d32aaaa627cc3a300b190ea5380c5a9e2020年11月22日:中国メディアによると、2017年11月に設立された半導体メーカー、武漢弘芯半導体製造有限公司(以下、武漢弘芯)はこのほど、地元政府に接収された。創立当時、同社は総投資額1280億元(約2兆円)で話題になり、地元経済活性化の起爆剤と期待された。しかし、同社は今、半導体産業における中国当局の「大躍進政策」の失敗例となった。

米政府の中国企業への輸出禁輸措置を受けて、中国当局は国内供給体制を確立するため、昨年から半導体産業の振興政策を次々と打ち出した。「大躍進政策」では、同産業へ投資を呼びかけた上、半導体メーカーを補助金や税制優遇措置の対象にし、株式上場や資金調達を優先させた。

no titleこのため、中国各地で半導体企業への投資ブームが起き、半導体メーカーではない企業まで進出し、2019年から新たに半導体メーカー約2万社が設立された。専門家は、中国半導体産業の「過熱化」に警鐘を鳴らしていた。しかし、 香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は2020年9月28日、中国国内では今年1~8月期に、9335社の企業が新たに半導体産業に参入したと報道した。昨年同期と比べて、120%増えたという。中国メディのタイトルには「世紀大騙局:世紀の大ペテン」とも書かれている。参照記事 過去ブログ:2020年10月中国の高齢者5年以内に3億人突破と人口減少の予測 2012年10月毛沢東が「反日の英雄」?その流れと反日

20200908111004-cb3612f60c92020年9月の報道では、建設していたのは武漢弘芯半導体製造(HSMC)。2017年11月に武漢市内の経済開発区内での建設計画を発表し、同市当局も半導体産業育成に向けた「重大プロジェクト」として大々的に宣伝していた。2020年中にも試験生産を始め、将来的には最先端の半導体を製造する工場とする予定だった。

しかし、2019年末までに投じられたのは153億元(約2400億円)で、武漢市当局は8月下旬「資金不足のためプロジェクトは一時停止した」と発表していた。HSMCの90%の株式を保有する民間企業の幹部は半導体業界での経験がなく、残り10%の株式は武漢市当局傘下の国有企業が保有。早々に資金不足に陥り、今年2020年1月までに工場の土地やオランダ企業製の最先端製造装置が裁判所に差し押さえられていたという。 中国の半導体業界ではずさんな計画から倒産する企業が相次ぎ、業界関係者は中国メディアに「地方政府も誘致する際にリスクを理解し慎重に判断する必要がある」と警鐘を鳴らしたと書かれているが、裏でしっかり賄賂を取った役人や政治家が居たとすれば、彼らの言う所のビジネスは大成功だったのだ。参照記事 参照記事 中国語記事



nappi11 at 03:06│Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

コメントする

名前
メール
URL
絵文字