2021年02月03日  商業 経済 欧州 EU

https _imgix-proxy.n8s.jp_DSXZQO01PN2021010201000591.-.-.CI00032021年2月3日:イギリスとEU=ヨーロッパ連合との間で自由貿易協定などに基づいた新たな関係が始まってから「移行期間」も終了し1か月となったが、人やモノが自由に移動できた環境が一変したことで、物流などに混乱が起きている。

イギリスはちょうど1年前にEUから離脱し、ことしから自由貿易協定などに基づいた新たな関係が始まったが、双方の貿易には、通関手続きが発生して中身や数量の申告が必要になるなど手間やコストがかかるようになった。
hqdefault英企業の間ではEUへの輸出を見直す動きが出ていて、このうちイギリス南部にある化学製品を扱う会社は、今年からEUの顧客向けの配送をイギリスからでなく、EU加盟国のポーランドの拠点からに切り替えた。化粧品の原料となる化学製品をアジアやアメリカなどから仕入れて販売しているこの会社は、2020年までEUの顧客にはイギリス南部にある本社の倉庫からトラックで配送をしてきたが、今年からはEU加盟国のポーランドにある拠点から行うようになった。結果としてイギリスの本社で取り扱う化学製品は半減し、従業員を減らさざるをえない。
また、EU側の企業でも影響が出ており、自動車産業が盛んなオーストリア南部のグラーツ近郊にある日本企業のグループ会社は、自動車部品の輸送に使われる段ボールを製造しているが、使用する素材は、輸送中に自動車のバッテリーなどから出火しても燃え広がることを防ぐため、火や水に強い特殊なもので、イギリスから輸入している。しかし、今年から始まった通関手続きに時間がかかり、イギリスとEUとの境界付近でトラックが足止めされるなど、輸送に以前の倍以上の時間がかかると見込まれている。
このため、経費が20%以上増えるおそれがあり、貿易協定が結ばれても、イギリスのEU離脱で今も影響を受けていると話している。

4d2f6341こうした中、イギリス政府は2021年2月1日、TPP=環太平洋パートナーシップ協定への加入を正式に申請する。日本を含むアジア太平洋地域との関係強化によって自国の企業のビジネス拡大を図るのがねらいで、具体的な成果につなげていけるかが問われることになる。、参照記事 過去ブログ:2021年1月トマトとトヨタに見る英国のEU離脱後

貿易の通関手続きが復活したため、英、EU双方の一部スーパーでは輸送の遅延による品不足が発生。また、EU経済圏に事実上残った英領北アイルランドと英本土間でも物流の障壁があらわとなった。さらに、英スコットランド地方の独立機運が過熱する中、北アが地続きのアイルランドとの統合に傾くとの観測も強まり、英連合王国の枠組みが揺らぎ始めた。参照記事 過去ブログ:2021年2月英政府がTPP参加を正式表 参考:英海域で漁業できないフランス、EUへ魚介類輸出が困難なイギリス

nappi11 at 03:00│Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

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