2018年10月26日:過去ブログ:2018年8月独自の越境軍事作戦を強行するトルコへ米国が不満を表明
の記事以降、トルコの、イラク北部、クルド自治国家KRG(Kurdistan Regional Government)領内にあるカンディル山岳地帯 Qandil(Kandil) Mountainsへの侵攻状況について書く機会が無かったが、2018年10月23日のトルコ側からの記事 で、その地域にあるSidekan region地区の山岳地でのクルドPKK:クルド労働者党傘下の軍事組織:人民防衛隊(People's Defense Forces :HPG)のトルコ兵への攻撃が映像つきで紹介されている。映像:PKK兵士のトルコ兵への地上攻撃(残酷な場面含みます)
左の写真は、山岳地でクルド兵HPGがトルコ兵との接近戦で手りゅう弾を投げた瞬間の映像からの画像で、互いに数メートルの距離で戦っている。この事は、トルコがイラク北部KRG自治国家地域内に依然として兵を配備し、PKK側と戦闘を継続している事を示している。画像で背中を見せているのがAsker:兵士で、攻撃するクルド側をGuerrillas:ゲリラ(不正規兵)と書いている。この戦闘でトルコ兵士、指揮官クラス8人が殺害されたと書かれている。HPG側の記事をトルコ側が引用している。トルコ側の無人機攻撃の映像
イラク・クルド政府(イラク全土に向けた政府)が行った2018年9月30日の総選挙では、クルド自治政府内のクルド住民600万人の内、登録有権者300万人以上が投票したが投票率はおよそ57パーセントで、前回の70%台の投票率から見て、クルド人の中に自治政府、中央政府への不信が広がっているといわれる。政治不信の原因には、イラク中央政府に武力と政治的締め付けでクルドの独立を阻止され、キルクークKirkuk地域の多くの石油利権を失った事があるとされる。イラク全体では、中央政府の経済政策などへの不満から、イラク南部バスラBasraで反政府デモも起きている。 過去ブログ:2018年7月イラク政府への抗議デモ拡大の恐れとイランとの関係
選挙で自治区内で躍進したクルディスタン民主党(KDP)は45%の票を獲得したにもかかわらず、イラク連邦大統領選挙では19%のクルディスタン愛国同盟(英:PUK、クルド:KYB)に破れ、クルディスタン愛国同盟推薦のバルハム・サリフBarham Salih氏:左端 が新イラク連邦政府大統領になる結果を招き(歴史的にイラクの大統領はクルド人から選出)、クルドの統一と中央政府との一体性の維持や同国の安定の確保の観点から先行きに不安が在るといわれ、また、クルディスタン民主党が今後、国内政治でクルディスタン愛国同盟に対してより強力で厳しい対応を採る可能性があると言われる。
また、クルディスタン愛国同盟とテロ組織PKK間の関係が比較的良好である一方、テロ組織PKKとクルディスタン民主党間KDPとの関係は比較的劣悪だと言われている。
そんな中、トルコがテロ対策に関連してイラク北部で進めている軍事作戦は、分離主義テロ組織PKKがイラク北部を経由してトルコに侵入するのを阻止しようとするもので、トルコがイラク北部でテロ組織PKKに対して進めている戦いは、クルディスタン民主党が選挙に勝利したことによってより一層強化される可能性がある。
別な懸念として、PKKが今後、クルド地域の反政府運動に便乗して、クルディスタン民主党へ圧力を掛ければ、クルド地域内でKDPとKYBが、より険悪な状況になる可能性もある。
トルコはモースル北部Bashiqahに部隊を配備していることから、トルコを警戒するクルド系ヤジーディ族 (Yazidi Kurds:Bashik)民兵、女性兵士を含むPKK/YPGはSinjarで兵員を増強し、これを米軍が支援しているとの憶測記事もある。またトルコが越境してイラク北部のPKKに対する空爆を現在も継続している事には、イラク側は難色を示すもトルコに中止の意思は見えない。 依然としてイラク内では散発的なISの攻撃が起きており、一部にはIS復活の兆しもあるとの観測も出ている。25日の記事では米国が、ISがシリアやイラクの住民の反政府意識を煽るため、水道や発電施設への破壊工作をしていると警告したと報じている。 参照記事 参照記事 参照記事 参照記事 過去ブログ:2018年10月追記:イラク国政選挙で反イラン・サドル師勝利>クルド人新大統領選出 2017年10月欲を出したクルドKRG>国民投票結果を凍結し、対話路線に変更、 2017年10月勢力図に見る問題点と消えたIS イラク軍とクルド軍戦闘へ 2015年9月:シリア イラクのカオス
2018年10月25日(現地時間),アーデル・アブドル・マハディー( Dr. Adel Abdul-Mahdi、Adil Abdul-Mahdi)イラク共和国首相候補が国民議会に提出した閣僚名簿のうち14閣僚が承認され,アブドル・マハディー首相を首班とする新内閣が発足した。残る閣僚(国防相,内相他)は11月6日の国会審議で信任に付される予定。参照記事
