2018年10月29日:現地28日に行われたブラジル大統領選の決選投票で、ポピュリスト(大衆迎合)的な姿勢と過激な発言で「ブラジルのトランプ」と呼ばれる極右のジャイル・ボルソナロ Jair Bolsonaro 氏63歳 が勝利を収めた。選挙管理当局によると、開票率94・44%での得票率はボルソナロ氏が55・54%、アダジ氏が44・46%。収賄罪で収監され立候補できなかった左派労働党(PT)の元大統領、ルラ被告の代替候補として出馬したアダジ氏は、補助金拡大などバラマキ的政策でルラ被告の人気が高い低所得層の支持を期待したが伸びず、同党の汚職イメージも響いた。過去ブログ:2018年10月ブラジルで「極右旋風」が吹き荒れる>ボルソナロ大統領誕生
彼は現地2018年9月6日、同国南東部での選挙活動中にナイフで腹部を刺され、内臓に達する重傷を負ったが選挙戦に復帰した。過去ブログ:2018年9月有力極右派大統領候補刺される ブラジル
10月7日の第1回投票では有効投票の過半数を獲得した候補がおらず、1位だったボルソナロ氏と2位だったアダジ氏が決選投票に進んだ。新大統領の就任日は来年2019年1月1日で任期は4年。元軍人で過去の軍事政権を称賛しており、刑法の強化や国民の銃所有、元軍人の閣僚登用などによる治安の回復を提唱、拷問を容認する発言もしている。また、市場開放や国営企業の民営化など構造改革の推進を主張している。南米全体の経済不況から、ブラジルへの不法入国も増えており、問題は山積している。 参照記事 過去ブログ:2018年10月凶悪犯罪急増のブラジルで現金強奪事件の一味6人死亡 5月南米各国で政権交代の動きと民族主義の台頭 3月植林の重要性 ブラジル