2018年10月26日:トランプ大統領と共和党は、不法移民問題を2018年11月の中間選挙の重大争点の一つとしており、支持層に対策強化をアピールする狙いがあるとみられ、ツイッターに「国家の非常事態に対応するために軍隊を動員する。移民集団Migrant Caravan は阻止される!」と投稿した。
米国土安全保障省(DHS)のニールセン長官はインタビューで、国境警備体制を強化するため、国防総省に支援を要請したと明らかにした。マティス国防長官が派遣を承認するかどうかを近く決定するという。政府当局者によると、国防総省への要請は800─1000人の実戦部隊を投入する規模となる可能性がある。メキシコ国境には既に州兵約2千人が国境警備強化の目的で動員されている。
米国の法律で米兵は一般的に国内での警察権行使が認められていない。当局者によると、米兵はバリケードやフェンス設置、国境警備要員の輸送、医療活動、テントの設置など後方支援にあたるとみられる。国防総省は、具体的にどのような支援が必要かなどをDHSと協議していると説明した。
中米では貧困や暴力から逃れようと女性や子供も含む多くの人々が米国との国境に向けて移動。25日早朝、メキシコ南部のマパステペックMapastepecに約5300人が到着しているとされるが、メキシコ当局は4000人未満としている。これに続き、1000人以上からなる別の集団がグアテマラGuatemalaを出発しているとの報道や、集団は1万人に達するだろうとの記事も在る。集団が次に目指すのは、約40キロ離れた ピヒヒアパンPijijipiapan (Mexican state of Chiapas)とされる。トランプ氏は米国時間2018年10月25日ツイッターに「移動集団は引き返せ。米国への不法入国は認めない。国に帰れ。もし入国したいなら、他の何百万という人と同じように市民権を申請しろ!」と投稿した。右図は、キャラバンの時間経過と移動方向。 参照記事 参照記事 参照記事 参照記事 参照記事
2018年10月29日:米国を目指す約2千~3千人の移民キャラバン(集団)の一部が29日、グアテマラ南西部テクンウマンTecun Umanから川を渡り、メキシコ南部チアパス州に入った。幾つもの集団が米国を目指しており、同地域には10月20日ころから集団が集まりだしたようだ。 参照記事
28日には、中米ホンジュラスから米国を目指す約2千人の移民キャラバン(集団)がテクンウマンの橋からメキシコ入国を試みた。メキシコ当局は大量の警官を配備し国境の橋を封鎖、ゴム弾を発射し、頭に当たった移民の男性が死亡した。メキシコに渡ってきた人々を一時拘束、事情を聴くなど混乱が続いている。
メキシコのメディアなどによると、同国のナバレテ内相は、記者団に「キャラバンに武器を持った犯罪グループが入り込んでいるとグアテマラから報告を受けた」と話し、警備強化したことを明らかにした。正当な理由がある移民は入境を認めるとも述べた。
衝突したのは、ホンジュラスからの第2弾とされる移民集団。メキシコ当局はゴム弾発砲に問題はないとの認識を強調。移民の一部は銃や火炎瓶を所持しており、警官数人が負傷したという。集団はグアテマラの国境近くに数日前から集結し、メキシコ側は国境に架かる橋を閉鎖するなど警備を強化していた。英文記事 参照記事
2018年11月5日:中米から米国を目指す移民集団の一部がメキシコシティに着き始めた。3日夜から4日の日中にかけて数百人がバスなどを使って到着。市が用意した収容場所などで食事や医療の提供を受けている。4千~5千人規模の第1集団の残りも週内にはメキシコシティ入りし、数日間の休憩後に再び北上を続けるとみられる。メキシコシティは市内にある複合運動施設のサッカー場内に仮設の宿泊施設を整備し、移民を収容する計画だ。到着した移民は用意された簡単な食事をとっているほか、宿泊施設の完成を待ちながら、サッカー場の観客席で横になるなどして休憩している。10月31日にはエルサルバドルの首都サンサルバドルから新たに移民約2000人が出発したと報じられ、複数の集団が中米からアメリカを目指している。北上を続けている移民キャラバンは、当初出発したホンジュラスで160人だったのが、最大で7000人を超えている。米国は最大で1万5千人規模で国境警備をし、入国を阻止する準備をしている。参照記事 参照記事