中国司法の闇を描いた「北京のふたり(Red Corner)」という映画は中国国内での上映が禁じられ、同映画に出演:写真左 したギア氏は中国への入国ができなくなった。また、ギア氏は中国共産党のチベット弾圧を長年批判してきたため、ハリウッドにも封殺された。
ギア氏は米上院での証言において、「米国の映画スタジオは中国市場に進出したいがために中国の検閲制度に合わせて、自己検閲制度を発展させた。かつて素晴らしい米国映画は自己検閲制度によりその存在意義を見失わせ、社会問題に良い作用を果たせなくなっている」と指摘した。ハリウッドは以前から膨大な中国映画市場に惹かれ、金銭と独占市場の誘惑に負けて何の抵抗もなく中国共産党の言いなりになった。中国共産党も遠慮なくハリウッドを懐に入れた。
例えば、2012年に中国のワンダ・グループ(万達集団)は26億ドル(約2780億円)で米国の4大映画館チェーンの一つであるAMCシアターズ (AMC Theatres) を買収し、2016年にはもう一つの映画館チェーンカー大手マイクシネマ(Carmike Cinemas)をも買い取った。10年足らずでハリウッドの映画市場は中国投資によってほぼ独占されるようになった。米タイム誌に掲載された2019年のトップ10作品のうち、少なくとも半分の作品には中国資本が含まれている。米業界関係者は2017年、「ハリウッドはもう中国なしでは生きられない時代となってきた」と語った。中国共産党の家臣となったハリウッドは、映画の制作には中国共産党の顔色を伺わなければならず、内容を自己検閲している。監督から、プロデューサー、俳優までみな中国でタブーとされている内容に触れないように気を付けている。
2012年に「若き勇者たち(Red Dawn)」という映画が中国共産党に抗議された後、制作会社MGM(メトロ・ゴールドウィン・メイヤー)はさらに100万ドル(約1億円)を追加し、映画に出てくる中国人の侵略者を全員朝鮮人に変えた(オリジナルの映画は米ソ冷戦中の映画でソ連の侵攻だったが、2012年版では中国が攻めてくる内容が北朝鮮に変更された)。撮影中の映画「トップガン」の続編「トップガン マーヴェリック(Top Gun: Maverick)」では、主演トム・クルーズのフライトスーツにあった日本と台湾の国旗が外された。参照記事
ハリウッドには、中国共産党に媚びを売るような内容を映画に盛り込む監督もいる。英紙ガーディアン(The Guardian)によると、「リンガーズ」という映画のリアン監督が、中国から資金を獲得するために、大量のシーンのロケ地をパリから上海に移したという。一部のハリウッドスターやセレブの言動にも中国共産党寄りの傾向が見られる。米国の議題に対して真っ向から反論している一方で、中国共産党が世界に流すデマや人権弾圧に対しノーコメントである。中共ウイルスが蔓延している間、レディー・ガガは中国寄りのWHO事務局長テドロス・アダノムのことを「本物のスーパースター」と称賛した反面、トランプ大統領をバッシングする長文を投稿した。参照記事