2020年11月24日:米製薬大手ファイザーと独ビオンテック(BioNTech)は2020年11月20日、開発中の新型コロナウイルスワクチンの緊急使用許可を米食品医薬品局(FDA)に申請した。新型ウイルスワクチンの緊急使用許可申請はアメリカ国内で初めて。FDAがファイザーとビオンテックのワクチンの安全性を判断することとなる。データ評価にどれくらい時間がかかるかは不明だが、米政府は12月前半にも緊急使用が承認されると予想している。ファイザー製ワクチンの臨床試験の第3相では、65歳以上の接種者の94%を守ることが示された。イギリスは4000万回分の供給を予約済みで、年末までに1000万回分を確保するとみられる。参照記事 英文記事
米ファイザーと共同でワクチンを開発している独ビオンテック(BioNtech)の共同創業者・ウグル・サヒン (Ugur Sahin)教授は、ワクチンによって新型ウイルスの感染拡大が半分に抑えられ、「感染報告が劇的に減少する」だろうと述べたと11月15日BBC記事で報道された。教授はまた、新型コロナウイルスのワクチンの効果は来年夏ごろに劇的に現れ、来年の冬までには日常生活が戻るとの見通しを示した。このワクチンが症状を抑えるだけでなく、人から人への感染を減らす効果があることがさらなる分析で分かると期待していると話し、「これほど効果の高いワクチンであれば、90%とまでは行かなくても50%くらいは、人から人への感染も防げると自信を持っている。それでもパンデミックの拡大を劇的に減らすことができるだろう」と語った。
このワクチンは6カ国で治験が行われており、3週間空けて2度接種が必要とされている。日本政府は2020年7月、2021年上半期に1億2000万回分を納入することで両社と合意している。イギリスでは、介護施設の居住者や職員が優先的にワクチンを受け、その後、医療従事者と80歳以上の高齢者が対象となる予定。その後も、年齢ごとに接種開始時期が決められるという。
サヒン教授によると、ワクチン開発がこのまま何事もなく進めば、「年末から年始にかけて」提供を開始できるという。ファイザーとビオンテックは、来年2021年4月までに3億回分を供給する目標を掲げているが、「これは潮目を変える第一歩に過ぎない」としている。ワクチンによる影響が大きく現れるのはさらに後で、「感染率が低くなる夏が助けになるだろう。来年の秋冬になるまでに接種率を上げておくことが非常に重要だ」と述べた。その上で、各国のワクチン接種プログラムが来年の秋までに終わっていることが重要だと強調した。
一方で、ファイザーワクチンに於いては、(一人に必要な2回の)接種後にどれほど免疫が継続するのかはまだ分かっていないと述べた。ただし、1年後にワクチンによる免疫が著しく落ちていても、再接種は「非常に複雑にはならない」としている。さらに臨床試験の被験者に見られた「主な副作用」として、注射した場所に数日間、軽度の痛みが生じると話した。また、数日間の発熱が見られたケースもあるという。「それ以外の深刻な、臨床試験を停止・中断せざるを得ないような副作用は見られなかった」とサヒン教授は述べた。
こうした中、新型ウイルスの変異種がワクチンの効果を弱めるのではないかという懸念が広がっている。イギリス政府の科学顧問を務めるウェンディ・バークリー・ウイルス学教授は、現在開発中のワクチンは「進化し続けるウイルスにはそれほど効果を発揮しない」可能性があると指摘している。 参照記事 英文記事
米政府のワクチン開発対応チームのモンセフ・スラウイ(Moncef Slaoui)首席顧問:左 は11月22日、新型コロナウイルスワクチンについて、承認の1─2日後、早ければ2020年12月11日にも医療従事者など、優先度の高い人々への接種が始まる見通しを示した。
米製薬大手ファイザーが開発中のワクチンの承認が目前となり、バイオ製薬のモデルナのワクチンModerna Vaccineもそれに続く見通しが高まっている。米国が集団免疫状態を達成するためには、3億3000万人の人口の70%程度にワクチン接種する必要があり、その目標を来年5月までに到達する可能性があるとした。
