2020年09月24日  犯罪 メキシコ 中南米
Mexico-Drugs-and-Cartels2020年6月に掲載されたメキシコ麻薬カルテル勢力分布図が在ったので,多少見にくいが編集して記事にする。参照記事 左下のこれまでの勢力分布図と見比べると、大きな変化として、ここ数年勢いの在った新ハリスコ・カルテルNew Generation Jalisco Cartel:Cártel de Jalisco Nueva Generación(CJNG)が支配地域を減らし一時の勢いを失ったとの最近の報道に近いとも見える。CJNGとセタスの縄張りの間に抗争地域があるが、以前の資料では、この地域で両カルテルが抗争を繰り返し、この地域の犯罪犠牲者数が急増している。
しかし、右図を2019年7月に掲載した記事もあり、また、ほぼ同じ勢力図は、2018年に米麻薬取締局DEAが公表し、筆者も過去に掲載しているので、2020年の最新のものとは言えない可能性もあり、参考程度に見ていただきたい。
CJNGの縄張り縮小に反し、ガルフ・カルテル
Gulf Cartel(CDG)、セタス・カルテル、セタスグループ Los Zetas Group (Groupo Bravo)が復活している。フアレス・カルテルJuárez Cartel(別名Vicente Carrillo Fuentes 6b5150dcOrganizationからフエンテスと呼ぶ事もある)はシナロアの抗争で派手な流血を繰り返し、一時はセタスとも同盟を組んでシナロアに対抗したが、屈して一時勢力図から名前が消えた。この図では復活したように見えるが、右図の元図の流れを調べると、2019年末に筆者が編集した左図が、現状に近い可能性がある。メキシコ犯罪の近況を書いた記事では、メキシコでの最大カルテルはCJNGで、次がシナロア・カルテルと報告されているが、CJNGの主要人物が、シナロアSinaloa Cartel(CDS)から資金提供を受けているとの記事もあり、この両カルテルが対立していると見るのは早計かもしれない 参照記事
上の図で、アジアからの点線は、アジアからの合成麻薬原料や合成麻薬の供給ルート、メキシコ湾の点線は南米コロンビアからのコカイン供給ルートを示している。その他、カルテル別の説明は、過去のブログを参照ください。参照記事 過去ブログ:2020年9月
シナロア・カルテルが新型コロナ感染家族に食糧配給と勢力分布 2019年12月メキシコ麻薬カルテル勢力分布図 2019年12月~ メキシコ

ver-oax新たな勢力図では、メキシコ湾に面したベラクルスVeracruzがCJNGの縄張りとして黄色く残っているが、9月22日の記事では、CJNGのベラクルスの地域ボスRaúl Estrada Espinoza, alias "El Rucho"56歳が9月16日、住宅に居るところを、トラックで乗り付けた6人の集団に銃撃され、女性一人と共に殺害された。勢力図から見て、恐らくセタスの犯行ではないだろうか?勢力図にあるのはよく知られたカルテルで、ここ最近、小さな犯罪集団が組織に成り上がり、カルテルの縄張りで抗争を起こすなどが多発している。
narco truck 555555555narco monster cjjng michCJNGの暗殺部隊には、軍や警察出身者が多いとされ、セタスとよく似ている。左は、CJNGが所有する自作の装甲車。 参照記事


Screenshot(36)
2020年9月28日:上記を記載した後の9月25日、メキシコ政府によるMexican Government Releases a New 2020 Cartel Map と言うのが公開された。元図は色合いがはっきりしないので、筆者が色合いや、組織名を拡大し編集しなおしたのが右下の図で、それにしても、元図はひどい造りで、不親切極まりない。
この図では、フアレス・カルテルは消え、分裂状態にあったセタスZetasが縄張りをかなり失っている反面、メキシコの北部は、互いに敵対するシナロアSinaloa Cartel(CDS)と新ハリスコ・カルテルNew Generation Jalisco Cartel:Cártel de Jalisco Nueva Generación(CJNG)が抑え、南側は群雄割拠の体を示している。聞きなれない組織名もあるが、すぐに消えることもあるので、特に系統は示さないが、カルテル デル ノレステCartel Del Noreste (CDN)はセタスから分裂した組織で、数年前に登場した攻撃力のある組織で、テキサス州に隣接する国境の Nuevo Laredoに拠点を置き、国境沿いに東へ縄張りを伸ばし、赤のガルフカルテルGulf Cartel (CDG)やCJNGと抗争を繰り返している。赤のCDGが、南部へ拡散しているが、その多くが元セタスの縄張りの様である。過去ブログ:2019年12月メキシコ麻薬カルテル勢力分布図 2019年12月~ メキシコ

