japan20201222at25S_p 日本でベストセラーとなったエズラ・ボーゲル氏(Ezra Feivel Vogel、1930年7月11日 - 2020年12月20日)の著書「ジャパン・アズ・ナンバーワン」(1979年)は、日本の高度経済成長の要因を分析した名著として知られるが、その後、日本の経済力は大幅に減退。しかし、ボーゲル(ヴォーゲル)氏は2011年の東日本大震災が起きた後、時事通信のインタビューで、日本人の迅速かつ秩序だった震災対応を高く評価した上で「日本はまだ多くの点で非常に強力。経済成長だけに焦点を当てるのは視野が狭い考え方だ」と述べていた。筆者は過去5年前のブログで、彼の日本での講演記録を紹介している。いま読み返すと、当時のヴォーゲル元教授の指摘も、筆者の憂慮も現実となっているようだ。 過去ブログ:2015年5月米国の学者が習近平国家主席へ苦言
2020年12月20日に急逝
したエズラ・ボーゲル米ハーバード大名誉教授は、温かいまなざしで日本に敬意を払い続けた。90歳になっても元気で、ハーバード大のクリスティーナ・デイビス日米関係プログラム所長によると、最近まで研究・講演活動を精力的にこなしていたという。晩年に精力を費やしたのは日中関係で、トランプ政権発足後は日米中の行く末に強い懸念を示していた。
知日派であるとともに中国研究の権威としても知られ、中国発展の礎を築いたトウ小平の伝記「現代中国の父 トウ小平」(日本語版、13年)を出版。最後の大著「日中関係史」では、1500年にわたる日中の交流史をひもとき、歴史問題を克服し両国関係の強化を図る重要性を訴えた。氏は2018年のインタビューで、米中関係を国交正常化後の40年間で最悪としながらも、米中両国の関係は緊密化しており、「新冷戦」にはならないと指摘。日本が米中の「橋渡し役」となることに期待を示していた。享年90歳、心よりご冥福を祈る。

nappi11 at 04:51│Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

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