comimage12017年8月30日:シリア北部、西クルディスタン移行期民政局/北シリア民主連邦のアフリーンAfrin(Efrin)地域シャフバー地区の中心都市タッル・リフアトTall Rifat市および同市周辺にロシア軍憲兵隊が進駐した。

西クルディスタン移行期民政局(通称「ロジャヴァ」:Rojava、クルド語で「西」の意、クルド民族主義政党の民主統一党(PYD)が2014年1月に発足させた自治政体)の武装部門、人民防衛部隊YPG傘下のシリア民主軍SDFに近い複数の消息筋によると、ロシア軍憲兵隊の進駐は、トルコ軍およびその支援を受ける「家を守る者たち」作戦司令室の砲撃やシリア民主軍との戦闘が激化するなかで、同地に緊張緩和地帯を拡大する狙いで行われたという。

svgロシア軍が、クルド支配地域に監視軍を派遣するのは初めてではないかと思うが、わずかでも緩衝地域(安全地帯 safe zone)拡大を狙うトルコに対し、現状でにらみを利かせる事ができるのはロシアだけだろう。SDFに武器支援し、トルコに批判的な米軍では余りにクルドに近過ぎ、新たな軍事対立を生みかねない。右下は2017年3月26日時点の、トルコ支援のFSAがユーフラテスの盾作戦と称して南下作戦を行なっていた時の侵攻図で、見比べれば、その後トルコ主張の緩衝地帯(安全地帯 safe zone)は大きく拡大していない。トルコとしては、現状で東西のクルド支配地域を十分に分離し、目的は達成したということだろうが、激しい攻防の末、Azazを緩衝地帯に取り込まれたクルド側としては、Tall Rifat地域制圧を狙うトルコを警戒し、この付近の軍事緊張が高まったためロシアが介入したと筆者は想像している。

IS排除後のシリアで、米map12国、ロシア、イランも分割統治をすでに了解しているとの憶測記事も出始めている。今のままでは、シリアは、クルド(北シリア民主連邦)、トルコ(北部緩衝地帯管理)、アサド政権(首都ダマスカス)、反政府政権(イドリブ)の4分割になる可能性が高く、シリア国内に制空権を持つロシアの影響力が大きくなる可能性がある。しかも今後、米国がシリア・クルドを主導するPYDの思惑に沿って行動するかは判然としない。なぜなら、ISに対する「テロとの戦い」後の米国の対シ9b156a48リア政策の具体像がまったく見えないと言われているからだ。

クルド地域に油田、ガス田はあるが、今の米国は輸出国になっている。米国のシリアへのこだわりは、従来の資源利権ではなく、ロシアやイランの影響力と均衡を取るのが目的か? 左下の図には、星条旗のマークで、米軍基地の場所を示している。米国は現在、ロジャヴァ支配地域内に航空基地2カ所を含む10の基地を構え、特殊部隊約450人を進駐させているという。 参照記事 参照記事 参照記事:クルドを見捨てようとするアメリカ? 過去ブログ:2017年2月一線を越えたトルコとトランプ政権の出方に注目

マンビジュManbijに駐留する米軍は8月29日、付近(恐らくマンビジュ北部)をパトロール中の米軍部隊が、トルコ支援のFSA兵士らから攻撃を受け交戦したと発表し、有志国軍としてトルコ側へ該当部隊へ攻撃を止めるように伝える要請をした。しかしトルコ側はそれを否定し、クルドYPG側が先に攻撃を仕掛けてきたので応戦した結果だと主張している。同地域ではこれまでも、トルコ支援の反シリア政権組織と、米国支援のYPG傘下のSDF間で、小火器による交戦がたびたび起きている。 参照記事 過去ブログ:2013年11月反政府側、シリアの油田地帯を制圧か シリア 2011年9月韓国 イラクでの油田、ガス田開発で大誤算 イラク 2008年1月イラク北部クルド人自治区と国際紛争(1)修正



nappi11 at 00:13│Comments(2) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

コメント

1. Posted by 甲東   2017年08月31日 12:55
イドリブ周辺にいるヌスラ戦線はどうなっているのだろう。15000人ほどとの噂もあるが。誰も手を付けないという感じ・・・サウジ、UAEが必死に保持しているのだろうか。トルコがカタールと一緒に面倒を見ているのか・・・
2. Posted by 甲東   2017年09月01日 14:31
月刊誌イスラエル・トゥデイが、2018年中にはアサドがシリアのほぼ全土を抑え、結果としてイランの影響力が大きくなるだろうと言ったと。
絶対にそうはさせないという意思表示ですね。当然、トランプもその方向を目指すでしょう。北朝鮮よりは気楽。イスラエルならヌスラに援助も平気かも・・・
アフガンを見ていると、現状維持のための少しの増派はマティスでも出来る。

コメントする

名前
メール
URL
絵文字