

別の国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)」もこの日に公表した報告書で、当局が1月から9月までの間に当局が多くのシリア難民を強制的に拘束し、国外退去させたことを明らかにし、トルコ国内には現在、内戦を逃れた360万人近いシリア難民が居住。トルコ政府はこうした難民のうち最大200万人をシリア北東部に設ける安全地帯に移住させる考えで、これまでに35万人を超える難民が自主的にシリアに戻ったとしている。だがアムネスティは、自主的にシリアに戻るとする書類に署名するようトルコ警察に強要されたと難民から訴えがあったと報告。「戦争地帯に強制的に送還することで、トルコはシリア難民の生命を危険にさらしている」とした。
トルコ外務省の報道官は同日、トルコは国際法に従い難民に対するあらゆる責任を果たしていると指摘。報告書の主張を「虚偽かつ想像上のもの」とした上で、国際社会はシリア難民の安全な送還促進に向け積極的に取り組む必要があると述べ、別記事では、アムネスティーの申し入れを却下rejectしたと報道された。トルコとロシアは今週、シリア北東部のクルド人民兵組織「人民防衛部隊(YPG)」をトルコ国境から30キロ、シリア側に離れた地点まで退去させ、退去後の「安全地帯」を共同で警備することで合意。トルコ内のシリア難民が「安全で自主的に」シリアに戻れるようにするとした。 ロシアが安全地帯に約300人の警察軍を配備したと10月25日報道されている。 参照記事 英文記事 英文記事 映像:コバーニに入るロシア軍 過去ブログ:2019年10月バーニでの退去と監視始まる 米国はトルコ制裁解除 シリア
一方、エスパー米国防長官は10月25日、過激派組織「イスラム国(IS)」が勢力を拡大し油田を掌握することがないよう、米国がシリアの油田地帯に戦車などを投入し、軍の存在を拡大させると述べた。トランプ大統領がシリアからの米軍の一部撤退を決めたことをきっかけにロシアがこの地域で影響力を拡大させるなどの動きが出ており、エスパー氏のこの日の発言で米国の対シリア政策の混乱ぶりが改めて浮き彫りになった。エスパー氏は北大西洋条約機構(NATO)国防相会議出席のために訪れているブリュッセルで行った記者会見で、「イス
ラム国が油田を掌握しないよう、米国は現在シリアのデリゾールDeir ez Zorでのポジション強化などの措置を取っている」とし、「こうしたポジション強化には機甲化された部隊も含まれる」と述べた。機甲化部隊には通常、戦車などが含まれる。原油埋蔵量の多いデリゾール(Deir
Ezzor、Deir al-Zour)県に位置するオマル(Omar,Al-Omar,Al-Amr)はシリア国内でも最大の油田地帯の1つで、2015年当時、すでにイラクで激戦と虐殺を繰り返していたISの支配下に置かれ、ISの貴重な資金源となっていた。過去には、それを買って輸出しているのがトルコ企業だとういう指摘もあった。 参照記事 過去ブログ:2019年7月今もISの攻撃を受けるガスパイプライン シリア 2018年12月紛争相次ぐデリゾール東岸油田地帯 シリア東部ISの抵抗 2018年2月執拗に油田地帯奪還を試みるシリア軍と進撃のトルコ シリア 2017年11月大国の思惑がぶつかり合うシリアとシリア東部の解放 11月シリア北部2017年11月の戦況 10月シリアクルドも油田地帯の奪還を急ぐ シリア 2月保存記事:ISの盗掘原油の流れ シリア イラク 2016年8月アサドに再接近する死の商人中国 2015年8月戦線離脱兵士の処刑に走るIS シリア 5月米特殊部隊、シリアのIS幹部を襲撃、殺害
トランプ米大統領は10月27日、エクソンモービルExxon Mobil Corporationを含む米石油メジャーにシリアで油田操業を担わせる可能性に言及した。これについて法律やエネルギー業界の専門家からは違法で非倫理的などという批判の声が上がっている。トランプ氏はシリアでの米軍特別部隊による軍事作戦に関する記者会見で「エクソンモービルあるいは他の米国の偉大な企業にシリアで適切な形で事業を担わせ、富を拡散させる可能性を念頭に置いている」と表明した。参照記事
2019年10月27日:ニューズ・ウィークがアメリカ軍関係者などの話として報じたところによると、26日、アメリカ軍がシリア北西部のイドリブ県Idlibで極秘作戦を行い、「イスラム国」の指導者バグダディIS leader Baghdadi 、Abu Bakr al-Baghdadi容疑者を殺害したという。トランプ大統領は1週間前に作戦を承認していたと報じている。 参照記事 英文記事 英文記事 英文記事 過去ブログ:2019年10月イラク・シーア派への爆弾テロ多発 バグダディはシリア西部? 4月IS指導者バグダディがビデオで犯行声明?>政府はISの関与否定 、、、、この後の詳細は ISの指導者バグダディ 米軍の攻撃受けトンネルで自爆 シリア
コメント
シリアから撤退するので、もう不要ということだろうか・・・ひょっとして、イドリブ周辺も近々アサドのものか。不利な証拠は消しておかないと。
なんとなくですが、もう現れないような気がします。賞味期限切れ。必要とあらば、カリフは選挙でいつでも決められる。カリフ制度は素晴らしいという奇人もいるが、神のような独裁者がいれば、ということ。ややこしいのは、その神のような人に好き嫌いがある・・・人間じゃん。
ところで、最近吠えまくっているトルコ大好き研究者は、(シリアへは)自発的帰還以外ありえない、と断言している。駐日トルコ大使館より情報通かも。トルコ教信者・・・