ウラルヴァゴンザヴォート(UralVagonZavod:2016年に創業80周年を迎えたロシアの戦車製造企業)は2018年、ロシア軍に戦車支援戦闘車(BMP-T)「ターミネーター(処刑人、抹殺者)」を10台以上供給すると公表した。「ターミネーター」では国防省のニーズに合わせてT-90戦車のユニット(unit装置)やジャンクション(junction接合部)が用いられるという。車両の武装は国際軍事技術フォーラム「アルミヤ2017」でお披露目されたものと実質的に変わりないが、今後、乗員人数の要望が訂正される可能性もある。ウラルヴァゴンザヴォートは、すでに「ターミネーター」の新たな改良作業を進めていると指摘した。参照記事
ロシアには主力戦車T-90:左があるのに、なぜ、一見見た目は戦車と変わらない戦車支援戦闘車(BMP-T):上 が必要なのかと思われる方も居るかもしれないが、これは最近の紛争地の変化と大いに関係がある。それまでの中東での戦争では、砂漠で戦車同士が対決する場面もあった。また、長らく大型戦車の多きな役目は、大口径の砲弾を撃ちながら、敵陣地を正面突破し、地上部隊の進撃を容易にすることにあった。当然戦車の装備は正面に向けて集中し、防御も正面からの攻撃に最大の配慮がされていた。しかし、イラク、シリア紛争での空軍を持たないISの作戦は、戦車を市街地に引き込み、戦車の防御が弱い後部や側面を至近距離からロケット砲などで攻撃するものだった。中長距離の相手や施設を一発で破壊する大型戦車の砲撃も、目の前の神出鬼没なゲリラ攻撃には打つ手が無く、機敏な動きの敵への反撃には向いていなかった。
そこで登場したのが一回り小さく、360度全方位的な視界を持ち、市街戦での速射に適した機関砲での反撃が可能で、近くの敵には迫撃砲やミサイル攻撃もできる戦車支援戦闘車だ。側面や後部の防御も強化されている。重量だけ見ても、「T-
90」は46.5tなのに対し、新型の戦車支援戦闘車「ターミネーター2:BMP-T Terminator2」は44tに更に軽量化され、乗員は従来の5名から3名に削減されている。記録映像左は、シリアのアサド大統領と 「ターミネーター2“Terminator 2”」。ロシアは自軍への配備と同時に、チェチェン、イラク、シリアの実戦をベースに改良された戦車支援戦闘車を世界各国へ輸出しているが、国際間では戦車の分類には入らない特殊装甲車輌、接近戦用特殊武装車輌の扱いにされている。