の記事以降、トルコの、イラク北部、クルド自治国家KRG(Kurdistan Regional Government)領内にあるカンディル山岳地帯 Qandil(Kandil) Mountainsへの侵攻状況について書く機会が無かったが、2018年10月23日のトルコ側からの記事 で、その地域にあるSidekan region地区の山岳地でのクルドPKK:クルド労働者党傘下の軍事組織:人民防衛隊(People's Defense Forces :HPG)のトルコ兵への攻撃が映像つきで紹介されている。映像:PKK兵士のトルコ兵への地上攻撃(残酷な場面含みます)
左の写真は、山岳地でクルド兵HPGがトルコ兵との接近戦で手りゅう弾を投げた瞬間の映像からの画像で、互いに数メートルの距離で戦っている。この事は、トルコがイラク北部KRG自治国家地域内に依然として兵を配備し、PKK側と戦闘を継続している事を示している。画像で背中を見せているのがAsker:兵士で、攻撃するクルド側をGuerrillas:ゲリラ(不正規兵)と書いている。この戦闘でトルコ兵士、指揮官クラス8人が殺害されたと書かれている。HPG側の記事をトルコ側が引用している。トルコ側の無人機攻撃の映像
イラク・クルド政府(イラク全土に向けた政府)が行った2018年9月30日の総選挙では、クルド自治政府内のクルド住民600万人の内、登録有権者300万人以上が投票したが投票率はおよそ57パーセントで、前回の70%台の投票率から見て、クルド人の中に自治政府、中央政府への不信が広がっているといわれる。政治不信の原因には、イラク中央政府に武力と政治的締め付けでクルドの独立を阻止され、キルクークKirkuk地域の多くの石油利権を失った事があるとされる。イラク全体では、中央政府の経済政策などへの不満から、イラク南部バスラBasraで反政府デモも起きている。 過去ブログ:2018年7月イラク政府への抗議デモ拡大の恐れとイランとの関係
選挙で自治区内で躍進したクルディスタン民主党(KDP)は45%の票を獲得したにもかかわらず、イラク連邦大統領選挙では19%のクルディスタン愛国同盟(英:PUK、クルド:KYB)に破れ、クルディスタン愛国同盟推薦のバルハム・サリフBarham Salih氏:左端 が新イラク連邦政府大統領になる結果を招き(歴史的にイラクの大統領はクルド人から選出)、クルドの統一と中央政府との一体性の維持や同国の安定の確保の観点から先行きに不安が在るといわれ、また、クルディスタン民主党が今後、国内政治でクルディスタン愛国同盟に対してより強力で厳しい対応を採る可能性があると言われる。
また、クルディスタン愛国同盟とテロ組織PKK間の関係が比較的良好である一方、テロ組織PKKとクルディスタン民主党間KDPとの関係は比較的劣悪だと言われている。
そんな中、トルコがテロ対策に関連してイラク北部で進めている軍事作戦は、分離主義テロ組織PKKがイラク北部を経由してトルコに侵入するのを阻止しようとするもので、トルコがイラク北部でテロ組織PKKに対して進めている戦いは、クルディスタン民主党が選挙に勝利したことによってより一層強化される可能性がある。
別な懸念として、PKKが今後、クルド地域の反政府運動に便乗して、クルディスタン民主党へ圧力を掛ければ、クルド地域内でKDPとKYBが、より険悪な状況になる可能性もある。
トルコはモースル北部Bashiqahに部隊を配備していることから、トルコを警戒するクルド系ヤジーディ族 (Yazidi Kurds:Bashik)民兵、女性兵士を含むPKK/YPGはSinjarで兵員を増強し、これを米軍が支援しているとの憶測記事もある。またトルコが越境してイラク北部のPKKに対する空爆を現在も継続している事には、イラク側は難色を示すもトルコに中止の意思は見えない。 依然としてイラク内では散発的なISの攻撃が起きており、一部にはIS復活の兆しもあるとの観測も出ている。25日の記事では米国が、ISがシリアやイラクの住民の反政府意識を煽るため、水道や発電施設への破壊工作をしていると警告したと報じている。 参照記事 参照記事 参照記事 参照記事 過去ブログ:2018年10月追記:イラク国政選挙で反イラン・サドル師勝利>クルド人新大統領選出 2017年10月欲を出したクルドKRG>国民投票結果を凍結し、対話路線に変更、 2017年10月勢力図に見る問題点と消えたIS イラク軍とクルド軍戦闘へ 2015年9月:シリア イラクのカオス
2018年10月25日(現地時間),アーデル・アブドル・マハディー( Dr. Adel Abdul-Mahdi、Adil Abdul-Mahdi)イラク共和国首相候補が国民議会に提出した閣僚名簿のうち14閣僚が承認され,アブドル・マハディー首相を首班とする新内閣が発足した。残る閣僚(国防相,内相他)は11月6日の国会審議で信任に付される予定。参照記事
有志連合、シリアのクルドが連日猛攻を加えている様だが。イランもミサイルをぶち込んだ。当初は、行き場のない外人部隊の必死の抵抗かと思っていたが、余りに長い。どんな茶番が起こっているのだろう。ISがいなくなるとアメリカの存在理由がほぼ無くなるか・・・