Screenshot(14)2020年10月9日:メキシコ中央の高地に位置するグアナフアト州 (Estado de Guanajuato) は、州を東西に二分し、西側をパイプラインから盗掘したガソリン燃料などを資金源とするサンタローザ・デ・リマ・カルテルCártel Santa Rosa de Lima(CSRL)が、東側を現在メキシコ最大の麻薬組織とまで言われる新ハリスコ・カルテルCJNGが縄張りとし、2018年以前から対立があり、2020年8月にカルテル サンタ ロサ デ リマの最大ボス(José Antonio Yépez Ortiz“El Marro”  参照記事)が逮4-sep-cartel-santa-rosa-cjng捕されたにもかかわらず、グアナフアト州の暴力危機は止まらず、グアナフアト州検察は10月最初の7日間で103人が殺害されたと木曜日に発表した。103人という数字は同時期にメキシコ全土で殺害された人数の5分の1に相当し、10月5日は1日だけで32人が殺害されており、ここ最近でも最も暴力的な日の一つとなった。この日にメキシコ全土で殺害された人数は102人であり、メキシコで10月5日に殺害された3人の内の1人はグアナフアト州で殺害されたことになる。参照記事 過去ブログ:2019年1月ガソリン盗掘現場で爆発 少なくても死者134人 メキシコ 2018年10月メキシコからの犯罪ニュース二つ 2017年3月凶悪化するメキシコのガソリン抜き取り窃盗団 参照記事:燃料盗難が多発するメキシコ「笑えない対策」

Screenshot(16)comandantapaty_12020年10月10日:最新カルテル勢力分布図では、ガルフ・カルテルGulf Cartel (CDG)Cartel del Golfoの復活が目立っているが、CDGの戦闘集団ソンブラ・グループGrupo Sombra(FEGS)(sombraは、死霊や悪霊、闇、影を意味し、悪魔あるいは影のグループとも言える。彼らは Fuerzas Especiales Grupo Sombra:特殊部隊グループ・ソンブラを名乗り、FEGSを略称としている)が敵の遺体処理に、調理を意味する “Cocinar”と言う残酷な方法を使っていると報道された。これは以前、残酷で知られたセタスZetasが使っていた方法で、敵の遺体をバラバラにした後、大きなごみ容器や穴を開けたドラム缶に放り込み、ガソリンやディーゼル油を注いで跡形なく焼却したり、または、今は消滅したシナロア系アレラノ・フェリックス・カルテルArellano Felix cartelが行っていたので知られている、酸で遺体を溶かしてしまう方法だ。独特な残酷な手口等やガルフ・カルテルの拡大から見て、分裂していたセタスの一部がガルフ・カルテルに寝返ったのかとも思えるが確認はしていない。参照記事 映像:閲覧注意 過去ブログ:2017年10月米国へのメキシコ麻薬カルテルの進出状況と各組織のボス 9月麻薬組織が溶かして遺棄した300人分の遺骨発見>650人分に  2009年1月邪魔者は、 溶かせ、、。  参考:メキシコの麻薬紛争に関する予備的考察
2021年7月17日:メキシコでは急激に勢力を拡大してメキシコ最大の犯罪組織となったカルテル ハリスコ ヌエバ ヘネラシオン(CJNG)が、老舗の麻薬組織カルテル デ シナロア(CDS)との抗争をメキシコ各地で激化させている。ここ数週間、銃撃戦や待ち伏せ攻撃がチアパス州・ゲレロ州・オアハカ州・ミチョアカン州・タマウリパス州・サカテカス州で頻発しています。これらの州には国家警備隊・軍・警察が増援部隊を派遣していますが、衝突は止まりません。サカテカス州だけでも過去10日間でカルテル デ シナロアとCJNGの銃撃戦で少なくとも51人が殺害され、銃撃戦・虐殺事件・死体の吊り下げ・麻薬横断幕設置・医師や警官などの殺害事件、恐喝・誘拐が多発し、アギリア市では昨年からCJNGが街道を占拠し、住民たちの移動を制限している。参照記事

nappi11 at 01:00│Comments(2) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

コメント

1. Posted by まさ   2020年10月14日 12:18
エルマヨサンバダはどこにいるんですかね?
声も録音されてないし顔もはっきりわからんしマヨは凄いですね
2. Posted by seiiichiro   2020年11月22日 16:53
とても参考になる記事です なかなかメキシコ・カルテルの状況が把握しにくいなかご苦労さまです

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