







現政権は、新議会が憲法改正を承認し、野党が対数を占める国民議会から立法権を剥奪することを目指し、対する野党勢力は、選挙は憲法が定める国民投票を経ておらず、地域ごとの議席配分も与党に有利


過去24時間でベネズエラ全土で13人が死亡し、首都カラカスでは、抗議デモの一つの近くで爆発:右 が起き、少なくても7人の警官が負傷し警官隊のバイクが炎上した。記事と映像
マドゥーロ大統領は、何カ月にもわたって抗議デモが続き、政府と国民議会の対立が膠着(こうちゃく)状態に陥っているなかで、制憲議会Constituent Assembly(新制議会)の発足が唯一の解決策だと主張している。記録映像
米国のニッキー・ヘイリーNikki Haley国連大使は、制憲議会の選挙を「偽選挙」だと退け、「独裁政治への一歩」だと非難した。参照記事 すでにマドゥーロ政権の13人に対して米国内資産の凍結など経済制裁を実施している米国は30日、制裁をさらに拡大し石油産業を対象に入れる可能性を示唆した。ロイター通信は関係筋の話として、ベネズエラからの石油の輸入は禁止しないものの、ベネズエラが輸出用の石油に混ぜる米国の軽質原油の輸出を禁止する可能性があると伝えた。参照記事
2017年8月2日:選挙が実施された30日日曜日に、抗議中の市民4人と政府側警備隊員一人が死亡したと言われる中、隣国コロンビア外務省は7月31日声明を通じ、ベネスエラ大統領ニコラス マドゥロが国内外の反対を押し切って日曜日に実施した制憲議会選挙により創設されるベネスエラ制憲議会を承認しないし、本国に召還しているリカルド ロサノ大使のベネスエラ帰還の予定はないと表明。また「コロンビア政府は憲法改正のための制憲議会選挙結果について関知しないし、制憲議会も承認しない。既に複数の政府が同様の表明を行っている。」との態度を明確にした。米国は、選挙は「インチキ」だったとして、先月31日にマドゥロ大統領に対して制裁を発動。スペイン、カナダ、アルゼンチン、ペルーの政府も非難を表明している。
しかし、同国への最大融資国の中国外務省は2日夜に声明を発表し、選挙は「概ね順調に行われた」と述べたうえで「様々な関係勢力から反応」があったことに言及し、他国の内政には干渉しない姿勢を示した。参照記事 参照記事 過去ブログ:2017年5月中国の最大融資先ベネズエラが政治、経済崩壊の危機
制憲議会選挙が強行された翌7月31日月曜日、ベネスエラ通貨はブラックマーケットでこれまでで最も安い1ドル1万1185,95ボリバルまで下落し、公定レートは1ドル約10ボリバル(ボリバル・フエルテ:VEF)だが、闇では1万1185ボリバルで交換されている。制憲議会選挙の実施が新たな通貨下落をもたらし、通貨下落は危機的なベネスエラ経済をさらに悪化させると指摘されている。投資家はここ1年余り、ベネズエラがデフォルト(債務不履行)に陥る可能性を警戒している。カラカス・キャピタル・マーケッツによると、ベネズエラ政府と国営石油会社のペトロレオスPetróleos de Venezuela
2017年8月3日:ベネズエラで先月末に行われた制憲議会選挙について、投票技術を提供した英企業スマートマティック(Smartmatic)は2日、選挙管理当局による公式発表で投票者数が水増しされていたことを明らかにした。間もなく発足する制憲議会の正当性に対する疑念がさらに深まっている。スマートマティック社はロンドン(London)で開いた記者会見で、選挙の公式結果は投票率を実際より多く見せるために「改ざんされた」と説明。同社のアントニオ・ムヒカ(Antonio Mugica)最高経営責任者(CEO):写真左 は「われわれの推定では、実際の投票数と当局発表との間に少なくとも100万票の違いがある」と述べた。 親ニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)政権派のベネズエラ選挙管理当局の発表では、全有権者2000万人の40%に相当する800万人以上が投票したとされていた。だが選挙委員5人のうち唯一の野党代表は2日、不正行為があったと指摘している。野党側は、実際の投票者数は350~360万人前後(または、ある機関は200万~300万人)で、その大半が職を失うことを恐れた政府職員だったとしている。調査会社データナリシス(Datanalisis)の世論調査によると、国民の70%が新制憲議会の招集に反対し、野党側は選挙結果は改ざんされていたTampered withとして全国的な反対デモを呼びかけている。参照記事 英文記事
2017年8月5日:反米左派のマドゥロ大統領派で占められている南米ベネズエラの最高機関、制憲議会は5日、反大統領派の急先鋒(せんぽう)のオルテガ検事総長を「深刻な職権乱用があった」などとして解任した。同氏は最高裁の求めで裁判にかけられる。
独裁体制を強化するニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)政権下では、同政権を支持する民間組織が反政府市民を襲撃する事件が多発し、周辺の南米諸国は経済関係を遮断するなどの行動に出ている。孤立したベネズエラの現政権打倒には、軍のクーデターしか無いように見える。
2017年8月7日:ベネズエラで現地6日、武装した反政府グループが軍の基地を襲撃し、2人の死者が出た。軍の将官を名乗る人物がソーシャルメディアを通し、マドゥロ政権に対する「合法的な反乱」だと宣言した。マドゥロ大統領は同日、テレビのレギュラー番組で襲撃に言及。「我々は1週間前の選挙で勝利し、きょうは銃弾でテロを抑えた」と宣言した。
当局によると、首都カラカスCaracasから西へ約150キロ離れたバレンシアValenciaのパラマカイ陸軍基地 Paramacay military base が襲われたが、まもなく鎮圧された。パドリノ国防相は「軍の制服を着た民間人」が「テロ攻撃」を仕掛けたと述べた。20名ほどが基地への侵入を試みたが軍の反撃で多数が逃亡し、包囲された襲撃グループは10人で、政権側の銃撃で2人が死亡、1人が負傷した。このうち1人だけが数カ月前に脱走した元将官で、残り9人は民間人だったという。ビジェガス情報相によれば、グループのメンバー7人が拘束された。反乱部隊というには余りにも小規模な体制で、とても本気だったとも思えない規模だ。 参照記事 英文記事 英文記事 映像:制圧される反乱グループなど
2018年1月16日:元ベネスエラ警察ヘリコプターパイロットのオスカー・ペレスOscar Pérezが1月15日月曜日に治安部隊との戦闘で死亡したと報道された。ベネスエラ政府はペレス死亡に関する公式発表は一切していないが、内務省は当時テログループ摘発作戦を実行し、複数の死傷者と5人の逮捕者が出ていると発表している。戦闘中ペレスは複数回インスタグラムに投稿し、小さな建物に包囲された中、投降するので攻撃をやめるよう政府軍へ要請し、「我々は投降する。発砲をやめてくれ。」 「ベネスエラ政府は我々の投降を許さない。殺そうとしている。」とツイッターに投稿していた。右下は、本人が最後のツイッターで送ったと思われる写真。記録映像
1月15日に投降したオスカー・ペレスOscar Pérezと彼の仲間は、その後の無線の内容分析から、警察との交渉で投降後に、頭部に銃弾を受け処刑されていたと報告された。当時警察に包囲された民家にはオスカー・ぺレスと仲間5人、そのうちの1人の妻の7人がいたが、全員遺体となってカラカスに運ばれた。参照記事 記録映像 記録映像