
イランの首都テヘラン郊外で2020年11月27日、防弾仕様の乗用車で移動中だった同国の著名な核科学者モフセン・ファクリザデ氏:Mohsen Fakhrizadehが何者かの銃撃に遭い、搬送先の病院で死亡した。ファクリザデ氏は2000年代初頭にイランの核兵器製造計画を率いた人物とみられており、イランと対立するイスラエルが暗殺した疑惑が浮上している。今後、イランが報復攻撃に出た場合、イスラエルの後ろ盾である米国を巻き込み、対立が激化する恐れもある。また、モフセン・ファクリザデ
氏は、イランと北朝鮮間の核武器開発の中心人物とも言われている。参照記事
事件はテヘランから東へ約70キロ離れたアブサードAbsardで発生。待ち伏せ攻撃をしたのは車で待って居た3~4人の他、4台のオートバイ、狙撃者らで、車から引きずり出され処刑されたファクリザデ氏のほか、銃撃戦で攻撃側も数人が死亡したという。先に別の車1台が爆破されたとの情報もある。イラン外務省は「テロリストによる攻撃」としている。
ファクリザデ氏はイラン革命防衛隊に長く所属し、イランが2003年に中止したとされる核兵器製造計画を指揮していたとみられる。弾道ミサイル製造の専門家としても知られ、国防省の研究開発機関のトップを務め、最高指導者ハメネイ師からも全面的な支援を受けていたとされる。
ハメネイ師の軍事顧問ホセイン・デフガーン氏 Hossein Dehghan:右 は「(イスラエルの)同盟者(トランプ米大統領)の政治生命の終わりが近づく中、シオニストたち(イスラエル政府)はイランへの圧力を強め、戦争を起こそうとしている」とツイートした。イスラエルは事件についてコメントしていない。だが、米ニューヨーク・タイムズ紙は3人の情報当局者の話を引用し、イスラエルが背後にいると指摘している。イスラエル紙ハーレツによると、イスラエルは約10年前からイランの核科学者を暗殺してきた疑いがある。2010~12年には少なくとも4人の科学者が殺害された。イスラエルに接するシリアやレバノンには親イランの民兵組織がおり、イランはこうした勢力を利用して攻撃に出る恐れもある。一方のイスラエルは既にシリア領内の親イラン民兵への攻撃を強化しており、11月中旬以降、数十人が空爆で殺害されたとみられる。
イランでは2020年1月、革命防衛隊のソレイマニ司令官 Gen.Qaseem Soleimaniが米軍によって殺害された。7月には中部ナタンツの核関連施設で爆発が起き、イスラエルや米国の関与が疑われている。参照記事 英文記事 英文記事 参照記事 英文記事 過去ブログ:2020年7月イラン革命防衛隊ソレイマニ司令官暗殺で通訳を処刑 イラン 7月核イランの核関連施設火災はイスラエルのモサドの破壊工作? 2月ダマスカス近郊へ、イスラエルがミサイル攻撃 1月米国のソレイマニ司令官殺害と過去の在リビア米大使館襲撃 2019年6月相次ぐイスラエルのシリアへのミサイル攻撃 1月イスラエルのシリア国内のイラン部隊への空爆相次ぐ
米中央情報局(CIA)のジョン・ブレナン(John Brennan)元長官は27日、イラン政府に対し、報復したいという衝動に耐え、「信頼できる米国の指導者が国際舞台に戻るまで待つ」よう求めた。同氏は、バラク・オバマ(Barack Obama)前米大統領とジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領の政権下で2013~2017年にCIA長官を務め、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領には非常に批判的な立場を取っている。参照記事
