ph011c2dd3c3b29d4a0d049cfd8cf50cf567ファーストリテイリング傘下のユニクロは、アフリカで初となる生産拠点をエチオピアEthiopiaに設ける。同国はアジアの途上国よりも安い労働コストを背景に縫製産業が育っている。2018年中にもTシャツなどの試験生産を始め、低価格・高品質の製品を安定的に生産できるようになれば欧米向け輸出拠点にする方針。価格競争力を高め、世界の衣料品大手に対抗すると、2017年12月27日柳井正会長兼社長が方針を明らかにした。
tableこれまでユニクロは量産拠点に中国やベトナム、バングラデシュなど労働コストの低い国を選んできたが、中国やベトナムの労働コストは経済発展と政治的な影響もあり、急上昇。その後2008年にはユニクロはバングラデシュに注目し合弁会社を設立して来たが、 ユニクロはさらに労働コストの低い、最後のフロンティアであるエチオピアEthiopiaに注目した。エチオピアの労働コストが低く、欧州に近いという点が有利と考えられ、さらに米国向けや欧州向けの輸出で適用される関税優遇制度を用いれば、より企業のコスト競争力が増す。
BN-JE434_0701af_J_20150630210837アパレル業界にとってエチオピアは関心の的で、すでにカジュアル衣料大手のH&Mも進出し、中国企業も乗り出してきている。エチオピアには、1970年代から90年代初頭まで続いた社会主義政権の遺産である国営の製造業が多く残っており、人口9000万人と労働人口が豊富なエチオピアは、既に数年前から同国のアパレル業界関連輸出を拡大したいという考えを示していた。参照記事 参照記事
africa-map-cotton-exportcmia1702衣料は、自動車などに次いで、グローバルサプライチェーンにおいてアフリカが生産地として入り込めている数少ない製品。西アフリカからコットンが輸出され、中国やインドの資本集約的テキスタイル工場で生地になり、日本や欧米の品質管理やデザインでアフリカの労働集約的工場で衣料になり、アメリカやヨーロッパ、日本の市場で販売される時代になってきた。エチオピアではすでに、スマホなどの製造も始まり、サムスンなどが乗り込んでいる。左下の図、主なコットン生産国、輸出国を示している。

nappi11 at 06:58│Comments(1) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

コメント

1. Posted by 甲東   2017年12月29日 11:00
賃金が月に50ドル程度か。25年ほど前に近くの国に行ったことがありますが、変わってないなー。昼飯もろくに食えない状態。食パン半斤で喜んで残業してくれる労働者。日本人が準備したインスタントコーヒーにクリープを山のように入れて、栄養の足しにしている人達・・・
アフリカの貧困国に欧米等の資本が入ると、利益を受ける一部の人達との格差が一層広がり、弱い奴が一層弱くなるという話しもあった。しわ寄せ・・・

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