d7cfe78261cbb9c72019年2月26日:イラン南東部のチャバハル、チャバハール Chabahar Port(チャーバハール Chahbahar)港はインド洋と内陸国のアフガニスタンや中央アジアを結ぶ輸送ルート上にあり、インドが貿易面だけでなく戦略的にも極めて重要だとして多額の投資を行っているほか、日本も計画づくりに参加するなど国際的な枠組みで整備が進められている。
港は去年から一部で稼働を始め、イラン政府は2019年2月25日、国内外のメディアを招待しコンテナ用のクレーンなどが並ぶ港の様子を公開した。イランに対しては2018年、アメリカのトランプ政権が経済制裁を発動して圧力を強化しているが、チャバハル港は重要な輸送ルート上にあることなどから制裁が免除された。
tans-chabaharport-991-1497084131港の運営責任者は「海上の交通量を増やし、周辺国との玄関口としての役割を果たしていきたい」と話し、今後の発展に期待を示した。イラン政府は2月26日に開かれるセミナーで関係国の政府関係者に対しさらなる投資を呼びかけることにしていて、アメリカが圧力を強化する中でも各国との連携が進んでいることをアピールするねらいがあるとみられる。
中国がすでに「一帯一路」構想:上右 の中で、パキスタン南部のグワダル港Gwadarの使用権を取得していることで、これに対抗するインドが積極的に開発に参加しているチャバハル港からは、アフガンの資源開発にも重要な意味を持っている。また、貨物を中継、集積できる港湾が整備されることで、中央アジア内陸部とインド洋間の鉄路でのコンテナ輸送が活発化し、日本の海上輸送にとってもメリットがある。
Screenshot(1)また鉄鋼、自動車製造など、製造業を育成しているイランにとっても、インド向けの輸出入港をインド洋に持つことの意味は大きく、すでに2017年9月に、日本、イラン、インドの3カ国で、これに関する会談が行われている。イランは2017年までに300万人のアフガン難民を受け入れるなど、積極的にアフガンを支援していることから、アフガン復興に対しても今後更に大きな意味をもつだろう。右の、イランのロウハニ大統領Hassan Rouhaniが港に立つ姿からも、イランの国策として大きな意味を持つことが感じられる。港の周辺地域は工業地帯としての開発も行われ、日本の役割も期待されている。 参照記事 英文記事
過去ブログ:2019年1月2018年11月のカラチの中国領事館襲撃にインド情報部関与? 2018年10月頓挫したか?パキスタンでの高速鉄道計画 一帯一路はアフリカへ 2月インド イランと経済合意、オマーンと軍事協力取り交わす 2017年9月日本、イラン、インドを結ぶ経済圏の勃興
645x400-irans-foreign-minister-zarif-resigns-1551126038011イランのザリフ外相 Iran's foreign minister Mohammad Javad Zarif は2019年2月25日、インスタグラムに「職務を続けられず、在任中の全ての欠点を謝りたい」などと投稿し、突如辞意を表明し、イラン外務省当局者も内容を確認した。だが、ロウハニ大統領が辞任を認めたかどうかは明らかになっていない。ロハニ政権と対立する保守強硬派の圧力が強まり、自ら交渉役を担った2015年のイラン核合意の維持が困難になっていると判断したとみられる。辞任すれば、イランの核開発に対する懸念が再燃する可能性がある。

ロウハニ政権下では2018年7月に中央銀行総裁が交代したほか、米国の対イラン制裁が再発動された同8月には大統領の盟友だった労働相や経済財務相が相次いで弾劾決議を受けて失職に追い込まれた。通貨の暴落や物価高騰などで経済の苦境が深まり、ロウハニ政権への批判が渦巻く中で、対外的な顔でもある外相の辞任は政権へのさらなる痛手となりそうだ。

ザリフ氏は国連大使などを歴任後、2013年に初当選した保守穏健派のロウハニ大統領の下で同年8月に外相に就任。流ちょうな英語を話す国際派として知られ、2015年には欧米やロシアなど主要6カ国とのイラン核合意交渉をまとめ上げた。  突然の辞意表明の理由は不明。ただ、ロイター通信によれば、イラン敵視のトランプ米政権が2018年5月に核合意から一方的に離脱した後は、反米保守強硬派から批判にさらされていたという。参照記事 参照記事 英文記事

2019年2月28日:突然辞意を表明していたイランのザリフ外相が27日、辞意を撤回し、職務を続ける考えを示した。その後、国会議員らがザリフ氏の留任を要請。ロウハニ大統領も27日、「辞任を受け入れることは国益に反する」として、認めない考えを示していた。参照記事



nappi11 at 06:20│Comments(3) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

コメント

1. Posted by 甲東   2019年02月27日 07:53
つい最近も、インド向け輸出品(果物類)をトラックでチャバハルまで運んでいました。一昨年の輸出総額は1000億円あるやなしやで、インド、パキスタンが半々のようです。他国への輸出は無きに等しい。勿論、正規の輸出ですが。
2. Posted by 甲東   2019年02月27日 10:01
イランのPars todayが言うには、チャバハル港経由のインドへの輸出は今回が初めてと。コンテナ23個分。量はほんのちょっとですが、アフガンにとっては大きな一歩かも。

何故か、イラン、トルコにはザリフ元外相クラスの人材が結構います。ラブロフにも負けない。主義主張の中身は別にして、世界を見た教育がしっかりしているのでしょうね。イギリスにいじめられたから・・・
3. Posted by 甲東   2019年02月28日 12:23
恐らく、ソレイマーニが独断専行でアサドをハメネイに引き合わせたのでしょう。ザーリフの日頃の鬱憤が爆発・・・元の鞘に収まるようですが、余り派手にやるとしこりが残る。
でも、余程急な相談事があったのでしょうね。イドリブ奪還が本格化でしょうか。

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