



ファクリザデ氏はイラン革命防衛隊に長く所属し、イランが2003年に中止したとされる核兵器製造計画を指揮していたとみられる。弾道ミサイル製造の専門家としても知られ、国防省の研究開発機関のトップを務め、最高指導者ハメネイ師からも全面的な支援を受けていたとされる。

イスラエルは事件についてコメントしていない。だが、米ニューヨーク・タイムズ紙は3人の情報当局者の話を引用し、イスラエルが背後にいると指摘している。イスラエル紙ハーレツによると、イスラエルは約10年前からイランの核科学者を暗殺してきた疑いがある。2010~12年には少なくとも4人の科学者が殺害された。イスラエルに接するシリアやレバノンには親イランの民兵組織がおり、イランはこうした勢力を利用して攻撃に出る恐れもある。一方のイスラエルは既にシリア領内の親イラン民兵への攻撃を強化しており、11月中旬以降、数十人が空爆で殺害されたとみられる。

