BDEE7B13-6CE7-4945-9742-5EDD3DB5E8F6_cx0_cy4_cw0_w1023_r1_s米国は2019年4月26日、アフガニスタンで進める交渉において鍵となる、旧支配勢力タリバン(Taliban)が外国の過激派を受け入れないことへの見返りとして、外国軍を撤退させるという3国間和平合意案について、ロシアと中国の支持を取り付けたとの合意文書が米国務省から発行された。(Joint Statement on Trilateral Meeting on Afghan Peace Process

 タリバンとの新たな協議を控えた米国のザルメイ・ハリルザド(Zalmay Khalilzad)アフガニスタン和平担当特別代表:右 は、ロシアおよび中国の代表者とモスクワで会談。今回の合意は、アフガンでの紛争終結に向けた試みにおける「節目」となると評した。共同声明は、「アフガン主導の包括的な」和平プロセス "inclusive Afghan-led" peace processと、最終的な合意に盛り込まれることScreen-Shot-2018-09-13-at-3.05.54-PMになる事項を大枠で示すよう求めている。右 図は2018年9月のもので、米軍の図でタリバン影響下の地域(支配地、係争地)は全国土の44%、右のタリバン側の図では61%となっている。

74435bdd左は、最近2019年3月に使われた、タリバン、ISの支配地域の色分けで、右の米軍の図に近い。

 米国務省は声明で、「和平プロセスの一環として、3者共にアフガニスタンからの秩序ある、責任ある撤退を求めている"The three sides call for an orderly and responsible withdrawal of foreign troops from Afghanistan as part of the overall peace process," 」と述べた。同省はタリバンについて、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」との戦いに取り組んでおり、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)との関係も断ったと述べた。各国からの部隊の撤退前に、タリバンは、これまで傀儡政権とし協議を拒否していたアフガン政府とも協議することに同意し、撤退後に確保、管理する_46461580_afghanistan_troops4_466地域が他国の脅威にならない事を約束した Taliban promised to "ensure the areas they control will not be used to threaten any other country."。

国際治安支援部隊(International Security Assistance ForceISAF)は2014年末で任務を終了した(2001~2014年でISAF要員3485人が犠牲になった)が、2015年1月1日から米軍は現在も、NATO軍の任務として、タリバン、ISやアルカイダなどイスラム過激派に対抗するアフガン治安軍への支援、教練名目で約14000人を駐留させている。左図は、2009年9月時点での各国のISAF部隊配置状況。 参照記事 英文記事 英文記事 、、、今後ISなどがこれにどう従うのか、タリバンとアフガン政府は折り合いがつくのかが注目される。また、シリアからの帰還兵や帰国する海外からの難民、移民の問題もあり、アフガンの前途は多難だ。 過去ブログ:2019年4月タリバンが「春の攻勢」開始を表明 アフガン 4月アフガンの新たな問題 シリア帰還兵 4月今年も不要なランドセルをアフガンの子供達へと和平協議 4月アフガンのタリバンが攻撃を活発化と部族問題 2月それから30年のアフガニスタンと繰り返される米露の介入、撤退 2月アフガン北部で戦闘 58人死亡 終了した和平協議の成果は?

5ccc0c44574c12019年5月13日:首都カブールで4月29日~5月3日に開催されたロヤ・ジルガloya jirgaには、全国の部族長やイスラム法学者約3200人が出席。ロヤ・ジルガはアフガンの伝統的な意思決定会議で、タリバン政権崩壊後の2002年のカルザイ大統領(当時)選出、04年の新憲法採択などの際に開催され、国民統合の象徴として重要な役割を果たした経緯がある。2004年施行の現行アフガニスタン憲法では、ロヤ・ジルガは二院制の国民議会(国会に相当)より更に上位の機関として位置づけられ、国家主権、安全保障、憲法改正、反乱の鎮圧、甚大な自然災害への対処など、国家の最重要事項に関する最終的な意思決定機関となっている。

ガニ大統領は、タリバンと米国の交渉が進んでいた今年2月、和平機運を高めるため、権威を持つロヤ・ジルガの6年ぶりの開催を呼び掛けた。ただ、ガニ政権を米国のかいらいと見なすタリバンは拒否し、ガニ氏の思惑は失敗に終わった。ロヤ・ジルガでは「平和は(政府とタリバンの)直接協議を通じてもたらされるべきだ」と決議し、アフガン政府との協議を拒むタリバンに改めて譲歩を迫るに留まった。現在米、タリバンの交渉も停滞しており、早い時期にアフガン撤兵をしたいトランプ政権に不満が募っている。参照記事

20190402world-jpp031017639、、、トランプ米大統領は、2018年12月の演説で「米国は世界の警察であり続けることはできない」と在外米軍縮小の方針を示したが、はたしてそれは正論か?

理由はどうであれ、世界人類の核軍縮への希望を無視して核や大量の兵器を持ち続けるその横柄で不遜な態度の対価として、米国は「世界の警察であり続けなければならない」。世界は望まないのに、中露対米、中対米の二極化へ向かっている。此のことが多くの紛争や軍備競争の原因となっていることからも、大国は紛争の拡大と平和解決、安定へ向けて心血を注ぐ義務がある。たとえ大国が経済的な面だけだとしても、そこに至るまでに各国が消費者という客で在った事が大きな要因であり、儲けたから後は知らんでは客に対して横柄でわがまま過ぎるだろう。先進国の中でこう言えるのは、武器を売らない日本くらいだろう。



nappi11 at 03:00│Comments(1) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

コメント

1. Posted by 甲東   2019年04月29日 17:57
アメリカにとっては、撤退のアリバイ作りのようなもの。

アドナン・ラシードというTTPメンバーが、銃撃後のマララに手紙を書いたとされている。mitzubishi.hatenadiary.org/entries/2014/10/14
彼が言うような世界に私は住みたくないが、所々言いたいことは理解できる。
しかし、タリバンは価値観の違う人間をどの様に受け入れるのだろう。極論すれば、政権が変わる度に共産主義から自由主義まで振れる国・・・あり得ない。そこが一番の難題。
トランプにとっては知ったことではない・・・

コメントする

名前
メール
URL
絵文字