2018年05月26日  犯罪 欧州 EU
42104835_303ドイツで難民受け入れの可否を判断する出先機関で、職員らが賄賂を受け取り、犯罪歴などで本来受け入れられない難民に滞在許可を与える不正が大規模に行われていた疑いが強まっている。独紙ビルト(電子版)は2018年5月22日、検察が捜査を拡大し、当局トップを新たに対象としたと報じた。
43862910_304今回捜査対象となったのはドイツ連邦移民・難民庁 German Federal Office for Migration and Refugees' (BAMF) のコルト Jutta Cordt長官:左 と幹部3人で、不正を把握しながら公表しなかった疑いがあるという。
検察は2018年4月、北部ブレーメンBremenの同庁出先機関で、2013~16年に少なくとも1200件の不正が疑われる難民認定があったとして、収賄などの容疑で、出先機関幹部や難民認定申請 の補助を行った弁護士ら6人に対する捜査を始めた。 独誌シュピーゲルによると、不正に認定を受けた疑いのある難民の中には、過激派組織「イスラム国」(IS)とのつながりが疑われ、認定後にシリアに出国したとみられる人物も含まれているという。参照記事 英文記事

*翻訳元記事内では「難民申請Refugee Application、または難民認定Refugee Decision」が「亡命申請Asylum Application、または亡命認定Asylum Decision」に同義語として使われていますが、英文記事から判断して、筆者はこの事件では「亡命認定Asylum Decision」に対する不正容疑と表記するのがより正確かと思われます。基本的に難民または移民申請は、当該国へ入国前の国で行なわれると把握しています。またブレーメンでの不正は、2000年からだと、約18000件の賄賂受領による不正が行なわれた可能性が言われている。BAMFによれば、2014年から2016年にかけて、ドイツでは約100万件の「亡命申請 asylum applications」が在ったとされている。
img_bc348031e2db21c2db2db0c9efb75973175183この言葉の定義や訳が明確で無いのも事実で、BBCは、「亡命申請 claiming asylum」の法的手続きを終えていない、移住中の人すべてを「移民migrant」と呼んでいる。この中には、戦争で引き裂かれているシリアのような国を逃れて移動し、難民認定される可能性の高い人たちも含まれる。また、各国政府に「経済移民economic migrants」と分類される可能性の高い、より良い職業や生活を求めて移動している人たちも、「移民 、難民refugee」に含まれるとしている。
日本語訳ではMigrantもrefugeeも移民になっているが、Migrantは移住者全体の総称で、何らかの事情で正規の手続きをせずに、または出来ないまま移民をもとめて入国した人たちを難民の意味もあるRefugeeと書き分けていると筆者は理解している。
screenshot-www.sankei.com-2018-05-26-09-42-03以前のスウェーデンの難民認定手続きでは、難民の内、亡命申請者に対し、人道的配慮から3年間の仮滞在許可を与えて合法移民として扱い、その後に政府による永住権が付帯する亡命審査が個別に行われた。2013年には、亡命を希望するシリア難民全員を受け入れ(亡命者として)永住権を与える方針を示し、欧州一「難民に優しい国」と言われたが、難民の急増で国家予算や施設が間に合わず、2015年12月から、また審査基準を厳格にし、家族呼び寄せの禁止や生活手当てなども規制する方向へ転換をした。その結果、テント生活の待遇などに不満だとして、亡命者として得た永住権を返納して帰国する者も出て、メディアは「わがままな難民」と書いた経緯がある。参照記事 参照記事
現在、数の多いシリア難民に関しては、トルコが国連予算で一端国内に収容し、審査した上で欧州へ移民として送り出し、同時に密航ビジネスを取り締まった結果、欧州への違法密入国者は減少したが、欧州での難民は増え続けている。特に、アフリカからリビアなどを経由する密航者には手が打てていない状況だ。 英文記事 参照記事 英文記事   過去ブログ:2015年11月 ドイツは難民に対して「常識を取り戻した」 10月難民問題に正面から向き合うドイツ

nappi11 at 00:30│Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

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