2019年08月19日  環境 自然 商業 経済
hqdefault2019年8月19日:米国コーネル大学の環境学者ロバート・ハワース氏 Robert W. Howarth of Cornell Universityは、米国とカナダがシェールオイル、ガス shale oil,gas 採掘時に用いている水圧破砕法フラッキング:Hydraulic fracturing 又は fracking)は、大量のメタン Methaneを空気中に放出し、二酸化炭素よりも大きな温室効果greenhouse effectをもつことを発見したとの研究結果を公表した。現在一般的に「地球温暖化」( global warming)においては、同効果が主な原因とされている。
2fd0e489-s開発が先行したシェールガスshale gas採掘の結果、シェール(頁岩:けつがん)開発水圧破砕法(フラッキング:Hydraulic fracturing 又は fracking)が発達し、今まで手付かずだったシェールオイルの採掘での応用で米国の原油生産が急増し、現在米国は原油輸出国へ変貌した。
Screenshot(6)一方で開発当初から、フラッキングの危険性は多くの研究者、環境保護活動家などから地下水への汚染や地震の発生を含め指摘されていた。 参照記事 過去ブログ:2013年1月2017年?には米国は世界最大の産油国 米国 2012年9月オノ・ヨーコ氏らシェールガスに反対行動と日本の輸入 米国 2012年5月シェールガス(shale gas):抜粋資料記事 2010年11月:シェールガスの危険性 米国
469b2335-sシェールオイルは地下深部にあり、採掘にはオイル層岩盤を水で破砕する技術が用いられる。強力ポンプステーションにより高圧で水、砂、化学物質の混合物を掘削井に注入する。シェールオイル生産はより効率が高く、比較的コストも低いが、結果、オイル層は破砕され、形成された亀裂から表面にガスが押し出され、石油も「絞り出される」。水圧破砕法で使用される化学物質は飲料水源に入り、近郊の住民や動物の疾病リスクの増大を招いている。

研究者らは、空気中のメタン濃度は20世紀の後半数十年で急激に増加し、その後増加はストップしたと指摘する。新たな転換期は2008年から2014年の間で、アメリカとカナダがシェールオイル・ガスの生産を活発化した頃だ。まさにこのような観察が、ハワード氏が強力な温室効果ガスとしてのシェールオイル、ガス採掘に注目するきっかけとなったのである。学術誌Biogeosciencesに掲載された論文によると、ロバート・ハワード氏は、21世紀に空気中に放出されたメタンは、地球の生物圏により自然に生産される量を超えており、その2/3はシェール資源生産によるものだと結論付けている。参照記事:国連:温室効果ガス排出量、記録的な水準に達する

bigmap2005年から2015年にかけて、水圧破砕法による世界のシェールオイル生産量は、310億立法メートルから4350億立法メートルに増加した。そのうち89%をアメリカ、10%をカナダが占めている。米国エネルギー省は、2040年までに同国シェールオイル生産量は、年間1500億立方メートルまで増加すると予測している。現在世界で、米国とカナダが、シェールガス、オイルの商業的利用を目的に採掘を推進している。 参照記事 英文記事:Fracking in U.S. And Canada Linked to Worldwide Atmospheric Methane Spike(米、カナダのフラッキングは世界の大気メタン上昇に関係している) 英語映像:The Role of Shale Gas Development in the Global Methane Cycle - 3.1.19 - Howarth(シェールガス開発の世界規模のメタンへの影響)右下は、2014年の記事から、シェールガス、オイルの埋蔵量が確認された場所(赤)と存在が推定される場所。日本でも試験的な採掘が進んでいる。



nappi11 at 06:03│Comments(1) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

コメント

1. Posted by ん   2019年09月04日 00:41
さーて、原発や石炭の悪口ばっか言ってる天然ガス信者はどんな反応するかなー。

(別にガス業者が悪いと言ってるわけではないですよ、もちろん。)

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