貴金属不足 2009年12月中国 あせる!磁石のいらないモーター小型化成功、中国レアアースの状況、、、完全なレアアースフリーは無理でも、レアアースの加工と永久磁石、モーターの開発では世界トップの日本、応用範囲が広いだけに、何とか成長してもらいたいものだ。バッテリーのリチウム獲得には、日本商社が南米で頑張っている。 過去ブログ:2021年3月寒波で死者多数のテキサス大停電が示したEV車一辺倒の危険 2010年8月日本、ボリビアの資源競争で韓国に逆転される>その後韓国は中断 2009年6月南米ボリビア、アルゼンチンで火花を散らす日本商社 リチウム争奪競争




nappi11 at 00:05│Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

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