44b84fc41b9143c4b054350ebeaa12a4_182e774cc2中東のメディアアルジャジーラALJAZEERAは、アサド政権が紛争終結後に向けて動き出した事をけん制する記事を連載し、タイトルには「アサドの見えない武器で消えた人々。数万人が誘拐、拷問に、、」と書いている。写真中央は、ダマスカス近郊の収容所で発見された市民の遺体と収監されていた市民。独断的に反政府的とされた市民はアサド政権の秘密警察などに誘拐、拉致、拷問され、処刑や餓死などで多くが死亡したと言われている。
すでに人権監視団体などから公表されている数字だけ拾っても、シリアで国内紛争が始まった2011年からだけで20万人以上がアサド政権により拘束され、6万5000人以上が消息不明、6万人以上が拷問や非人道的な扱い、餓死で亡くなったといわれている。参照記事 参照記事
8022c07eSyrian Civil War Map _ Live Map of the Syrian Civil War辛うじて逃げ出せた人はシリアに戻れず、トルコなど周辺国で今も息を潜めて暮らしている。
戻れば、その残忍、非道さで有名なアサド大統領配下の秘密結社シャビーハ shabiha:写真下 や秘密警察(総合治安局国家治安部 総称アムン:Amn)、憲兵隊が待っているからで、多くのシリア人は、海外にいても暗殺の恐怖に怯えている。
55c88796-sc3bd68ec-sアサド自身は、毒ガス兵器使用、市民の大量虐殺、無差別空爆などで、国際裁判に掛けられても不思議無い状況だが、中露、イランの威光で今も大統領に座にしがみついている。反政府派は、ロシア主導のアスタナ会議の決定などは無視しており、シリアからISの黒服の姿が消えたとしても、シリアの安定は当分訪れないだろうと、筆者は個人的に思っている。アサド政権の独裁と横暴を嫌った軍幹部は紛争初期にトルコへ渡り、今も反政府組織「自由シリア軍FSA」としてトルコの支援の中で存在している。一時は、クルドと共闘してKobaneなどでISと戦ったが、その後袂(たもと)を分けている。 過去ブログ:2017年11月IS攻撃が続くシリア・イラク国境付近 1月危うさと残忍さ漂うアサド政権に日本のTVが単独取材 シリア 2016年12月ロシア紙に見るアサド擁護のプロパガンダとその歴史
中段の戦況図によれば、11月25~28日、シリア・クルドのアフリンのある西部飛び地は、飛び地南部へ侵攻したトルコ軍から砲撃を受け、SDFも砲撃で応戦し、北部もトルコ側からの砲撃を受けている。トルコの言う「テロ組織」は、あくまでもクルディスタン労働者党(PKK)配下のクルド軍であり、アスタナ会議でいうテロ組織「IS」とは違いがある。
イドリブ付近の反政府組織が2色で色分けされているが、濃い方は旧ヌスラ戦線(Jabhat al-Nusra、Nusra Front、名称変更後シャーム解放委員会:Hayat Tahrir al-Sham)系イスラム反政府組織で、薄い緑は、複合イスラム反戦組織(Ahrar al-Sham and other rebel factions)とされている。この地域の南部では11月24日、ヌスラ系とIS系の戦闘が確認されている。
 11月26日、シリアクルドの東部で、大量の武器弾薬を積んだ車列が西へ向かうのが確認されている。米ホワイト・ハウス報道官は28日、「YPGへの武器供与を徐々に終わらせるプロセスにある」と発言したと報道され、トルコがこれを評価する声明を出した。11月27日には、クルド支配地マンビジュManbijの軍指揮官への暗殺未遂があったようだ。 参照記事 。 
11月27日、ダマスカス東部の反政府地域へ、ロシアが複数の空爆を行っている。駐スイス・ロシア国連大使が「反体制派によるアサド大統領退陣要求は非現実的で建設的対話に資さない」と発言したと28日報道された 参照記事
イラク軍は、11月23日より、大規模なIS掃討作戦をイラク西部の砂漠地帯で開始している。
Syrian War Report – November 29, 2017  US-backed Fo2017年11月30日:米軍支援のクルドSDFとISがシリア東部地域ハサカ県province of Hasakahでの停戦協定を交わしたとの記事がIS側から流れ、今後相互のホットラインや協議場所が設けられ、同地域での市民の移動や物資の運搬車輌の通行が自由になるとされた。しかしSDFは28日、そのような協議は行なわれていないと否定した。真相は不明だが、過去に、ラッカRaqqahやマンビジュManbij、タブカTabqahなどで、SDFとISの間で何らかの協議が行われ、ISがその地域から妨害もなく撤退した事実があったとされている。ラッカの件ではトルコがその事を根拠に、米軍はISを支援していると非難する場面があった。写真の書類は、協定書のコピーとされるもの。 参照記事
2017年12月1日:米主導の有志連合は11月30日、国際テロ組織「ダーイシュ(イスラム国、IS)」が「首都」と称した本拠地のシリア北部ラッカで作戦に参加していた米海兵隊員400人以上が撤収すると明らかにし共同通信が伝えた。交代部隊の派遣は中止となり、一定の区切りがついたことになる。参照記事 シリア駐留米軍の規模は約2000人弱との記事が出ているので、一部の撤収のようだが、、。モスクワのシリア治安担当官は30日、ロシアはシリアからの撤収への準備はしているが、準備の進捗によると、時期については明言を避けた。参照記事 過去ブログ:2017年11月シリア、イラクは戦後復興財源の獲得に動き出したが問題も

nappi11 at 04:48│Comments(2) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

コメント

1. Posted by 甲東   2017年12月01日 07:32
ど素人の想像と希望。鬼も大笑い。
早くとも来年の4月頃でしょうが、ロシア等が新アサド政権を作るでしょう。SDFも参加するでしょう。過去6年間よりは静かになりそうな。不気味な静けさ・・・当然、テロはある。下手をすると、ヌスラ討伐は進行中。
数年はこの強硬な新政権が続いた方が良さそうな気がします。南部でイスラエルとの軋轢が頂点に達し、アメリカ、ロシアの働きもあり、両政権が倒れ、中東問題の本命、パレスチナ和平が動き出して欲しい。イスラエルも自分が紛争の主人公にはなりたくないはず。両国にも未だ穏健な人達は残っている。シリアの場合、親米にはならないが妥協は可能。動き出すまで3年はかかるか。
パレスチナが解決しない限り、シリア、中東の本当の安定はあり得ない。トランプも、内容は不明だがやる気はある。ただ、今、和平を望まない連中が新たな混乱を創り出そうとごそごそしている。
もう一つ。シリアには2300万人を養う国力は既に無い。1500万人・・・
2. Posted by 甲東   2017年12月02日 17:57
スプートニクが、“中国が、反体制派に参加しているウイグル過激派掃討のためにシリアに出兵した”、と言い出したようです。恐らく希望を述べているのでしょう。理由は何であれ、多くの中国兵が正式にうろちょろし出すと、アメリカ、イスラエルにとっては厄介な方向でしょう。ひょっとすると、トルコの手を縛ることにもなりそう。いろいろ考えるものだ。兵隊は無理でも、来年から労働者がわんさか入国するかも。被害が出れば兵隊も・・・

現在、ジュネーブ8会議が始まっていますが、政権側は主としてサウジ系反体制派にけんもほろろの態度のようです。ロシア主導のシリア国民大会で大勢が決する見通しなんでしょう。クシュナー、サウジ皇太子は思案中・・・早くしないとクシュナー危うし。

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