しかし実施には問題もあり、特にファイザー製ワクチンは、輸送、保存にー70度と言われる超低温が要求され、テネシー大学のトーマス・ゴールズビー教授(専門は物流管理学)Thomas J. Goldsby, University of Tennessee:左 によると、「モデルナのワクチンは、いざとなったらアイスクリームや冷凍食品用の業務用冷凍庫でも保管できるが、ファイザー製はそうは行かない」と指摘している。ファイザーは超低温でワクチンを運べるスーツケース大のコンテナを開発したが、コンテナには大量のドライアイスを入れなければならない。また、ドライアイスは世界的に供給不足が続いていて入手困難だ。参照記事 参照記事
米国の感染者は11月21日に1200万人を超え、死者は25万5000人余りとなった。ワクチン投与開始の見通しが立ったことは朗報だが、一般市民のワクチン不信は依然強い。最近のギャラップの調査では、ワクチン接種を受ける意向を示した割合は、9月時点(50%)からやや拡大したものの58%にとどまった。
欧州疾病予防管理センター(ECDC、ストックホルム)が用いる集団免疫率(ある集団でどれぐらいの人が抗体を持てば、感染拡大が阻止できるかの指標)の推計モデルは最低67%だ。一方、ドイツのメルケル首相は今月、ワクチンないし感染を通じて国民の6割から7割が免疫を獲得すれば、行動制限を解除できるとの見解を示した。世界保健機関(WHO)の専門家は、ワクチンによって集団免疫を達成する方法として、65─70%の接種率を挙げている。英エジンバラ大学のエレノア・ライリー教授(免疫学・感染症)は「集団免疫の考え方は弱者を保護するためにある」と説明する。「ある地域や社会の人口の98%がワクチン接種を受ければ、そこではウイルスの数が非常に減少し、残りの2%も守られるという考え方だ。そこが重要な点だ」という。 参照記事 参照記事
世界のワクチン開発競争の先頭を走るのは、米バイオ企業モデルナのmRNAワクチンで、同社は2014年から開発に着しているが、その背景には、国内外に多くの兵員を抱える米国政府の豊富な資金援助があった。米国はワクチンを「軍事物資」と捉えているからで、日本政府にはこの発想が無い。何とか米国から6714億円で高額なワクチンを分けてもらえることになったが、日米が軍事的に同盟国であることも作用していると言われる。同じワクチンを接種されていない軍とは、共同訓練など出来ないからだが、韓国が米国からワクチンを買えなかった事を裏読みすれば、米国は今後韓国との共同訓練をする気は無いと言う意味か?もっとも、軍事的機密保持の面から、親中、親北の文政権は、米国に敬遠されて当然だろうが、、。
遅まきながら日本でも数社が、2020年度中にワクチンの臨床試験に入る予定だとされる。相変わらず、税金の使い方がへたくそな日本政府である。また、ワクチン開発の流れだけ見ても、日本政府の、2021年オリンピック開催(2021年7月23日開幕予定)の楽観論は、ほぼ絶望的と言えるのでは、、。 参考:世界のワクチン開発競争に日本が「負けた」理由
効果が確認された英製薬大手アストラゼネカAstraZeneca が開発中の新型コロナウイルスワクチンは、一般的な冷蔵庫の温度(2~8度)で保管可能な点が最大の特長だ。費用はコーヒー1杯と同程度の1回当たり4ドル(約420円)前後と安価。共同開発相手のオックスフォード大は「診療所や地元の薬局など既存の医療施設を使用して容易に配布できる」としており、大量配布に活路が開けてきた。アストラゼネカは11月23日、ワクチン候補が平均70%、最高90%の効果を示したと発表。ソリオ最高経営責任者(CEO)は新型コロナ流行中は利益を考えずに供給すると表明し、「安価なワクチンを世界全体に迅速に提供できる」と語った。このワクチンは、2021年初めには1200万人分が日本へ供給される予定だと2020年8月に報道されている。英文記事 参照記事
コメント
オリンピックは、今では不用だとの神の啓示かも。
世界大会は多数開催されているので、新鮮味は薄れている。
選手団は、宿舎と競技場の往復、「外国人の観客の受け入れにあたっては、原則として14日間の待機を免除し、公共交通機関の利用も認める方向で検討する方針を確認」とか。
これじゃ、日本はオリンピックとコロナで沈没。
Go To対応を見ていても、リーダー意識欠如、正常性バイアス絶賛発動中・・・日頃から論理立てて物事を考えていない人は直ぐ混線する。典型例が現アメリカに。ピーガー、ピーヒャララー、ガー・・・プツン・・・ツーツーツー。