

ボスニアは欧州連合(EU)加盟国クロアチアに隣接。パキスタンから来た男性は「動物のように生きている。動物の方がいい暮らしだ。助けてもらえないなら、死んでしまう。助けてください」と訴えた。火災は23日に発生し、放火の疑いがある。ほぼ全てのテントや施設が破壊されたという。
移民らは26日、凍えるような風が吹く中、水や粗末な食料を受け取った。多くがスニーカーを履いており、ぬれた足を屋外でつけた小さな火にかざす人もいたという。
移民らは、アジア、中東、北アフリカなど各地からボスニアに集まっている。仮説の収容キャンプ地では、通りにまであふれた移民と住民との摩擦も起きていて、11月にはケンカでボスニア人男性が殺害され、殺人容疑でモロッコ人移民男性一人が逮捕されている。このモロッコ人は昨年麻薬所持で有罪判決を受けていたが、本国へ送還されることも無くキャンプに残っていた。地元警察は事件後移民らの行動を規制したが、暴動を懸念してか、国連は規制強化を止めるように要請している。国連報告では、現在ボスニアには、6000人以上の移民が滞在している。
2019年12月の記事では、2015年の夏にハンガリーの国境が閉鎖されて以来、バルカン半島に着いたほとんどの移民は、EU加盟国クロアチア経由でEU圏への入国 を試み、この新しいバルカンルートBalkan routeでは、セルビアまたはアルバニア、そしてモンテネグロのいずれかから、移民らはボスニア・ヘルツェゴビナへ入国する。 それ以来、55,000人以上の移民と難民がすでにこのルートを使用してボスニアヘルツェゴビナに入ったと報告されていた。当然そこからクロアチアへの密入国は違法で、クロアチアが、拘束した密入国者を暴力的にボスニアヘルツェゴビナに送致している事も、同地の移民が増える原因にもなっている。 参照記事 英文記事 英文記事 参照記事 英文記事
2020年12月28日:レバノン北部トリポリ近郊のシリア難民キャンプSyrian refugees campで26日夜に火災が発生し、数百人が避難し数人が病院に搬送された。軍当局は27日、地元住民が難民との言い争い後にテントに火を付けたと明らかにした。当局はレバノン人2人とシリア人6人を拘束した。地元メディアが伝えた。ロイター通信によると、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の報道官は、400人近くが焼け出されたと明らかにした。レバノンでは難民に対する差別的な言動が社会問題化している。参照記事
レバノンの公式データによると、シリアで2011年に勃発した内戦によりシリア人およそ150万人がレバノンに移住したが、シリアのバッシャール・アサド政権と近い関係にある一部レバノン当局者の人種差別的な発言により事件が絶えず、12月26日にレバノン人の若者のグループとシリア人避難民の間で発生した緊張が武力闘争へと変わり、レバノン人の若者達は、シリア人グループと言い争いをしたあとにタラーブルス県のミニヤーでシリア人避難民およそ80家族が暮らすテントキャンプを停電させたあとに放火したと、シリア反体制派革命勢力国民連合(SMDK)のナスル・ハリリ議長は避難民キャンプへの放火に関してアントニオ・グテーレス国連事務総長、ミシェル・バチェレ国連人権高等弁務官、フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官に書簡を送付し、レバノン当局と国際社会に避難民の保護に関して課せられた責務を果たすよう呼びかけた。放火はこれまでにも幾度か起きている。 参照記事 英文記事 写真は、焼け残りの家財を拾うシリア難民