2020年12月19日  環境 自然 車、乗り物
FireShot Webpage Screenshot #060 -各国大手自動車メーカーは電気自動車(EV)などの電動車開発を加速させるが、コストや車載電池開発などガソリン車を完全代替するには課題は多い。そこで同時に研究開発が進んでいるのが、新型液体燃料「e-fuel(イーフューエル)」。大気中に放出されるはずの二酸化炭素(CO2)を原料とするため、温室効果ガス排出が実質ゼロの「カーボンニュートラル」と見なされ、日本が得意とするガソリンも使用する、ハイブリッド車(HV、HEV)の需要延命にもつながる。

 イーフューエルは、工場などから排出されるCO2を回収し、水素と合成して製造される。ガソリン燃料やディーゼル燃料に混合して利用できる。製造段階で電力を必要とするが、これを太陽光などの再生可能エネルギーでまかなうことで、全体でCO2の排出がゼロと見なされる。CO2排出がゼロと見なされる燃料には、トウモロコシや藻類などからつくるバイオ燃料もあり、各国でガソリンなどに混合して販売されてもいるが、イーフューエルはバイオ燃料に比べ、製造時間が短く大量生産に向く利点があるとされている。

積極的にEVシフトを進めている欧州では2030年に「ライフサイクルアセスメント(LCA:Life Cycle ssessment)規制」導入が検討され、これは、EVに使用されるレアメタル(Li,Co)の発掘、精錬工程に消費されるエネルギー(発生するCO2)もクルマ製造過程エネルギー(CO2),そして走行時のCO2の全部をトータルしてのCO2量、つまり、車両や燃料の製造から、走行時、廃棄までを含め、トータルで排出されるCO2を規制の対象とするという、きわめて厳しい基準だ。

アウディは、こうした将来を見据えて2017年からイーフューエルの研究開発を始め、選択肢として「EV一本やり」によるリスクを減らそうという思惑が透けてみえる。一方で、パーツメーカーのボッシュが水素エンジンをの研究開発していることは面白い。将来の水素ディーゼルエンジンはガソリンエンジンを凌駕する目標を置いている。水素燃料電池の水素より純度が低いようなので、現実的な選択かも知れないと言われている。

日本でもトヨタ自動車、日産自動車、ホンダの大手3社がイーフューエルの研究開発に本腰を入れ始め、実用化のめどはまだたっていないものの、自動車大手の担当者は「既存の車両やガソリンスタンドなどが使え、有益だ」と期待を寄せる。イーフューエルが大量生産できるようになれば、次世代を担う電動車の現実的な選択肢のひとつとして、日系メーカーが強みを持つHVはしばらくの間、実質的にCO2排出をゼロにした自動車と扱われ、存在しつづけることができる。また、ソニーなど他業種がEV参入の動きを強める中、自動車会社が次世代でも先行者としての優位を保つことができ、関連の下請けメーカーなどにも恩恵がある。

EV向け車載電池市場に目を向けると、寧徳時代新能源科技(CATL)など中国勢が優位で、日本は、水素燃料電池車(FCV)も含めた電動車の選択肢を準備する一方、脱炭素化の実現に向け、イーフューエルの開発も含めた多様な選択肢を用意する必要がある。

FireShot Webpage Screenshot #061 -トヨタ自動車グループの部品メーカー、豊田合成は三重県いなべ市に水素燃料電池車(FCV)向けの水素タンク製造工場を約120億円を投じ2018年に完成させ、2020年12月10日から本格稼働を開始した。従業員は約100人。生産するタンクは樹脂製で、詰める高圧水素に耐えられるように外面に炭素繊維強化プラスチックなどを巻き付けて仕上げる。参照記事 参照記事 参照記事 過去ブログ:2020年12月2030年代半ばに国内販売の新車からガソリン車消える? 東芝が定置型蓄電システムに有望な水系リチウムイオン電池開発 メルセデス・ベンツ 燃料電池FCV乗用車の開発中止を公表 2019年4月中国EV補助金削減 水素自動車にシフト トヨタ視察がきっかけ? 3月バイオガス使用のバスが炎上 原因は? スウェーデン 2017年12月EV車とFCV車の将来と環境への対応 急なEV化は電力への不安も

210211_webcartop_FCVfuture_004210211_webcartop_FCVfuture_010トヨタがタンク製造に乗り出した背景には、意外に知られていないが、現状で水素燃料電池車が搭載している高圧水素タンクには公式に定められた寿命「充填可能期限」があり、定期的に検査をしていくという前提で、高圧水素タンクの期限は15年と定められているのだ。たしかに700気圧という信じられないほど高圧で水素を押し込むのであるから、ノーメンテで使いっぱなしにできるような代物でないのは当然だが、現状で、車体は使えてもタンクが寿命で廃車にせざるを得ないという状況になる未来がやって来るのは、ほぼ間違いない。燃料電池自体も徐々に劣化が進むものであり、けっして永遠に使えるシステムではないが、そうした経年劣化とは異なる高圧タンクに対する法的な規制による寿命が決まっているという状況は、これから普及させていくのであれば何らかの解決策を見出すべきだろう。参照記事






nappi11 at 00:30│Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

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