
ブラジル、ミナスジェライス州ブルマジーニョ Brumadinho, Minas Geraisに近い鉱滓(こうさい)ダム決壊事故発生2019年1月25日から5日目の29日、ダム所有者のヴァーレVALE社(社長:ファビオ・シュヴァルツマン氏,Vale CEO Fabio Schvartman)は、崩壊したダムと同じ工法で建てられた全てのダムを廃止し、それらのダムに近い鉱区での採掘も中止する事を決めたと、1月30日付現地各紙が報じている。映像:下流域など
今回決壊したダムは、2015年11月に19人が死亡したマリアーナ
ヴァーレ社社長のファビオ・シュヴァルツマン氏は、ベント・アルブケルケ鉱山動力相、リカルド・サレス環境相らとの会合後、積み上げ式ダムの廃止を発表した。同社長は、現在も残っている積み上げ式鉱滓ダムは10基で、全てミナス州内にある事、これら10基の中には新たに鉱滓を受け入れていたダムは一つもない事を明言した。
同社はマリアーナMarianaでの事故(The Mariana mining disaster:写真左)以降、積み上げ式鉱滓ダムを段階的に廃止する方針だったが、ブルマジーニョでも事故が発生したせいで計画を前倒しし、今後1~3年で廃止する事にした。現在、国内には2万4千基以上のダムがあり、その内790基が鉱滓ダムだ。連邦政府は29日、決壊の危険性が高い、または決壊した場合の被害が大きいダム3386基を国家機関が監査すると発表した。この内の205基は鉱滓ダム(積み上げ式は70基)で、これらが最優先で監査される。だが、鉱滓ダムの管理を担当する国家鉱業庁(ANM)には監査官が35人しかおらず、早急に監査を終えるのは困難だ。同日、ヴァーレの職員3人と請け負い業者の2人が逮捕され、リオデジャネイロにあるヴァーレ本社には、2015年の事故の教訓が生かされなかったとして抗議のデモが起きている。

事故現場周辺では、事故発生から6日目の30日も救出作業が続いている。同日昼過ぎまでに確認された死者は84人、その内身元が判明したのは67人、救出された生存者は192人、所在や無事が確認されたのは391人で、行方不明者は276人を数えるが絶望視されている。流れ出した鉱滓は有毒なため、河川の魚介類は死滅し、広範囲に環境破壊が起きる。 参照記事 参照記事 英文記事 英文記事ミナスジェライス州政府は現地1月31日、資源大手バーレ社が所有する鉱山ダムの決壊事故の死者が110人、行方不明者が238人になったと発表した。参照記事

2019年2月1日:ミナス州の保健局(SES)、環境局(Semed)、農牧供給局(Seapa)が1月30日に連名で、ブルマジーニョのダム決壊事故により流出した鉱滓(鉱物採掘過程で出る有害な汚泥)が流れこんだパラオペバ川Paraopeba river の水を飲んだり、触れたり、川の水を使って作った農作物を食べたりして、吐き気、かゆみ、下痢、めまいなどの症状が出た人は近くの保健機関に報告するようにとの警告を出したと、1月31日付現地紙・サイトが報じている。

地元当局は、事故当日の1月25日から29日にかけて水質検査を行った。それによると、基準値の21倍の濃度の鉛と水銀が検出されたという。また、1月26日に別の観測点で行った検査でも、ニッケル、鉛、カドミウム、亜鉛が検出されている。 参照記事2019年2月2日:ダム決壊の瞬間の映像が公開された。その後の報道で、2018年の時点で、ダム決壊の可能性を把握していたと確認された。参照記事 Liveleak映像
2019年2月5日:ブラジル南東部で先月25日に発生した鉱山ダムの決壊事故について、当局は4日、死者数が134人に増え、依然199人が行方不明だと発表した。行方不明者名簿に記載されている人々の生存も絶望視されている。しかもダム決壊時に流出した排泥の層の下に埋もれていることから、位置の特定にも至っていない。 消防当局は、全員を見つけ出して収容できない恐れもあるという懸念を示している。参照記事
2019年2月8日:死者は157人、行方不明者少なくても182人と報道された。参照記事
2019年2月13日:死者165人、不明155人と報道された。川が汚染され、付近の原住民が食料も飲み水も入手できない状態と報告されている。
ミナス州政府機関である州環境財団は、州内には400もの放置ダムがあると公にしていた。ミナス州で最も危険度の高いダムは、ベロ・オリゾンテから南東30キロ離れたリオ・アシーマ市にある。このダムを管理していたミンド・ミネラソン社は、6年以上前に倒産し、その後一切のダム管理活動を行っていない。放置されたダムには、今でも水が張り「汚染水、使用禁止」の看板が立っているだけだ。調べでは、決壊したダムよりも危険度の高いダムは、州内にさらに二つあり、ミナス州検察局は神経を尖らせている。 参照記事 参照記事 英文記事

