pngロンドン西部の公営高層住宅「グレンフェル・タワーGrenfell Tower」の2017年6月14日の火災について、ロンドン警視庁は2017年6月23日、出火元は4階(日本の5階)にあった、米家電大手ワールプールが2006年3月から2009年7月の間に6万4000台販売した「ホットポイント」冷凍冷蔵庫だと発表している。また、建物の外装材と断熱材が警察の安全性試験に合格しなかったという。警察は、業務上過失致死corporate manslaughterや防火基準違反などの疑いで立件を目指す方針を示した。警察が外装材と断熱材の安全性試験を行ったところ、いずれも基準値に満たなかったという。試験では外装タイルよりも断熱材の方が先に燃えはじめ、燃え方も速かったという。

火災では少なくとも79~80人が死亡した恐れがあり、タワー棟の近くの集合住宅も含め、151戸が焼失した。政府のコミュニティー・地方自治省は、安全性が懸念される外装材を使った公営高層住宅は9行政区に14棟あると発表した。参照記事 英文記事

grenfell-tower-fire-infographic2017年7月27日警察は、団体(企業)による過失致死corporate manslaughter offencesを疑うに「妥当な根拠」があると述べた。このため、ノース・ケンジントン地区のグレンフェルのタワー棟を運営していた入居者管理団体と地元自治体いずれの団体も、幹部が事情聴取される可能性が高い。団体による過失致死罪で有罪になった組織は、無制限の罰金が科せられ、他の形での責任と併せて機能するよう意図されている団体による過失致死罪は、個人の責任を問うことはできない。

住民にとって公正な処遇を求める活動団体「Justice4Grenfell(グレンフェルに正義を)」のコーディネーター、イベット・ウィリアムズさんは、捜査の進展が、警察と地域住民の信頼を高めるのに役立つと話した。「しかし、同時に我々が求めているのは、個人が起訴されること。個人の名前が挙げられ起訴されるのを我々は求めている。どちらも適用されるならいいが、団体による過失致死罪だけではだめだ」と述べている。

BBC番組「ニュースナイト」の調査では、グレンフェル・タワーで使用された建材の種類を公的に検査した結果、グレンフェル・タワーの外装材に使用されたようなデザインは根本的に欠陥である可能性が示された。地域活動団体によると、火災発生の数年前にグレンフェル・タワーの住民が火災安全対策面での懸念を訴えていたという。参照記事 英文記事 英文記事 過去ブログ:2017年6月英マンション火災の出火元の冷蔵庫は米家電大手が販売 2017年6月ロンドンで高層マンションが炎上 行方不明多数

記事は書いていないが、建物内の防火設備などにも問題があったと指摘されている。個人的には、施工上の内部~外装間の絶縁などにも問題あったのではと思っているが、調査は来年まで掛かるようだ。





nappi11 at 01:17│Comments(3) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

コメント

1. Posted by くすのきのこ   2017年07月31日 10:51
こんにちは。これは・・もしかして現ロンドン市長にまで波及するかも?
そうなるように持っていこうとする勢力があるだろ~な~と。
被害者にムスリムも多いようだし、冷静に対処できるかな?
シロいのに黒紳士なのが生粋の英国人w気も長いし・・皮肉好き。
2. Posted by 甲東   2017年08月04日 09:58
昨日、ドバイのMarinaTorchTower(80階くらい)がまた燃えたそうです。2015年にも燃えていると。外側を火が這い上がっている。本当のトーチ。
分かっていても簡単に取り替えはできないようです。外国のぴかぴか光った高層ビルには迂闊に近づかない方が良さそう。
3. Posted by 北の国から猫と二人で想う事   2017年08月04日 10:06
TorchToweは冗談かと読み返したが正式名称らしいね

コメントする

名前
メール
URL
絵文字