AFG-Kandar-Community-base-educationアフガニスタンの旧支配勢力タリバンTalibanと国連児童基金(ユニセフ:UNICEF)は、タリバンが支配したり影響力を持ったりしている地域で、4000の非公式の学校を設けることで合意したと英国紙が2020年12月17日報じた。タリバンとアフガン政府の和平協議が進む中、タリバンには国際社会と協働する姿勢を示すことで、将来政権に参加する場合に重要な役割を担えるとアピールする狙いがあるとみられる。

 デーリー・テAFG_2019_HelmandレグラフThe Telegraph紙によると、民家などで運営される非公式の学校が、ヘルマンド▽カンダハル▽ウルズガン▽ファリヤブ――の各州に設けられ、小学校3年までの教育が行われるという。既にこの地域には680の同様の学校があり、4000まで増える見通し。ユニセフの担当者は同紙に対し、今年2月にタリバン側から学校設立を持ちかけてきたと明らかにしたうえで、「我々にとって大きな進展であり、とても興奮した」と語った。

ユニセフによると、アフガンでは推定で370万人に上る子供が学校に通っていない。今回の合意で、女子を含む12万人以上の子供の就学が期待されている。タリバン政権(1996~2001年)下では女子の教育が制限され、タリバンは国際社会から批判を浴びた経緯がある。参照記事 参照記事 英文記事 英文記事

、、、報道を検証するため、2019年6月の記事に掲載された、アフガンのタリバンの影響地域を州別に赤系の色で表した地図(灰色が政府軍支配)で、名の上がった州名を黄色い枠で囲った。人数にして370万人のうちの12万人、地域にして、タリバン支配下にある地域の数分の一の地域だ。現在和平交渉を行っているタリバンが主流派と言われるが、彼らが決定した内容を実行できる地域がこれだけとは、タリバン代表団の政治力を疑うしかない。

97663f07タリバンの中には、穏健派も居れば右派、過激派もいる。交渉中の今もタリバンの攻撃は続いていて、今も市民の多くが犠牲になっている。交渉を有利にするためにタリバンが攻撃をし、主流派が黙認しているとの記事もあるが、タリバンの中で最右翼の武装集団 ハッカニ・ネットワークHaqqani network(HQN)や、タリバンから分派したIS系過激派組織「ホラソン州のイスラム国:IS Khorasan Province (ISKP:Islamic State Khorasan、IS-KP、ISIS-KP)」も存在し、1990年代、ソビエト軍や、その後の支配者タリバンと戦い、今も反タリバンで、アブドラ前行政長官を支援していると言われる地域部族組織・北部同盟 Northern Alliance(「統一戦線(United Front)」とも呼ばれる)も活動している。 過去ブログ:2019年9月攻撃活発化のタリバンに対立組織浮上>米は和平協議中止 アフガン

国内テロに関し、主流派とは対立する反主流派の犯行説に現実味が在り、実際犯行声明も出ている。タリバン主流派が、早い決着と国際支援、補助金目当てで言い出したとすれば、国連機関は浮かれすぎだ。筆者は、そもそも交渉が長引いているのは、タリバンが次々と、自分ら、或いは地域部族長の利権になるような条件を出しているからだと思っている。これまでの経過から、彼らは、その程度の集団だと見ていいのでは、、。その体質に不満を持ったグループが離脱して、過激原理主義IS系となったと理解している。アフガン政府もまた、復興支援金目当ての利権亡者の集まりだと思っている。もちろん早く平和になってほしいが、日本政府も格好つけて安易に人道的支援をするなどと言わない方がいい。資金だけ渡しても、多くは、現地の政治家の懐に入るだけで、物で渡せば横流しされる。もっとも、日本の政治家とて同じ穴のムジナではあるが、、。極論だが、腐りきった、他国にたかるのが外交、政治だと思っているアフガン人政治家や軍人に任せても、アフガンには永遠に平和は来ない。参考:アフガン、治安さらに悪化 和平交渉中断、先行き不透明―狙われる政治家と記者 過去ブログ:2020年11月首都カブールに23発のロケット攻撃 死者8人 アフガニスタン 10月アフガンでシーア派狙った自爆テロ 学生ら24人死亡 2020年9月相変わらず不正が蔓延するアフガンと麻薬 9月タリバンが和平協議でイスラム原理主義統治を要求 3月アフガンの米、多国籍軍削減計画が新型肺炎で中断>和平合意とん挫



nappi11 at 00:50│Comments(1) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

コメント

1. Posted by 甲東   2020年12月21日 08:56
クルド同様、パシュトゥーンは山岳民族。隣村との関わりすら余り必要としない生活を数百年続けていた。おいらファーストの御山の大将だらけ。大夫世間が分かってきたとは言え、未だクルドの域にも達していなさそう。後、50年、100年・・・気長に教育でもしよう。大多数は野外寺子屋だろう。コーランしか知らないタリバンが先生だと困るが。通信衛星、スマホ、小さな太陽電池でも全国民に供与するか。アフリカのどこかでやっていた。

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