苦悩に満ちた画家ゴッホが、鮮やかな色で木の幹と根、切り株を描いたのは、フランス・パリ北郊のオーベルシュルオワーズ(Auvers-sur-Oise)にある土手だったことが今回、断定された。この作品が描かれた1890年7月のある暑い日、ゴッホは銃で自殺を図り、村の宿によろめきながら戻ったと言われている。
生涯最後の70日間を過ごした宿「オーベルジュ・ラブー(Auberge Ravoux)」:右 でゴッホの部屋(3階の屋根裏部屋)を管理するファン・ゴッホ研究所のバウター・バンデアベーン(Wouter van der Veen)氏:写真の人物 によると、作品に描かれている根の大半は、その宿からすぐの場所にまだあるという。
今回の発見について、この作品のあるオランダのアムステルダムにあるファン・ゴッホ美術館(Van Gogh Museum)の専門家らも「一つの解釈ではあるが、事実であるように思われる」と支持する考えを示している。ファン・ゴッホ美術館のタイオ・メーデントルプ(Teio Meedendorp)氏は、「ゴッホは人生最後の1週間に制作していたオーベルの城の裏の畑に行くために」この場所をよく通っていたと考えられると話す。
、、、ゴッホは、死去するわずか3か月前にアルル(Arles)近くの精神科の病院から退院したばかりだった。オーベルシュルオワーズ(Auvers-sur-Oise)にはゴッホ(1853~1890)の墓があり、ゴッホに資金的にも支援し続けた弟テオ(1857~1891)の墓も並んでいる。 参照記事 参照記事 過去ブログ:2012年12月ゴッホの書簡と「夜のカフェテラス」 3月ゴッホ、ロンドン時代の家落札される 3月新発見のゴッホの未知の作品とゴッホの最後 フランス