安保理は北朝鮮による核・ミサイル開発に対する措置の一環として、2017年12月に同国の石油精製品の輸入量の上限を年間50万バレルに設定したが、43カ国は安保理北朝鮮制裁委員会に対し、北朝鮮の石油精製品の輸入は、56回の違法タンカーによる密輸で今年1─5月だけで160万バレルを超えたと報告。
北朝鮮は海上で船舶から石油精製品の供給ship-to-ship transfers at seaを受けており、こうした海上の供給は「北朝鮮の精油性製品調達の主要な手段になっている」とした。右のカラー写真は、日本政府が2018年2月に公表したもので、中国タンカーと思われる船が北朝鮮の船に洋上で石油を移している。 参照英文記事 参照英文記事 英文参照記事
その上で43か国は安保理制裁委員会に対し、北朝鮮が上限を上回る輸入を行っていることを示す公式文書を発行し、北朝鮮に対する石油精製品の供給を直ちに停止するよう加盟国に通告するよう求めた。同様の要請は2018年と19年にも行われたが、中国とロシアの反対で実現しなかった。
43カ国は「中国とロシアは1─5月に北朝鮮に合計10万6094.17バレルの石油精製品を供給したと報告しているが、公式統計は北朝鮮に実際に供給された石油精製品の量を大幅に下回っている」とした。北朝鮮の国連代表部からこの件に関するコメントは得られていない。参照記事 英文記事 英文参照記事 過去ブログ:2020年2月国連安保理が北朝鮮の瀬取り等に関する報告書提出